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[Report Now!]NHK第45回番組技術展〜8Kなど現場から生まれる技術や取り組みを紹介

2016-02-10 掲載

NHK2016_top
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放送現場で開発・活躍する最新の放送機材や取り組みが紹介される番組技術展

2016年2月7日(日)~9日(火)の3日間、東京・渋谷のNHK放送センターにおいて、全国の放送現場で開発した最新の放送機器、番組制作や緊急報道への多彩な取り組みを紹介する「番組技術展」が開催された。

ここ数年国内では、火山の噴火など大きな災害が多く、そうした現場に対応した取材システムや、東京オリンピックへ対応したスーパーハイビジョン関連のものが多く見受けられた。NHKの放送技術を直接“見て・触れて・知って”もらえるイベントとして、一般にも開放されているということもあり、初日の日曜日はベビーカーを携えた親子連れも見受けられ、InterBEEやNABなどとちょっと違った和やかな雰囲気となっていた。

世田谷のNHKでも毎年5月に技研公開を行っているが、最先端の技術を中心とした技研展と異なり、こちらは現場の創意工夫満載の出展となっており、身近な機材の組み合わせやビデオ機器とは全く関係のない機材やパーツを取り入れたものなど、現場的には参考になるものが多いといえる。全国各地のNHK支局の出展もあることから地域性のある機材や工夫は見ているだけでも楽しいものといえる。

NHKでは過去の放送技術が見られる放送博物館と、未来の放送技術を中心としたNHK技研公開、そして現在の放送技術が体験できる番組技術展の3つがあるわけだが、いずれも最近の流れとしては一般の来場者にも楽しめるようになっている。視聴料で成り立つNHKとしてはこうしたイベントを通してNHKの仕事や番組制作の理解を深めて貰いたいという思惑もあることと思うが、一般向きではなくても現場的に有用なものも、もう少しあってもいいように感じた。

様々なソリューションを会場から

■8Kスーパーハイビジョン中継車

8K放送実現へ向けて開発された8Kスーパーハイビジョン中継車は「SHC-1」と「SHC-2」の2台。SHC-2は米カリフォルニアで開催されている第50回スーパーボウルのため海外出張中。今回展示されたのはSHC-1で、紅白歌合戦などで活躍した車両だ。制作室に55インチ8Kモニターを搭載しているので、8K環境での制作が可能となっており、カメラは最大で10台、収録機4台、ライブスロー4系統の実装が可能となっている。全長約12mの20t車で、昨年9月に池上通信機が発表した車両だ(放送技術局/技術局)。

NHK2016_1080031 スイッチャー卓スペースは片側拡幅型となっており、スペースを確保している NHK2016_1080003 NECの16入力4出力の1M/Eスイッチャーが装備されたスイッチャー卓 NHK2016_1080011 VE卓スペース。コンソールにはカメコンが装備されているが、現在のところ1台のみで、どうやら海外や今回のイベントのため出払っているようだ。モニターは手前がソニーで、奥下がキヤノン、その上に池上通信機が並ぶという構成 NHK2016_1080013 池上通信機のSHV-8000、SHK-810用のカメコン。レンズのリモートもここから行えるようになっている NHK2016_1080015 VE卓の背面に装備されたパッチ板やルーター、各種プロセッサー。信号は複数の3G-SDIで接続する方式で、将来的にはIP化の方向という
■8K全自動コンパクトプレイヤー

8K再生機と映像切替器・タイマーを組み合わせた全自動の再生システムで、送出プログラムにより、8K試験放送と8Kコンテンツを自在に切り替えて上映できるほか、複数のコンテンツをワンタッチで切り替えて再生することができる。展示会やパブリックビューイングなど様々な場所での8K再生機として活用可能(NHKメディアテクノロジー)。

NHK2016_1050202 市販の4K再生機を組み合わせて廉価な8K再生システムとしている NHK2016_1050204 市販の再生機を4台同期させるためのコントローラーやHDMI切替器がワンパッケージになったシステム NHK2016_1050206 曜日や時刻など自動再生するための送出プログラムの設定画面
■8Kスーパーハイビジョン信号をHD非圧縮1回線で伝送できるTS/SDIマルチデマルチコンバーター

8Kスーパーハイビジョン(SHV)信号は24Gbpsの帯域が必要になるため、伝送の際にはデータ量を約1/100の280Mbpsまで圧縮して伝送していた。それでも1本のTS(トランスポートストリーム)回線には収まらず、2本のTS回線に分割し、その都度専用回線を利用して伝送しなければならなかった。TS信号をHD-SDI信号に変換するTS/SDIマルチデマルチコンバーターにより、一般的に広く使われているHD非圧縮回線を活用することができるようにすることで、HD非圧縮1回線で伝送できるようにしたシステム(放送技術局 報道技術センター)。

NHK2016_1050220 8K SHV信号をH.264コーデックで2本の140MbpsのTS信号に変換し、TS/SDIマルチデマルチコンバーターにより、HD非圧縮1回線で伝送 NHK2016_1050222 2本の140MbpsのTS信号をHD非圧縮1回線に変換するTS/SDIマルチデマルチコンバーターSMX8000
■ジンバル防振リモートカメラヘッド

ドローンなどで使用されているジンバルシステムを車載や自転車、バイク、クレーンや滑車釣りなど様々な撮影スタイルに応用。防振機能のほか、無線制御のパン/ティルトが可能で、映像は有線のほかカメラの機能を用いた無線が使用できる。NHK宇都宮放送局「とちぎ640 キラリ☆とち旅コーナー」ですでに運用実績があるという。GoPro専用とLANCカメラコントロール対応のモデルがある(宇都宮放送局)。

NHK2016_1050128 GoPro専用のType0モデル。小型軽量なので、自転車や釣りなども大掛かりな仕掛けを必要としない NHK2016_1050131 Type0のヘッド部分。パン/ティルトなどコントロールは有線式 NHK2016_1050130 無線によるコントロールの試作機
■緊急展開用太陽光無停電ロボットカメラ

電源喪失時や電源確保が難しい現場でも24時間の撮影が可能なロボットカメラ。ソーラーパネルにより電源がなくても稼働でき、すでに阿蘇山の噴火など緊急展開が可能な現場で活躍しているという(放送技術局 報道技術センター)。

NHK2016_1050138 電源喪失時や夜間も火山活動を監視できる火山監視用ロボットカメラ NHK2016_1050133 カメラ部は一般の監視用の物を採用している NHK2016_1050136 カメラ部を超高感度一眼レフカメラにすることで、夜間の火山活動の監視にも対応 NHK2016_1050134 バッテリーとソーラーパネルでの充電回路などがワンパッケージになっており、3G/LTE回線を使用して24時間映像を伝送可能
■遠赤外線ズームカメラの運用

遠赤外線ズームカメラにより、夜間など通常のカメラでは撮影することができない状況でも、遠赤外線で熱源を感知し、遠方の噴煙を鮮明に撮影可能。現在も継続して設置しており、箱根山の変化を日々監視しているということで、カメラの現物は展示されていなかった。元々は、東日本大震災後、福島第一原発を遠方からかすみなく撮影することを目的としており、遠赤外線を使用したカメラを開発したものをレンズのワイドズーム化、軽量化を実現し、現在は箱根山の大涌谷噴出口を正面から捉えられる位置にカメラを設置して、屋外での長期使用に適しているかどうかを検証しているという(放送技術局 報道技術センター)。

NHK2016_1050144 カメラは現在箱根で運用中 NHK2016_1050140 上2つが一般のロボットカメラの映像で、下の2つが高感度遠赤外線ズームカメラによる映像 NHK2016_1050142 暗くなっても遠赤外線ズームカメラによる映像では火山の様子がわかる
■目に見えない有毒ガスを捉えることができる火山性ガス可視化カメラ

二酸化硫黄(SO2)の紫外線吸収特性を利用して、肉眼で見えない火山ガスを映像で可視化することができ、カメラには紫外線HD撮像センサーが搭載されている。310nmと330nmの光学フィルター切替による比較により、見えない有毒ガスを可視化することで噴火の際の減災報道への活用や長期観測による噴火予知・火山活動研究および防災システムへの応用など、さまざまな場面での活躍が期待される(横浜放送局/技術局)。

NHK2016_1050152 紫外線帯域まで感度がある撮像素子を搭載したカメラとニコンの紫外線撮影用レンズUV-105mmF4.5 NHK2016_1050147 310nmと330nmの光学フィルターで撮影した画像と可視光の画像
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[ Writer : 編集部 ]
[ DATE : 2016-02-10 ]
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