[コロラド紀行]Vol.2 コロラドの玄関口 デンバー国際空港

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[コロラド紀行]Vol.2 コロラドの玄関口 デンバー国際空港

2007-11-07 掲載

[コロラド紀行]Vol.2 コロラドの玄関口 デンバー国際空港

コロラドでは先の3月11日(日)の午前2時を期してDaylight Saving Time(夏時間)が実施されて来ましたが、11月4日(日)の午前2時を期して夏時間が終了して時計の針を1時間遅らせて通常時間に戻っています。

デンバー国際空港遠景
デンバー国際空港メインターミナルの遠景です。白いテントの屋根が沢山並んでいるのが見えます。雪を冠ったロッキー山脈を模して造られたものですが、テントは日本テント社製でその大きさもさることながら、大変丈夫に出来ているのに驚かされます。2年前の冬に激しいブリザードに見舞われた時に一部が氷雪によってテントが裂けてターミナル内の一部が閉鎖されましたがそれ以来問題は生じていません。左に見える塔は空港のコントロールタワーで、メインターミナルから地下を走る自動運転の電車に乗って最終到着のCコンコースの中央部に設けられています。成田空港の人が見たら大変うらやましいと思われる広大な土地に余裕タップリに造られたデンバー空港です。

今年は夏時間への切り替えが例年より3週間早くなり、終了が1週間遅くなってトータルで4週間長くなりましたが、昨年11月に全米でのエネルギー消費の低減を計ると言う目的でアメリカ連邦議会を通過して成立した法律に基づいての実施が為されています。

夏時間の間は日本とコロラドの時差はコロラドの15時間遅れでしたが、11月4日(日)からは16時間となっています。血の気が多く血圧の高い、朝寝してゆっくり寝ていられない人の多いアメリカならではの朝早起きの夏時間の制度です。

たしかに日本では朝9時からの始業のところが多い事から真夏ではカンカン照りの中を出勤する、と言う事で何時から夏時間となって何時終了するかはともかくとして、夏時間の実施は良い事ではないかと思います。全米でのエネルギー節約が夏時間の延長でどのくらい出来たかは政府統計の発表に待つところです。

今回のこのレポートではコロラドの玄関口であるデンバー国際空港の最近の様子をお伝えしたいと思います。

Denver International Airport

日本からコロラドへ訪問するには、成田、中部、関西の各空港からサンフランシスコ、シアトル、ロサンジェルス、ミネアポリス、シカゴなどの各空港で入国審査、税関などのチェックを受けてから飛行機を乗り継いでデンバー空港へ来ます。

メインロビーの噴水広場
到着ロビーの様子です。中央に小さな噴水が沢山有ります。デンバー空港へ到着した旅客は各ゲートから地下を走る自動運転の電車に乗ってメインターミナルへ来て、地下からエスカレーターで上がり、この右側中央の出口から到着した旅客が出て来ます。出迎えの人はこの噴水と出口の間で迎える様になっています。

デンバー空港はコロラド州の首府のデンバー市が建設し所有、運営をしている空港で、それまで1929に開港したステイプルトン空港が主役を務めていましたが、コロラドの経済発展に伴い発着便数の急激な増加により手狭となって来た事から1983年から1987年迄の2期デンバー市長を務めたペナ元市長の時代に新しい将来の空港として相応しい施設の計画が立てられました。

1989年に着工し、後任のウエッブ前市長の指揮で建設工事が進められて、その後、現在のヒッケンルーパー市長へとその発展運用が引き継がれて現在に至っています。実にデンバー市長3代にわたる大事業であったと言えます。

地元ではDenver International Airportを略してDIAの呼称で呼ばれていますが、IATA(国際旅客航空連盟)の空港標識略称としては、以前のステイプルトン空港が使用していたDENとなっています

総敷地面積53平方マイル(135平方km)という広大な土地に現在3600m/幅45mの滑走路5本と4850m/幅60mの滑走路1本で現在運用しており、何れの滑走路も計器誘導着陸設備が備えられています。

Congratulations Rockiesの看板
到着ロビーへ出て来るところへメジャーリーグのコロラドロッキーズのワールドシリーズ進出お祝いサインボードが出ています。デンバー地区で行われる主要な行事で多くの旅客が来る時は必ずこうしたサインボードで歓迎の意を表しています。

空港の各ゲートはA,B,Cの3つのコンコースで構成されていますが、メインターミナルから各コンコース迄は地下を走る運転手なしの自動運転の電車で接続されており、それぞれ次のような配置です。

Aコンコース 通常ゲートが30基、小型機用のゲートが15カ所
Frontier, Continentalが主体、British Airways, Lufthanza, Mexicana, Air Canadaなどの外国便
Bコンコース 通常ゲートが43基、小型機用のゲートが40カ所
United, United Expressが占有使用
Cコンコース 通常ゲートが23基
Southwest, American, Northwest, Delta, US Airways など
テントの支柱の一つ
テントの屋根を吊っている支柱をターミル内から見上げてみました。一番上端の方は透明なシートとなっていて外光を取り入れる天窓となっています。テントの布地からも好天気で日差しが強い時には光が漏れてくるので室内照明が節約出来る明るさです。支えるテントの総重量はかなりのもののようで、さすがに支柱は大変頑丈な構造となっています。

空港のメインターミナルの屋根が雪を冠ぶったロッキー山脈を模した白いテント張りで出来ているというユニークさでも有名ですが、土地の整備から始まって新空港を新しく建設したと言うケースはアメリカでは1970年代以降このDIAが唯一の空港です。

デンバー空港の運用規模

荷物受け取り回転台
出発時に預けた荷物が出て来る回転台です。デンバー空港にはこうした大型の回転台が19基有ります。荷物は到着したゲートから地下の高速のコンベアに乗って自動認識装置を通って誤り無く所定の回転台へ非常に早く出て来ます。右側の細かく区分された回転台はスキー専用のもので外国からのスキーチャーター便が到着してもさすがに冬期はスキーヤー天国のコロラドで、沢山のスキーがここに素早く出て来ます。特に直行便が飛んでいるヨーロッパのイギリスやドイツからの長期滞在のスキー客が毎年コロラドへ多数訪れています。

空港の利用客数では一昨年迄は全米5位でしたが、昨年は急速に増加したラスベガス空港に抜かれて6位に後退しました。その後、今年に入ってからDIAでの乗客数は順調な増加を続けて、今年1月から6月迄の上半期の総乗客数では、なんとロサンゼルスをわずかながら抜いて4位となっています。ちなみに、全米での今年上半期の空港別の総乗客数順位は下記の様になっています

1位 アトランタ(ATL) 20,78万人
2位 シカゴ/オヘア(ORD) 17,12万人
3位 ダラス/フォートワース(DFW)  13,84万人
4位 デンバー(DEN)  11,65万人
5位 ロサンゼルス(LAX)  11,64万人

また、DIAへ乗り入れている航空会社では、今年の8月の実績で下記の様になっています。

順位 航空会社 発着便数占有率 8月の総乗客数
1位 United 53.7% 18,30万人
2位 Frontier 22.2% 7,54万人
3位 Southwest 5.0% 1,70万人
4位 American 3.9% 132万人
5位 Delta 2.4% 89万人
6位 US Airways 2.4% 83万人
7位 Continental 2.3% 80万人
8位 Northwest 2.2% 69万人

デンバー空港は上位3社のハブ空港となっています。

日本やアジアへの直行便開設の可能性は?

メインターミナルの出発口
自動車で送られて来た乗客がここで車から降りてチェックインカウンターへと向かう入り口です。上の屋根は小型なやはりテント張りとなっています。ここは自家用車などの専用口で、バスやレンタカー送迎及びホテルのシャトルなどはこの1階下に別途設けられています。右のガラスドアーを入ると直ぐに各航空会社のチェックインカウンターとなっています。

デンバー市はロッキー山脈の東山麓に在りますが、「Mile High City」と呼称している通りその標高が丁度1マイル(1600m)にあります。高地にある空港のため海に近い空港に比べて空気が薄く、特にジェット気流に逆らって飛行しなくてはならない西廻りのアジア各国へ向かう航空便では燃料を多く積載する必要があり、その重量に耐えて離陸する事が必要で、特に夏の高温時の空気の分子が散漫な時期には通常の滑走距離では浮力が十分得られず困難とされていました。

そうした事を解決する為に2003年9月より延長4850m/幅60mという電子誘導装置を装備している空港では世界最長の滑走路が運用に入っています。これによってデンバー市としては長年の悲願だったアジアの各国への直行便の離陸が可能となり、現在各国とデンバー市当局の間で直行便の開設協議が行われていますが、まずは成田が先か? 北京/上海が先か? と言う事になっています。当然、エアーバス社の新型ウルトラジャンボ機A-380型機の離発着もOKです。

ユナイテッド航空のチェックインカウンター
デンバー空港をハブとしている空港で一番多くの便数を扱っているユナイテッド航空のチェックインカウンターです。沢山の「E-Ticket」によるチェックインマシンとともにカウンターが並んでいます。

現在デンバーからの外国直行便はカナダの各主要都市、メキシコの各主要都市、などの他にロンドン/ヒースロー空港へBritish Airが、また、ドイツのフランクフルトとミュンヒェンへLufthanzaの各便が往復しています。

デンバー空港の現在の懸案事項

現在懸案となっている空港の課題としては、下記のような事項があります。

  • 鉄道によるアクセス:
    空港から昔のステイプルトン空港跡を経由してデンバーのダウンタウンにある鉄道駅ユニオンステーションを結ぶ高速鉄道の建設で昨年11月の住民投票でその建設が可決されている事から、間もなく工事が始まる予定です。
  • メインターミナルへ続くホテル:
    ハブ空港の必要項目として、キャンセルとなった便の乗客などを収容出来るホテルの建設があります。現在500部屋以上の空港ホテルが設計に入っており、いずれ間もなく工事に入る事になります。
  • 空港に直結する駐車場:
    今迄合計15000台の収容能力の駐車場でしたが、最近新たに拡張して34000台までの収容能力となりましたが、それでも未だに満杯です。その解決策としても鉄道の建設が急がれる事となっています。
  • 大吹雪時の除雪能力:
    昨年12月21日から翌22日にかけてデンバー空港は大吹雪に見舞われてその除雪が追いつかず45時間にわたる空港閉鎖となり、欠航便で多大な損出をもたらしただけでなく、動きがとれなくなった空港内で過ごす乗客で満杯となりました。その教訓を活かして今シーズンは空港の除雪能力を倍増して供えていますが大きな課題です。
ボランティアチームによる空港案内活動
デンバー空港では「DEN's Hospitality Ambassador Volunteer Program」と言って、空港内の主要な場所でボランテイアの人達による旅客に対する案内活動が行われています。(DENはデンバーの略号で、成田の場合はNRTが使われています。) 案内役の人は制服を着ており、胸に大きな当人の写真を入れたIDカードと付けており「May I help you?」と書かれた空港内の案内地図を持っています。総数約600名もの人がこのボランテイア活動に登録して活動しています。参加メンバーはいずれも既に一線から引退している人達でこうした公共の場での活動に生き甲斐を感じている人たちの様です。私もデンバーへの日本からの直行便がオープンしたら登録してその到着便ゲートでの日本からの旅客に対する案内活動に参加しようか、などと考えています。

以上、デンバー国際空港の近況について記しましたが、私としてはユナイテッド航空か、そのアライアンス航空のANA(全日空)がデンバー/成田間の直行便を早く開設して日本への行き来が早くて便利になることを期待している最近です。

あとがき

10月31日(火)はアメリカではHalloween(ハロウイーン)でした。しばらく以前に日本からの留学生の服部君が悪魔のマスクを着けて誤って友人の家と思って入り口で家の人を驚かそうとしていて、拳銃で撃たれて即死するという悲劇が起こってから日本でもハロウイーンの習慣が知られる様になったと思います。

悪魔のコスチュームなどを着けた子供たちが各家を廻って「Trick or Treat」と呼びかけキャンデーやチョコレートなどをもらって歩くと言う習慣が現在でも残っていますが、「悪魔払い」の習慣で、ちょうど地方ではまだ残っている日本での「十間夜」風習に似ています。我が家では大きなカボチャの中身をくり抜いて目鼻や口の形に穴をあけ、中に電球を点したものを玄関の外に出して子供たちの訪問を待ちましたが、今年は家内の発案でキャンデーの代わりに鉛筆を沢山用意して訪れた近所の子供たちに渡しました。今年は昨年より少し増えて合計72名の子供たちが我が家へ来ましたが、特にヒスパニック系(メキシコ系)の子供の数が増えており、最近のコロラドでの人口動態の変化の状況を知らされました。

ハロウイーンが終わるといよいよ11月22日のThanksgiving Dayに向けての年末商戦の慌ただしい季節に入るコロラドです。


[ Writer : 萩原正喜 ]
[ DATE : 2007-11-07 ]
[ TAG : コロラド紀行 デンバー国際空港 ]

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萩原正喜 萩原 正喜
(はぎわら まさき)

1939年生まれ、群馬県前橋市出身。大手AV機器メーカーで技術畑を歩み1996年に技師長で定年退職。その後アメリカコロラド州へ移住し、デンバーに隣接するAurora市に在住。アメリカ人の夫人とすでに独立している長女、次女の娘二人と犬2匹という家族構成。
現在は、毎日裏庭を走り回る8才の雌のジャーマンシェパードと4才の雌のレッドドーバーマンの2匹の犬のしつけと面倒をみるなど悠々自適な日々。


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