InterBEEには、恒例の動画レポートを行うのだが、最小限の力で最大の効果を生む方法を編集部では探ってきた。何よりも要は、編集ソフトであると思っていたのだが、PRONEWSでコラム連載中のふるいち氏に強力に薦められたVEGAS PRO 9 (以下VEGAS)に巡り合った。

さて、いよいよInterBEEの季節になってきた。そこは実際にソフトを操作したり細かい質問をぶつけたりできるいい機会であり、それまでにある程度の興味と予備知識を持っておくと、より効率良く体験することができる。逆にいうと、そういう体験なくして、高価なソフトに簡単に手を出すわけには、いけないのだ。

さらに個人的にレッスンを受けつつ、ふるいち氏が、会場(フックアップ#4206)に於いて、デモンストレーションを行うらしいではないか!何を使って編集を行うのか、一応決着がついたため導入検証は、今回で最終回となる(実践編がはじまるけど…)。今回はその最後として「音」の編集機能についてわが師(Master)に聞いてみた。


本物のALL in ONE

オール・イン・ワンと呼ぶ為には欠かせない音声編集機能にスポットを当ててみる。今時、どのNLEソフトにでもミキサー画面やエフェクトといった音声を整えたり加工したりするファンクションは付いている。AppleやAdobeのようにパッケージソフトとリンクさせる事によってより高度な音声編集を可能にしている物もあるが、リンク自体の安定性にはまだまだ不安が残る。ハッキリいってしまうとVEGASでは、そんな事をする必要がないのだ!それだけ VEGASの音声編集機能は優れている。それは他社のNLEソフトにオマケで付いているようなレベルとは一線を画し、それでいて専門知識がなくても、直感的に扱えるような、つまり「やる気になる」実用的な物だ。

これはとても重要で、いくら高機能であってもそれを使いこなす為の知識と覚悟を要求しそうな画面では、始めから敬遠してしまう物だ。そもそも整音やMAを皆さんはどうしているのだろうか?もちろん予算と時間に余裕のあるプロジェクトであれば専門のスタジオやエンジニアに頼ればいいのだが、余裕がなくなると残念ながらそこが一番先に削られる。最近では音の部分も映像クリエーターが行う機会は多いだろう。今回取材を行う編集部もそうだ。しかし、その為に音声の専門ソフトを用意して使いこなしている人は少ないだろう。せっかくパッケージソフトの中に音編集ソフトが同梱されていても、触った事がないなんて人も多いのでは?

なぜ君たちは音にこだわらないのか?

しかし現状残念な事になっている。「解らないからやらない」という人も多く、結果、音質的にレベルの低い作品が、特に自主映画なんかにはよく見られる。しかし覚えておいてほしい。視聴者レベルでは、音声の不具合は映像の不具合に比べて同等以上に気になる物なのだ。せっかくの作品を台無しにしてしまわない為にも、最悪ヘッドフォンでも構わないのでしっかりしたモニター環境を整えてVEGASのミキシングコンソールを使ってみてほしい。

VEGAS 音編集に関する5つの強み

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ミキシングコンソールはぜひ大きいサイズで使ってほしい。バスもいくつでも作れるので、センドで送れば各トラックに共通のエフェクトがかけられ、エフェクト量も調節できる。細かい臨場感を出す為にもリバーブ等を積極的に使ってほしい。これはもうちょっとしたDTMソフトのレベルだ。

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エフェクトプラグインはプリインストールでざっとこんなもの。VSTという規格に対応しているので、プロの音楽スタジオで使われているプラグインも使用可能だ。各プラグインの設定は必要以上に細かくはなく、怖がらずに「やる気になる」レベルだ。

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これはコンプレッサーをかけているところだが、ゲインリダクションレベル(圧縮されている量)までしっかりメーターで確認できるので、試行錯誤でも使ってみるといい。

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大きなフェーダーを使ってリアルタイムにキーフレームを打って行く。専用のコントローラーがあれば快適だが、マウスでも十分できる。BGMの音量も大きいか小さいだけでなく、微妙な抑揚を付ける事によって、高品位なサウンドトラックができる。ぐりぐり動かして記録した動きが、プレイバックでフェーダーがぐりぐり再現されるのは圧巻だ。これはボリュームを動かしている所だが、エフェクトのパラメーターも同様にリアルタイム記録が可能だ。

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VEGASのタイムストレッチはとても使いやすい。上の同録音声の波形とモニターの口の動きを見ながら、下のアフレコ音声を文字単位でリップシンクをとっている。慣れは必要だが、切って合わせるだけでなく、延ばしたり縮めたりで隙間のないタイミング補正を行えば、とても自然なセリフになる。

それでも VEGAS

実は私は整音とMAにApple Logic Proを長年愛用しているが、VEGASの音声編集のやりやすさは、Logicを越える部分もあり、大変重宝している。はっきり言って、音楽を作ったりしない限り、この中で全て完結できる。今回は触れなかったが録音ですら、それなりのオーディオインターフェイスがあればパンチイン/アウトもできてしまうし、サラウンドのミキシングまでできてしまう。EDIUSユーザーの知人で音声編集だけの為にVEGASを使っている人もいるが、それもうなずける話だ。ぜひ一度使ってみてほしい。

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編集部

PRONEWS編集部による新製品レビューやイベントレポートを中心にお届けします。