PRONEWS

  • imgABOUT
  • imgTWI
  • imgFB
  • imgYTU

トップ > コラム > 鍋潤太郎 > [鍋潤太郎のハリウッドVFX最前線]Vol.77 第89回アカデミー賞VFX部門のノミネート作品を決定する「BAKEOFF」が開催される

News

[鍋潤太郎のハリウッドVFX最前線]Vol.77 第89回アカデミー賞VFX部門のノミネート作品を決定する「BAKEOFF」が開催される

2017-02-03 掲載

取材&写真:鍋 潤太郎
画像:ビバリーヒルズにある米国映画芸術科学アカデミーシアター

はじめに

映画の賞レースのシーズン到来である。それに先立ち、1月7日土曜日夜、アカデミー賞を主催する米国映画芸術科学アカデミーのビバリーヒルズにあるSamuel Goldwyn Theaterにおいて、第89回アカデミー賞視覚効果部門の候補作品、すなわちノミネート作品を選定するための試写会「BAKEOFF(ベイクオフ)」が開催された。今回は、その話題をご紹介させて頂く。

映画の賞レース・シーズン、幕開け

ハリウッドでは年明けすぐ、映画の賞レース・シーズンが始まる。特に1月から2月にかけては、ゴールデン・グローブ賞やアカデミー賞、そしてDGA(米監督協会)やWGA(米脚本家協会)、VES(米視覚効果協会)などの各映画ギルドの授賞式がこぞって開催される。特にアカデミー賞の授賞式は、世界的に認知された権威ある賞ということもあり、賞レース・シーズンの1番最後に締めくくりとして開催される。

“BAKEOFF”とは何か?

栄えあるアカデミー賞の授賞式においてオスカー像を獲得する作品は、アカデミー賞の会員投票によって各部門のノミネート作品の中から1本が選ばれるわけだが、その前段階として、「ノミネート作品そのもの」を選定&投票するための試写会が「BAKEOFF」である。

“BAKEOFF”という言葉は、元々はパンを焼き上げる製法から由来しており、アカデミー賞などの映画賞で、数ある候補の中からノミネート作品を絞る「選考会」の名称で用いられることが多い。BAKEOFFは、基本的にはアカデミー賞の会員を対象とした試写会なのだが、会員以外の一般人も(先着順の一般人枠の列に並ぶ必要はあるが)無料で入場することが出来る。ただ、この情報は大々的に告知されるわけではないので、結果として映画&VFX業界に従事する人が「一般人」として来場することになる。

naba_77_0931 列に並んで入場を待つ「一般人」。VFXスタジオなどに勤務する業界関係者が殆どだ nabe_77_0933 入り口では、金属探知機によるセキュリティー・チェックが。空港なみの厳重さである

試写室の中に入ると、ステージの両脇には“あの”オスカー像がドーンとそびえ立っており、映画関係者であれば誰もが「ここが由緒正しき聖地」であることを感じずにはいられない。ここに来ると、なんだか急に自分も偉くなったような、そんな妄想に浸れる場所でもある(あ・ほ・か)。

naba_77_0935 入場すると、この日のBAKEOFFで上映される作品リストが手渡される。ステージ脇にはオスカー像

しかも、場内を見渡すと「特撮/VFXの神様」と呼ばれる人々ばかり。ILMのVFXスーパーバイザーで映画「ローグ・ワン/スター・ウォーズ・ストーリー」の原案を書いたジョン・ノール(Photoshopの生みの親としても有名)がすぐ横を歩いている。ハリウッドのウォーク・オブ・フェームにもその名が刻まれているデニス・ミューレン(余談だが、最近髪を剃られたようで、トレードマークのシルバー・ヘアーからスキンヘッドに見事にイメチェンされていた)が目の前にいる。

そして1977年の「スター・ウォーズ」で、あの伝説のオープニング・スクロール(パースのついた字幕が遠くへ進んでいく、アレです)を撮影し「特撮の神様」と呼ばれたリチャード・エドランドが、にこやかに談笑している。また、在LAのVFXスタジオ各社のリードやスーパーバイザーたちも、今年のハイライト作品のプレゼンを見ようと勢ぞろい。そう、このBAKEOFFはハリウッドのVFX業界の首脳陣が、一挙集結する試写会なのである。

「…今、ここに飛行機が落ちたら、ハリウッドのVFX業界は終わるな」などとアホなことを考えつつ、ひとり半笑いになりながらそんな光景を楽しんでいた筆者であった。

BAKEOFFは、VFX業界の人々が集結する場とあって、キャリアの長い人ほど、同窓会的ムードが高くなる。筆者自身も、過去に一緒に仕事をしたクルーやVFXスーパーバイザーなど、多くの方々と久方ぶりの再会をした(中には、年に1回、このBAKEOFFでしか会わない人もいる)が、会場のあちこちで再会を喜んでハグハグ♪したり、談笑する人々が後を絶たず、

みなさま。お気持ちはわかりますが、このままではBAKEOFFが始まりません。いい加減、席について頂けますよう、心からお願い申し上げます。

という、ユーモア溢れるアナウンスが流れる程の盛り上がりであった。

naba_77_0937 シアターの中央部分はアカデミー会員様専用で、赤いロープが張られ、我々下じも(笑)の者はアクセス出来ないよう制限されている。また、プレゼンテーションを行う各映画作品のスーパーバイザー達はステージ近くに席が確保されており、座席には作品名が貼られていた

さて今年のBAKEOFFでは、10本の候補の中からノミネート作品5本を選定すべく、プレゼンテーションとクリップの上映が行われた。各作品の持ち時間は18分。挨拶&解説5分、クリップ上映10分(Before/Afterなどのメイキング映像は一切含まず、本編のファイナル映像からハイライト・シーンを編集したもの)、質疑応答3分と、その内訳も細かく決まっている。今年からの新しい試みとして、最後のQ&Aがパネル形式となり、スーパーバイザー達がステージ上の椅子に座り、司会者および場内の参加者、そしてオンラインを介してアカデミー会員からの質問に答えるというスタイルで行われた。

※ちなみに、VFX部門のノミネート作品は以前は3本だったが、昨今のVFX作品の多さを反映し、2010年5月にノミネート作品を5本に増やすことが発表され、第83回から新ルールが適用されたという経緯がある naba_77_0950 クリップ上映後、パネル形式でQ&Aを行う、「ローグ・ワン/スター・ウォーズ・ストーリー」のスーパーバイザー3名。両脇はアカデミーの司会者

今年の10作品プレゼンテーション要約

今年のBAKEOFFでは、下記10作品が上映された。今回の特色として10本の候補作のうち、なんと5本がディズニーの作品だったこと。また「Kubo and the Two Strings」がストップモーション・アニメーション作品としては初めて候補に挙がったこと、そして3D(立体)によるプレゼンテーションが今年は1本に留まったことなどが挙げられる。上映された作品と、プレゼン内容の要約は次の通り。

筆者注:下記文中で紹介されている動画リンクは、BAKEOFFで実際に上映されたクリップではなく、YouTubeに上がっているクリップから、内容が近い動画を“参考用”としてご紹介している。
■The Jungle Book(邦題:ジャングル・ブック)
Walt Disney Studios
(3D上映)

監督のジョン・ファヴローを中心に「良い映画を作ろう」と進めた作品。VFXベンダーはWETAとMPC。アニメーション・スーパーバイザーはアンディ・ジョーンズ(「ファイナルファンタジー(2001)」、「アイ,ロボット(2004)」、「アバター(2009)」などで知られる)が務めた。アニメではなく、観客があたかも実写映画を観ているような感覚に浸れるよう、リアリティに特に重点を置いた。

ジャングルの大気、虫、環境など、リアリティの実現には、各デジタル・アーティスト達の多大な貢献があった。しかし撮影はダウンタウンLAの特設プールで行われた(笑)。バーチャル・カメラは、実写のカメラでは実現出来ない動きや、入っていけない場所へ入っていけるなどの利点があり、表現範囲を広める役割を果たした。


■Captain America:Civil War(邦題:シビル・ウォー/キャプテン・アメリカ)
Walt Disney Studios

非常にエキサイティングなプロジェクトだった。撮影後にフル・デジタルに置き換えられたブラック・パンサーや、ジャイアント・マン(巨大化したアントマン)、スパイダーマンなどの新しいキャラクターも登場した。実写プレートのロケはアトランタで行い、ヘリコプター、ドローン、カメラ・カーなどを使ってプエルトリコやベルリンのシーンで使われた背景を撮影。

若かりし頃のトニーはLola VFXのお家芸デジタル・コスメティクスによる「若返り」エフェクトで、30歳若いトニーを表現。ウィンター・ソルジャーのヘリによる脱出をキャプテン・アメリカが阻止するシーンでは、3軸油圧制御の実物大ヘリ・リグを構築した。ILMはドイツのライプツィヒ・ハレ空港を完全にデジタル・スキャンし、再現した。


■Passengers(邦題:パッセンジャー)
Sony Pictures Releasing

VFXは全1,400ショットに及んだ。モルテン・ティルドゥム監督は、人工的で高度にスタイライズされた宇宙空間の表現を望んだ。宇宙空間シーンの撮影では、LEDライトのライト・リグをコントロールして、ライティングを背景画像と合わせた。ジェニファー・ローレンスが無重力状態のプールで溺れるシーンでは、MPC Londonが3ヶ月を費やして水のシミュレーションを作った。「水のモンスター」が彼女を捕らえるような雰囲気を出したかった。

あまりリアリティを追及すると、ジェニファー・ローレンスの演技よりも水の方に観客の目が行ってしまうので、それを避けるため、水の形状は敢えてシンプルに、屈折や反射も可能な限り控えるなど「視覚効果としての水表現」のバランスに注意した。このシークエンスは、最後にジェニファー・ローレンスが落ちる部分だけがデジタル・ダブルだが、ほかはすべて彼女本人のパフォーマンスを使用している。


■Fantastic Beasts and Where to Find Them(邦題:ファンタスティック・ビーストと魔法使いの旅)
Warner Bros.Pictures

1926年のニューヨークが舞台という設定のこの作品では、さまざまな「マジカル・クリーチャー」がたくさん登場する。コンセプト・アートが用意され、どのように動くのか、などのデベロップが行われた。ゴールは「誰も見た事がない、新しいアイデアのマジカル・クリーチャー達を、如何にリアリティを持たせるか」という事だった。

MPC、Rodeo、Image Engine、Method Studiosほか、全部で6つのVFXベンダーが参加した。「オブスキュラス」の表現では、俳優エズラ・ミラーの顔のパフォーマンス・キャプチャーをベースにキーフレーム・アニメーションを作成し、それをシミュレーションのソースとして使用した。NYのショットは全てロンドンで撮影され、セット・エクステンションやデジタルによる置き換えが行われた。最後の、破壊されたNYの街並みが元に戻っていくシークエンスも、見せ場の1つである。


■Deepwater Horizon(邦題:バーニング・オーシャン)
Summit Entertainment

実在の事故に基づくストーリーなので、ニュースで実際に映像を目にした観客も多く、ドキュメンタリーのように完全にリアルな映像を実現する必要があった。リアリティが重要。そう、ドラゴンなんて出て来ないんだ(場内爆笑)。VFX予算は$20million(日本円にして約22.8億円相当)しかなく、800ショット中、150がフルデジタルだった。VFXベンダーはILM、オーストラリアのIloura、そしてモントリオールのHybride。

ちなみに石油業界からの援助や協力は一切なく制作され、ニューオリンズの広い駐車場に作られたセットで実写部分の撮影が行われた。撮影現場は、毎日が撮影クルーとSFXクルー(火や火薬などの撮影時に行う特殊効果)のコラボレーションで、本物の炎をバックに演技しているショットも多い。巨大な鉄骨のリグ、油や泥や火が噴き出す仕掛けなど、SFXが大活躍している。巨大なオイル施設なので巨大感を出すこともチャレンジの1つだった。

筆者注:この日のプレゼンテーションの中で、最も拍手が大きかったのが、この作品であった。
■Doctor Strange(邦題:ドクター・ストレンジ)
Walt Disney Studios

マーベルの最新作であるこの作品は、VFXショットが1,450に及んだ。プレビズは3rd Floorが担当。Method Studiosは、ストレンジがエンシェント・ワンによって見せられる2分半に及ぶ「マジカル・ツアー」や、金色に輝くポータルなどを担当。Framestoreは「アストラル」効果やストレンジのマント、フルデジタルのカエシリウス、カエシリウスを拘束するシステム、そしてマンデルブロ集合によるカオス空間などを手掛けた。

ILMは「インセプション」を彷彿させるNYの変形シークエンスや、香港の時間軸反転シークエンスを担当。Luma Picturesはストレンジとドーマムゥの対決シークエンスを担当した。ちなみに、重力方向が変わるショットでは、特殊なモーション・ベースによってプラットフォームを傾斜させ、俳優はその上で演技を行っている。


■Arrival(邦題:メッセージ)
Paramount Pictures

撮影した実写プレートとデジタル素材がシームレスに見えるよう配慮した。軍隊、軍隊車両、隊列などは全てデジタルだ。この作品では、エイリアンが助演俳優的な存在であるため、エイリアンのR&Dには多大な時間を費やした。エイリアンは、タコとキリンとクジラをベースにデザインされ、R&Dでは、エイリアンの歩き方やボディ・ランゲージ、そして周囲の霧がどのように動くかなどに重点を絞って進められた。ただ「エイリアンの映画ではない」ので、エイリアンそのもの動きは最低限に控える必要があった。

それよりも、ストーリー的には「エイリアンによるコミュニケーション」が重要なポイントで、特にエイリアンが吐き出す「ロググラム」と呼ばれるインク状のメッセージの表現では、監督からOKが出るまで何度も何度も流体シミュレーションのテストを行った。宇宙船のデザインは監督のアイデア。最初にコンセプト・アートを見せられた時は「これだけ?」と思ってしまったほどで、大変シンプルな卵型のデザインだった。モンタナのシーンで見られる、山脈から流れているように見える非常に美しい印象的な雲は、実は撮影の日に“たまたま”発生していた本物で「自然が持たらした、幸せな事故」である。残念ながらVFXではない(場内爆笑)。


■The BFG(邦題:BFG ビッグ・フレンドリー・ジャイアント)
Walt Disney Studios

この作品はキャラクター・ドライブン(キャラクター主導)によりスピルバーグ監督が撮った作品である。チャレンジだったのは、マーク・ライランス演じる身長7.3メールのBFGとソフィーの演技を、巨大感を出しつつ、うまくカメラに収めることだった。これには、お互いの目線を正しくキープすることは大変重要だった。プレビズは3rd Floorが担当し、監督自身とやりとりをしながら進められた。

BFGは完全なフルデジタルで、マーク・ライランスの演技はパフォーマンス・キャプチャーによって収録されたが、彼の演技がデジタル・キャラクター上で完全に再現されるよう細心の注意を払った。そのため、なるべく「実写映画として撮る」流れで撮影が行われた。パフォーマンス結果は、すぐさまバーチャル・カメラに読み込み、カメラの動きを決めることが可能だった。レンダリングはWETAのレンダラー「マニューカ」で行っているが、美しいボリューム・ライティングが可能で、瓶の中の色鮮やかな光や、霧のシーンで威力を発揮している。


■Rogue One:A Star Wars Story(邦題:ローグ・ワン/スター・ウォーズ・ストーリー)
Walt Disney Studios

「ローグ・ワン」には新しい環境や車両、キャラクター、ブラスター、爆発など膨大な要素が登場し、VFXショットは1,700以上に及んだ。殆ど全てのシーンに、ショット・エクステンションを含む何等かのVFXが含まれている。ILM(サンフランシスコ、ロンドン、シンガポール、バンクーバー)に加え、社外11箇所のVFXベンダーにも協力を仰いだ。K-2SOは俳優アラン・テュディックによる、撮影現場でのオン・セット・モーション・キャプチャーによるもの。目や指のアニメーションは、後でキャラクター・アニメーターが追加している。

また、オリジナル・シリーズに登場した実在する俳優2人をデジタル・ヒューマンとして登場させる「キャラクター・リクリエーション」が行われた。ターキン総督とレイア姫である。ターキン総督のショットは32ショット、総尺は2分ほど。代役の俳優からフェイシャル・キャプチャーを行い、それをデジタル・キャラクターに置き換える作業はチャレンジの連続だった。特に今回は観客が見慣れた実在俳優の顔なので、尚更である。特にターキン総督については、“Motion Likeness”を狙った。ちなみに「ローグ・ワン」に登場したレッド・リーダー、ゴールド・リーダーは「エピソード4/新たなる希望」の本編で使用されなかった素材を使って合成している。

また今回、撮影時にセットが存在しない場合、あとでデジタル・キャラクターに有効なライティングが行えるアプローチとして、最終的なセットに近いラフなセットを作ったり、色のついたプロップなどを置いたりしている。それは、俳優が演技する際の位置関係の参考になるようにもした。また、オリジナル・シリーズで実際に使用されたプラモデルのパーツなど300点をスキャンしライブラリ化、モデリング・チームがデジタルの宇宙船を構築する際に使用することが出来た。今回はGPUベースのリアルタイム・レンダリングもプロダクションで活用している。


■Kubo and the Two Strings
Focus Features

「KUBO」は、パペット・メーカー、カメラ・オペレーター、そしてVFXチーム、全てのコラボレーションの賜物であり、日本の版画家である斎藤清のインスパイヤを受けた、全編コマ撮りのストップ・モーション・アニメーションによる長編アニメーション。ほら、今日は映画で使用されたキャラクター達も持って来たよ(場内から歓声が上がる)。従来のストップ・モーションとは一線を画した作品である。喜怒哀楽を観客に伝えるべく、ストーリーテリングを大切にしている。

この作品のために、LAIKAは撮影に94週間を費やし、108体のパペットに命を吹き込んだ。コマ撮り作業では、37人のアニメーターがフル稼働して平均で1日16コマ、1週間に約3秒というペースで撮影が進められた。3Dプリンターの技術を応用し、顔のパーツを差し替えることによって、多才な表情の表現が可能となった。撮影で使用したパペットは大きく「海中の目」は3メートル。また、巨匠レイ・ハリーハウゼンへのトリビュートも込めて作ったスケルトン(骸骨)は5メートルの大きさがある。

水のシーンは、元リズム&ヒューズで映画「ライフ・オブ・パイ」の海を手掛けたディビット・ホスリー率いるチームが担当。コンセプト・アート→フィジカル・テスト→CGで8ヶ月を費やした。イン・ハウスのVFXチームは全60人で、1,360のVFXショットを裁いた。ちなみに、各キャラクターの毛の動きは、CGではなくストップ・モーションで1コマ1コマアニメートしている。

……ああ疲れた(笑)。このように各プレゼンテーションでは、各映画のVFXスーパーバイザー達が、技術的なセールスポイントや斬新さなどをユーモアも交えてアピールしていた。

ノミネート作品5本は、これだ!

naba_77_0959 BAKEOFF終演後、ロビーで投票箱に票を投じるアカデミー賞の会員

プレゼンテーション終了後、ロビーではアカデミー会員による投票が行われた。この投票結果によって、VFX部門のノミネート作品が決定されたわけである。さて、アカデミー1月24日朝5時半(米国西海岸時間)、同じくSamuel Goldwyn Theaterにて第89回アカデミー賞の全部門における最終的なノミネート作品を発表した。余談だが、時差が3時間早い米東海岸の朝9時に合わせるため、こんな早朝に行うらしい…。

前述のBAKEOFFで上映された10本からの中から、最終的に発表された今年の視覚効果部門(Visual Effects)ノミネート作品、5作品は下記の通り。

BEST VISUAL EFFECTS

  • Deepwater Horizon
  • Doctor Strange
  • The Jungle Book
  • Kubo and the Two Strings
  • Rogue One:A Star Wars Story

そして、この後にアカデミー会員の最終投票を経て、最終的に1本だけが選び抜かれ2月26日(日)に開催される、第89回アカデミー賞の授賞式で表彰が行われるわけである。どの作品のVFXもそれぞれ素晴らしく、甲乙つけ難い完成度でこの中から1本を選ぶのは、かなり頭を悩ますことだろう。いずれにせよ、どの作品がオスカー像に輝くか、今から非常に楽しみである。


WRITER PROFILE

鍋潤太郎 ロサンゼルスを拠点とするVFXジャーナリスト。


[ Writer : 鍋潤太郎 ]
[ DATE : 2017-02-03 ]
[ TAG : ]

関連のコラム一覧

[鍋潤太郎のハリウッドVFX最前線]Vol.78 ~第15回VESアワード受賞式スペシャル・レポート~

取材&写真:鍋 潤太郎 はじめに 2017年2月7日(火)夜、ロサンゼルスのビバリー・ヒルトン・ホテルにおいて、第15回VESアワード授賞式が華々しく開催された。エント... 続きを読む

[鍋潤太郎のハリウッドVFX最前線]Vol.76 LA SIGGRAPH〜CM制作における最新テクノロジー「カー・リグ」とは

取材&写真:鍋 潤太郎 取材協力:Fran Zandonella/The Mill,LA ACM SIGGRAPH はじめに ここ明るく楽しいロサンゼルス地方には、A... 続きを読む

[鍋潤太郎のハリウッドVFX最前線]Vol.75 ロサンゼルスのVFX&アニメーション・スタジオ視察最新事情

取材&写真:鍋 潤太郎 はじめに 2011年11月の本欄で「海外VFXスタジオ視察における注意点~気をつけたい日米文化&習慣の違い」というコラムを寄稿させて頂いた。同レ... 続きを読む

[鍋潤太郎のハリウッドVFX最前線]Vol.74 VES主催 映画「スター・トレック BEYOND」Q&Aセッション

会場はパラマウント・ピクチャーズ・スタジオ。このゲートはあまりにも有名だ 取材&写真:鍋 潤太郎 はじめに 10月21日(金)、日本でも映画「スター・トレック BEY... 続きを読む

[鍋潤太郎のハリウッドVFX最前線]Vol.73 スタートレック50周年で盛り上がる、秋のハリウッド

ハリウッドにある「エジプシャン・シアター」 取材/文:鍋 潤太郎 はじめに 2016年は「スター・トレック」が1966年にTV放送されてから50周年を迎える年だという... 続きを読む

WRITER PROFILE

鍋潤太郎 ロサンゼルスを拠点とするVFXジャーナリスト。


Writer

編集部
PRONEWS編集部による新製品レビューやイベントレポートを中心にお届けします。
石川幸宏
映像専門雑誌DVJ編集長を経て、リアルイベントを中心とした「DVJ BUZZ TV」編成局長として活躍中。
小寺信良
業界で噂の新製品を、AV WatchやITmediaのコラムでもおなじみの小寺信良氏がレポート。
raitank
アートディレクター。あまたの海外ソースを読み漁ってHDSLRを独学。国内と海外の情報流通の温度差にモーレツな疑問を感じ、最新の情報を自ら日本語で発信するblogを運営中。
ふるいちやすし
自身で脚本、監督、撮影から編集、音楽までもこなすマルチプレーヤー。
岡英史
バイクレース及びF3レース参戦など、映像とはかけ離れた経歴を持つ異色ビデオカメラマン
江夏由洋
兄弟で株式会社マリモレコーズを設立し、ノンリニアにおける映像技術、映像制作を中心に、最新技術を取り入れたワークフローを提案している。
手塚一佳
CGムービー制作、ネットワークゲーム制作を得意とするデジタルデザイン会社アイラ・ラボラトリの代表取締役。
山本久之
映像エンジニア。フリーランスで映像設備のシステムインテグレーションと、ノンリニア編集に携わる。
鍋潤太郎
ロサンゼルスを拠点とするVFXジャーナリスト。
江口靖二
江口靖二事務所主宰。現在デジタルサイネージコンソーシアム常務理事などを兼務。
安藤幸央
無類のデジタルガジェット好きである筆者が、SIGGRAPH ASIAやCESなど海外の注目イベントを紹介。
高野光太郎
Cosaelu株式会社 代表取締役 / 映像ディレクター ミュージックビデオ、番組オープニングタイトル、CM、劇場映画、全てをデスクトップで制作。
ヒマナイヌ
頓知を駆使した創造企業
オースミ ユーカ
映像ディレクター。企画、脚本から演出までジャンルを問わず活動。
林和哉
映像プロデューサー/ディレクター。入口から出口まで全てのポジションを守備範囲にしている。最新技術が好物で、各種セミナー活動も豊富。
土持幸三
1970年生。鹿児島県出身。俳優を経て渡米。LA市立大卒業・加州立大学ではスピルバーグと同期卒業。帰国後、映画・ドラマの脚本・監督を担当。川崎の小学校で映像講師も務める。
茂出木謙太朗
株式会社キッズプレート代表。「楽しいInternetコンテンツ」をテーマに活動。現在VRの可能性をまさぐり中。CG-ARTS協会会員
猿田守一
企業用ビデオ、CM、ブライダル、各種ステージ記録など撮影から編集まで地域に根ざした映像制作活動やCATV局などへの技術協力なども行っている。
松本敦
映像クリエイター。企業VPからスポーツイベント撮影まで幅広く手がける。アクションカムやドローンなどの特殊ガジェット好き。
黒田伴比古
報道・ドキュメンタリーエディターでありながら、放送機器に造詣が深く、放送局のシステム構築などにも携わるマルチプレーヤー。
ヒラタモトヨシ
ファッションとテクノロジーを繋ぎイノヴェーションを生み出す事をライフワークとし、WEB/ライブメディア/高精細映像表現を追求。
須藤高宏
東京・国分寺市に於いて録音スタジオ「マイクロサウンド」を運営し各種録音編集に携わる傍ら最近では各種イベント配信音声を担当。
猪蔵
いつも腹ペコ。世の中の面白いことを常に探っている在野の雑誌編集者。
ベン マツナガ
未来シネマ/ディレクター。ハリウッドでの大型映像制作、短編時代劇の自主映画制作を経て、現在は、映像を通じて人と人をつなぐことをテーマに様々な映像制作に取り組んでいる
金田浩樹
映画・テレビの映像制作を中心に、USTやニコ生等、ライブメディア各分野を横断して活動中。ジャンルや固定概念にとらわれない構成力と発想に定評あり。
ViewingLab
未来の映像体験を考える有志の研究会。映画配給会社、映像作家、TV局員と会員は多岐に渡る
稲田出
映像専門雑誌編集者を経てPRONEWSに寄稿中。スチルカメラから動画までカメラと名のつくものであればなんでも乗りこなす。
山下香欧
米国ベンチャー企業のコンサルタントやフリーランスライターとして、業界出版雑誌に市場動向やイベントのレポートを投稿。
萩原正喜
米国コロラド州から、米国のデジタル放送事情からコロラドの日常まで多岐に渡るコラムをお届けします。
坪井昭久
映像ディレクター。代表作はDNP(大日本印刷)コンセプト映像、よしもとディレクターズ100など。3D映像のノンリニア編集講師などを勤める。
林永子
2005年よりサロンイベント「スナック永子」を開催。通称「永子ママ」
岡田智博
クリエイティブクラスター代表。メディアアートと先端デザインを用いたコンテンツ開発を手がけるスーパー裏方。
しらいあきひこ
カメラメーカー、ゲーム開発などの経験を持つ工学博士が最先端のVR技術を紹介。
秋山謙一
映像業界紙記者、CG雑誌デスクを経て、2001年からフリージャーナリストとして活動中。
今間俊博
アナログ時代の事例を通じ、教育関連の最新動向を探る。
伊藤裕美
オフィスH(あっしゅ)代表。下北沢トリウッドでアニメーション特集上映を毎年主催している。
UserReport
業界で話題の商品を実際に使ってみてどう感じたかを、各方面の様々な方々にレポートしていただきました。
System5 Labs
SYSTEM5スタッフが販売会社ならではの視点で執筆します。

トップ > コラム > 鍋潤太郎 > [鍋潤太郎のハリウッドVFX最前線]Vol.77 第89回アカデミー賞VFX部門のノミネート作品を決定する「BAKEOFF」が開催される