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[カンヌ・ライオンズ2017] 人間味あふれるプロ・フィルムへの回帰?〜 前編

2017-07-05 掲載

txt:河尻亨一(銀河ライター/東北芸術工科大学客員教授) 構成:編集部

世界の広告が一堂に介するカンヌ・ライオンズ2017

世界の広告キャンペーンの“てっぺん”を決める「カンヌ・ライオンズ2017」(以下:カンヌ)、最終日のセレモニー。今年はこのコマーシャルに世界が惜しみない拍手を送った。まずはご覧いただきたい。

■We’re The Superhumans(イギリス)

こちらはリオ・パラリンピックに際してイギリスのテレビ局「Channel 4」が制作したCM。フィルム部門のグランプリだったが、今年のこの結果には多くのオーディエンスが納得だったのではないか?(評価が割れる年もある)

パラリンピックに挑むアスリートたちと、彼らと同じくカラダに障害を持つミュージシャンたちの奇跡の共演。みずからのハンディをモノともせず、「できるんだ(Yes,I can)」と信じて前に進む“スーパー・ヒューマン”たちを、超ポジティブな方向にふりきって描いた映像は、身体障害者に対する世間のステレオタイプを打ち砕くだけではなく、すべての人に勇気を与える力を持っている。

プロの手による映像表現が息を吹き返し始めている?拍手の渦に包まれながら、私はそう感じずにはいられなかった。それが今年カンヌを取材しての感想である。今年は久々にフィルム部門が力作ぞろいで、新しい映像表現の息吹のようなものがあった。

ロシアのガールズ・パンクバンド「Pussy Riot」によるパフォーマンスも。オーディエンスを巻き込みプーチン&トランプの世界に異議を申し立てた

ご存知の方も多いとは思うが、カンヌとは世界最大とされるクリエイティブ・フェス。昔は「カンヌ広告祭」と呼ばれていた。映画祭と同じく、南仏はカンヌ市で例年6月に1週間がかりで開催される広告系クリエイターの祭典である。

ここ10年でフェスの規模が巨大化し、最近では毎年約100の参加国より4万を超えるエントリーがある。この中から様々な部門別にグランプリや金・銀・銅のメダルを決めていくのだが、上位入賞を果たすエントリーはなかなか“トンがった”ものが多い。

私はこのイベントを2007年から現地取材しており、今年は10回目の参加。行くたびに「世界広いな~、こんなことやっちゃうヤツがいるのか」と驚ろくことしきりだ。行くと疲れもするし、すべてが自腹なフリーゆえ懐もそれなりに痛むのだが、様々な刺激を受けられるので、性懲りもなくコートダジュールくんだりまで毎年ノコノコ出かけている。

プロの手による映像表現が息を吹き返し始めている

有名人を招いてのセミナーも朝から晩まで連日ぶっ通しで行われている。写真は「クラシックなハリウッドがYouTube世代に出会う」と題されたセミナー

ところで冒頭に書いた「プロの手による映像表現が息を吹き返し始めている」とはどういうことか?名称こそ「広告祭からクリエイティブ祭」に変われど、カンヌは基本的に広告屋さん(代理店)とコマーシャル屋さん(制作会社)の祭。そもそも「映像やCMメイン」のイベントではないの?と思われる読者もいるかもしれない。

だが、近年はそうではない。この記事ではそのあたりの流れを少し説明させてもらった上で、私が今年目撃した「世界のトンがったBESTコマーシャル」をご紹介したい。そのことで「プロの手によるヒューマンな映像表現」の重要性、AIの時代に、「なぜ再び世に中そっちにふれているのか?」を少しなりとも感じていただけば幸い。

というわけで本題へ。実はこの10年で世界のクリエイティブ産業の勢力図は様変わりしている。広告と言えばCMという黄金時代ははるか彼方に去り、近年では業界における映像表現の存在感は、年々希薄化していく傾向にある。

例えば昔はコマーシャルを評価する「フィルム部門」が、なんと言ってもカンヌの花形であった。”CM is KING”の時代が長らく続いた。しかし最近では、「えっ、まだやってたの?」とまでは言わないまでも、「なんか古臭いジャンルだよね」「最後にオチ持ってくるとか、もはやイケてねーな」「そもそもこんなの作って流してなんか効果あんの?」ということで、CMはフェスの一角の窮屈な場所にグイグイ押しやられてしまっていたのだ。

極端に言うと、「新しい」ことが何より大好きな広告業界でCMの伝統芸能化が世界的に進んでいる。

言わずもがなではあるが、変わって台頭したのが「ネット(デジタル表現)」である。近年のカンヌではSNSなどを活用した(直近ではAI)、いかにも“頭良さげ”なキャンペーンがブイブイ言わせる傾向にある。くわえて「自分らのブランド、世の中にいいことやってますんで」的なソーシャル・グッド型プロジェクトも大いに脚光を浴びている。

事実、世界の”てっぺん”に立つようなプロジェクトになると、その際の気合いの入り方や達成する効果も尋常ではない。

セレモニーのひとコマ。日本からは今年「The Family Way」(リクルートライフスタイル)がモバイル部門でグランプリを受賞

となると”主役”はプロではなく素人だ。SNSにせよソーシャル・グッドにせよ、「ソーシャル」ということの真意は、表現というある意味”特権的”なプロの領域を広く一般に向けて解放すること。つまりは「クリエイティブの民主化運動」である。簡単に言うと、スマホで誰でも写真・映像サクッと撮って発表できちゃう、編集だってできるよ、うまくいけばバズるし…といったことである。

このムーブメントの中でプロフェッショナルな広告屋の役割は、「ものづくり」そのものではなく、みんなが気持ち良くキャンペーンに参加できるような仕組みを企画・プロデュースする「オーガナイザー」としてのそれにシフトしていった。その流れは産業としての映像業界を疲弊させ、制作単価の下落にもリンクしている。「クリエイティブ・デフレ」の時代なのだ。

あれは5年前だったか?世界のコマーシャル界のスターで、現在も時流の1歩先を行くヒット企画を飛ばし続けている、とあるクリエイティブ・ディレクターが、カンヌのステージの上でこんなボヤきを漏らすシーンも目撃した。

「オレたちが一生懸命、時間も金もかけて作ったCMなのに、それをYouTubeに上げたら、なんでその辺のおっさんがスマホで撮ったニャンコ動画に圧倒的に負けてるんだ?みんなそのことへの策をマジで考えようや」

つい5年前まで、そういった状況だったことを考えると、ついにコマーシャルの逆襲が始まったのか?フィルム&フィルムクラフト部門で発表された受賞作のクオリティの高さに、そんな兆しさえ感じるのが今年のカンヌであった。

冒頭でご紹介したものもほかにも面白いCMはたくさん見られたのだが、以下に挙げる7つのムービーは、なかでも私が現地で「やべえ…」あるいは「新しい」と感じた、珠玉のオレ流セレクションである。CMと言うにはちょっと”いっちゃってる”ものが多いが、順次紹介していこう。

河尻チョイスの珠玉の7つのムービー

■My Mutant Brain(USA)

KENZOのCM。演出はスパイク・ジョーンズ。KENZO×SPIKEというこのカップリング段階で「何か起こりそう…」な気配ムンムンだが、見ると実際起こっちゃってる。

言葉にするのが難しいのだが、脳や理性、さらには感情でさえなく、もっと深い場所にある“生理”を震わす映像美。私自身の感覚としてはピナ・バウシュ舞踏団のパフォーマンスを観たときに受ける、「なんだかよくわからないんだけど気持ちいい」あの読後感に近いものがありつつ(つまり身体アートな領域に足を踏み入れつつ)、それをギリギリのところでポピュラーなCM表現として成立させている。ファッションブランド(香水)と匠の技がガップリ組んでこその仕事だろう。

このCMの新しさは、例えば同じくフィルム部門で金賞を受賞した以下(ナイキ)などと比較するとよくわかる。こちらも素晴らしいワークだが、語り口そのものは従来のCM話法の中にとどまっているところがないわけではない。

■What are girls made of?(ロシア)

ちなみに今年のカンヌでは、女性の力やジェンダーの平等を謳うキャンペーンがたくさん受賞した。そういうところにも「世界のいま」が滲んでいる。それに近いアングルからナイキをもう1本オススメしておきたい。

■Unlimited Youth(USA)
■The Line up Song(エジプト)

エジプトのコカ・コーラのCM。映像の背景としては、経済的・政治的混乱が続くエジプトでは、この6年間サッカーの国際試合が行われていなかったため、その再開を祝してスポンサーであるコカ・コーラが、「エジプト国民のサッカー魂よ、再び」という趣旨で制作したものらしい。

だが、その内容と言えば地元のおっさん、お兄さんたちと思しき人々が「♪イチローさんの牧場でイーアイイーアイオー」という日本でも親しまれているあの歌を、なぜか卓球場で全力コーラス。それもワンコーラスやツーコーラスではなく、力の限り何度でもリフレインし続けるという、ちょっと理解に苦しむ企画となっている(歌詞の中にエジプトの名プレイヤーたちが登場しているようではあるが)。

こちらはグランプリや金賞を獲ったわけではなく(銀賞は獲っている)、YouTubeの再生回数も爆発的には伸びていないため、オススメするのにやや躊躇もあるが、得体の知れぬマグマのようなものを感じるのであえてピックアップする次第だ。

ハッキリ言ってマニア向け。世界は広いと感じる。あと、このCMを見ると「どんなことでも、やりきることが大事なんだな」という不思議な感想も浮かんでくる。


[カンヌ・ライオンズ2017] 後編

WRITER PROFILE

河尻亨一 1974年大阪生まれ。雑誌「広告批評」を経て現在は実験型の編集レーベル「銀河ライター」を主宰、企業コンテンツの企画制作なども行う。デザイナー石岡瑛子の伝記「TIMELESS」(http://eiko-timeless.com/)をウェブ連載中。


[ Writer : 河尻亨一 ]
[ DATE : 2017-07-05 ]
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