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[イベント映像演出の世界]Vol.13 100年残るラジオを目指して~FMよみたん

2017-06-13 掲載

txt:岩沢卓(バッタネイション) 構成:編集部

地域の重要なメディアとして認識されてるコミュニティFM放送局

「FMよみたん」は、沖縄県読谷村のコミュニティFM放送局として2008年11月に開局。2014年の聴取率調査(中京大学現代社会学部加藤晴明教授のゼミによる調査)では、村内聴取率83.7%という全国のコミュニティFMの中でも異例と言える高い数字を記録し、村内の重要なメディアとして認識されている。

コミュニティFMとインターネットライブ配信を同時に行える中継車とスタジオを所有し、県内外からの視察も多いというFMよみたんの施設・機器についてお話を伺った。

100年残るラジオにしたい

(左から)代表取締役社長 仲宗根朝治氏、マネージャー 副局長 比嘉美由紀氏、総務・広報 金城礼子氏

仲宗根氏:地元の情報が地元に向けて発信されるように、地元企業の方などに声がけをしてスタートしました。すべての株主が個人出資なんですが、資本金1550万円のうち50万円分は、1口株主として村民のみなさんからも募集しました。そのころはクラウドファンディングという言葉はなかったのですが、村民が出資が誇れる会社になって100年残ることを目標に活動しています。

沖縄県内の各ラジオ局の設備を見に行って、限られた予算の中で設備を揃えてスタートしました。メンテナンスに掛けられるお金も限られていたので、見よう見まねでフェーダーを交換してみたりと、試行錯誤の連続でした。

全員が最初に覚えるのがポータブルレコーダーの使い方

取材などに使われるR-26。FMよみたんでは「ローランド」の愛称で呼ばれている

比嘉氏:番組を作るのも出演するのも、地元の人たちがメインです。中学生から主婦、ご老人まで、みんな研修を受けてパーソナリティをやってもらっています。レコーダーもミキサーも触るのが初めてという人たちが番組を作っているので、とにかく簡単に使えるものを選んでいます。

特にポータブルレコーダーは取材に必須なので、みなさん一番慣れ親しんでいる機械だと思います。機材の呼び方も型番もわからず、レコーダーのケースにローランドと書いてあったので、みんなレコーダーのことは「ローランド」って呼ぶようになっています(笑)。

モーターフェーダーで「シャッ」と動く格好良さ

音響ミキサーはM-200iに統一し、REACでの伝送なども行っている

比嘉氏:メインの音響ミキサーはフェーダーがモーターで動くので、スタッフやパーソナリティも操作するだけで「プロっぽいねぇー」なんて言いながら使っています。最初は、地元のホールの技術スタッフに教えてもらうなどして覚えていきました。パーソナリティーのみなさんも1クール使っているうちにだんだん操作を覚えて、ミュージシャンのゲストが来た時に機材の話で盛り上がるようになったりと、ラジオを通じて機材に詳しくなっていった感じですね。

音声だけでなく、映像でも伝えたい

読谷村が日本一人口の多い村になったときは、引き継ぎ式の様子を岩手県の滝沢村からskypeとUstreamを用いて生中継を実施

仲宗根氏:開局から1年経ち、2009年11月からUstreamのネット配信をするようになりました。最初は新しいことにチャレンジしたくて始めたという部分が大きかったですが、出演したゲストの方などもスタジオの様子を含めて録画が残っていることで、本放送時だけでなく、アーカイブを拡散したりWebに埋め込んでもらえたりと、視聴の機会が広がったことが実感としてあります。インターネットを通じて、世界各地で放送を視聴できるということを活かす方法を、常に考えています。

村内のイベント会場からの中継なども増えてきたことから、移動中継車を導入。導入支援は株式会社沖縄科学AVセンターが担当。現在のグリーンバックスタジオなど、活用方法から点検までサポートしている。沖縄科学AVセンターの小渡浩氏は次のようにコメントしている。

小渡氏:移動中継車でREACを活用したシステムを組んだこともあり、新しいスタジオでもV-1200HDとS-1608を用いた機材構成になっています。出演者が多い場合や、小規模なライブ演奏までも対応できるようになっています。取材映像から資料画像、テロップなど、様々な解像度や信号を扱うことができるため選択しました。またタッチパネルで操作ができることも、少人数でオペレートされているFMよみたんさんには向いていると考えました。

http://www.pronews.jp/pronewscore/wp-content/uploads/2017/05/TVkeitou.jpg スタジオ回線図
※画像をクリックすると拡大します
米軍基地内のイベントなどでも活躍している移動機材車

映像の素人だからこそ、新しいことにどんどんチャレンジしたい

金城氏:映像も発信できることで、より多くの人に届けられるようなコンテンツを作っていきたいです。読谷村に住んでいる人たちは当たり前に思っているような海に沈む夕日だって、高画質で届けることができれば村の魅力をアピールできる機会になります。もっともっと読谷村の良さを伝えていきたいと考えています。もちろん、そのためには地元の情報を発信して、地元の皆さんからの情報を引き出すことが重要だと考えています。

仲宗根氏:人口4万人の村と聞くと小さいと思われるのですが、村の中には情報がたくさんあるので、むしろどうやって出して行くか、どうやって組み立てて行くのかを考えるのが面白くもあり難しくもある、という段階に来ていますね。

仲宗根氏:現在はスタジオのある地域振興センター内のLEDビジョンも活用して、より多くの形で映像と音声を届けられるように、技術面含めてのチャレンジを続けています。


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[ Writer : 編集部 ]
[ DATE : 2017-06-13 ]
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