txt:茂出木謙太郎 構成:編集部

2019年こそがVTuber本格始動の年となる!

2018年は、バーチャルユーチューバーの活躍が華々しかった印象である。といってもまだまだVRマニアや一部のオタクの間だけの話であって、なかなか一般的に大活躍!といった感じではなかったのではないか。YouTubeチャンネルに200万人登録者がいても、動画の再生数が多くても、なかなか一般的な知名度に繋がりにくいのは、なぜなのかと悩んでしまう。

VTuberの制作側も次の一手としてどのようなキャラクターを育成し、どのようなマーケットを作っていくのか様々な試みを目下実践中といったところ。そういう意味では2018年はVTuberの仕込み時期・テストランの期間で、実は2019年こそが本命なのではないかという考え方もできる。

年末には数多くのVTuberやバーチャルキャラクターがクリスマスライブや年越しライブを企画し、リアルなイベントスペースでのライブの行なわれる。年明け2日には満を持してバーチャルキャラクターのみの「NHKのど自慢大会」が開催されるし、3日にはAbemaTVでも3時間スペシャルが調布の映画館と連動企画で開催される。

こういったイベントを皮切りに感じるのは、バーチャルキャラクターがタレント化して、様々なシーンで活躍する場が徐々に形成されつつあるということだ。

実際にTV番組でのバーチャルキャラクターの扱い方は、ほぼタレントと同じ位置にいる。違うのは本人がバーチャルキャラクターであるかどうか。3次元ではあるけれど、ここにいるのか、それともPCでの空間にいるのか、の違いだ。テレビのセットはすでに半分CGのところも多いので、セットはいつでもバーチャル内に置き換え可能である。実際バーチャルキャストでの撮影は細かい内容は違えど、カメラマンを4人配置しての本格的な撮影に限りなく近いスタッフが揃っている。

ここまで番組撮影のプロが入ってくれば、求められるのはタレント側もプロの実力だ。これまでのバーチャルキャラクターはデビューの敷居が低いため、(むしろ低さこそが魅力なので)誰でも今日バーチャルキャラクターになることができた。しかし、いざマネタイズしたコンテンツビジネスの現場に入ると、求められるのはプロとしての技量。これまで以上に現場対応力、演技力、司会力などが求められるようになってくる。

勘違いしてはいけないのは、「それならばいま活躍しているタレントをバーチャルキャラクターに置き換えればいいじゃないか」という発想では、受け入れられないということだ。今受け入れられているタレントは、生身の人間だから受け入れられている理由が多い。バーチャルキャラクターになることで、これまで受け入れられた容姿を一度捨てるか、または情報を簡素化しなくてはならないので、そのままの実力を発揮しきれない可能性があるということだ。

ということで、2019年のVTuber、バーチャルキャラクターは「プロ化」していくのではないかと思っている。

もう一点、現在のバーチャルキャラクターに不足しているのは、キャラクターの「物語」ではないかと思っている。僕たちはアイドルにしても役者にしても漫画にしても、ファーストインプレッションで気に入ったきっかけから、さらに熱を入れる用になるためには、好きになる物語、応援する物語がそこにあるとすんなり入り込むことができる。

多くのバーチャルキャラクターは設定はあるが、残念ながらそこに彼らの人生の重みが反映されていることは少ない。そうすると、僕たちは設定の中だけで接することになるので、そのキャラクターの厚みを感じることが難しいのだ。こういった状況をうまく利用したり、逆手に取ったりしていくのであれば、プロレスのようなストーリーを事務所や手を組んだ業界で作り込んでいっても面白い。

しかし、ちゃんと人生をそこに映したプロのバーチャルキャラクターが生まれてくることで、国民的と言われるようなアイドルが生まれてくるのではないかという期待を持つこともできるのだ。2019年はそういったバーチャルキャラクターがプロフェッショナルとして活躍する年になる、と予測してみた。果たしてどうなるでしょう。

WRITER PROFILE

茂出木謙太郎

株式会社キッズプレート代表。「楽しいInternetコンテンツ」をテーマに活動。現在VRの可能性をまさぐり中。CG-ARTS協会会員