[コロラド紀行]Vol.42 金鉱山会社Newmont Mining社、不安な時の金(ゴールド)頼み
2009-09-25 掲載
アメリカ大陸の発見と言えば「コロンブス、1492年10月12日」と言う事で知られており、アメリカではこの日を記念してColumbus Dayと言う記念日と成っています。
一方、ニューヨークのマンハッタンとニュージャージー州の間を流れているハドソン河やカナダの北東の端の広大なハドソン湾などの名称で知られるイギリスの冒険家Henry Hudsonがヨーロッパからアフリカ大陸の南端のケープタウンを迂回しないでアジアに達する海路を発見開拓する為に北大西洋のいろいろなルートを4回にわたって航海をして、その3回目の航海でアメリカ大陸東海岸の現在のバージニア州とデラウェア州の間に在るChesapeake湾の後更に北上して現在のハドソン河の河口などに到達したのが1609年9月の事で今からちょうど400年前の事となります。
使用したHalf Moon号と名付けられた船は長さ85フィート(26m)、幅16フィート(5m)という全木造の帆船でよくこの小さな船で大西洋を越えての大航海をやった、と思えるものでした。
当時、Henry Hudsonはハドソン河がどこかへ通じているものと思ってその上流への航海を目指しましたが、河口から150マイル(240km)ほどさかのぼったところで川幅が狭くなって来て水深も浅くなって来た事からそれ以上の進行をあきらめて、一旦大西洋に出てから イギリスへ引き返しています。その翌年の1610年には再びアイスランドからグリーンランドの南端を回ってカナダのハドソン湾へ到着しました。
いずれの航海もアジアとの交易、特にアジアの各地で産出する香辛料のヨーロッパへの輸入を容易とする為に短距離の航路を開拓することを目指したのですが、当初はオランダの支援を受けての航海だったのが、その後イギリスの支援に変わったため現在のニューヨークのマンハッタン島に植民地が開拓され、当初ニューアムステルダムと言う地名で呼ばれていたのですが、後の1664年にイギリスの支配力が強くなってニューヨークと呼ぶ様になった経過があります。
Henry Hudsonのこれらの航海によってアメリカでのヨーロッパ人による植民地開拓活動が本格的と成り、その後の発展に大きな功績を残したのですが、彼よりもコロンブスの方が一般的には有名でハドソンの方についてはアメリカでもあまり知られていません。
不安な時の金(ゴールド)頼み

- Newmont Mining社が入っているビル:
- デンバーの南のGreenwood Villageの町に在るFiddler's Green Circleハイテクパークの一画に新しく建設された大きなビルに金鉱山会社のNewmont Mining社が入居しています。
このハイテクパークはデンバーの南のハイテクパークDenver Tec Centerと国道ハイウエイ25号線を挟んで西側に新しく建設されているもので、半円形に走っているFiddler's Green Circle道路の両側に大きなビルが10基ほど出来て既にそれぞれいろいろなクライアントが入っています。ビルの周辺や道路の一部などはまだ工事が継続していますが、間もなく完成するところです。
このニューモント社の入っているビルの写真での右側にはFiddler's Green Amphitheatreと言う名称の野外音楽場となっていて、コンサートなどが催される様になっています。
コロラドにはNewmont Mining社と言う世界で南ア連邦のAnglo Gold社とその金の生産量で1位、2位を争う金鉱山会社がありデンバーの南のGreenwood Villageにその主要事業所を置いて世界の金鉱山の運営に当たっています。
もともとアメリカ西部の開拓の原動力となったゴールドラッシュの口火を切る出来事がコロラドでも今から150年程前の1800年代なかばにありましたが、そのとき以来の金の探査、発掘、精製、精錬、販売などの技術、知識、経験を活かして今や世界の各地で活躍している金鉱山会社がデンバーに多く有ります。ちょうど石油の原油採掘でテキサスが発展しましたが、石油会社もテキサスに集まっていて世界の各地で石油採掘事業を展開しているのと同様な事と思われます。

- Newmont Mining社が入っているビルの玄関:
- ビルの玄関口には自然石にビルの名称と住所が表示されています。こことハイテクパークを周回している道路Fiddler's Green Circleの間は現在まだ工事中で広い駐車場が出来るようです。
ところで、前のブッシュ大統領の頃から始まったアメリカの経済不調で金のニューヨーク商品取引所での取引価格が上昇して来ていましたが、1トロイオンス(※)当たり1000ドルを超えるかどうかと言うところで今までは取引されていましたが、ここへ来て一気に遂に1000ドルを超えて2008年3月に記録した1トロイオンス当たり1033.90ドル以来の高値の1025.80ドルとなり、その後以前の様に直ぐに売りが出て下落すると言う事無く1000ドル以上をキープしています。
※1トロイオンス...約31gまた、同様に金ほどの投機性は無いものの銀(シルバー)についてもその取引価格は高騰しています。
金の世界的な取引での購入者を業種別に見てみますと下記の様に今までと最近とで変化して来ている事が分かります。
| 宝飾品業者 | 投資業者 | 通貨交換基金 | 産業用 | |
| 2007年 | 70.2% | 14.5% | 1.9% | 13.4% |
| 2009年 | 42.8% | 17.2% | 29.8% | 9.8% |
| 大幅低下 | やや上昇 | 大幅増加 | 低下 |
と言う事で、特に従来最も大口な金の購入者だったインドなどの宝飾品業者の購入する比率が大幅に下がって来ている事が分かります。その代わりに金を投資の対象としている購入やドル通貨の金バックアップなどの用途が大きく比率を伸ばしています。
もともと金の価格はアメリカドルの交換レートと相反する関係にあって、現在の様にアメリカの貿易収支の大幅悪化や連邦政府の収支の大幅悪化などいわゆる双子の大赤字によってアメリカドルが他の外貨に対して安くなってしまっている場合には金の価格が高騰するのは通常のパターンであると言えます。
コロラドのNewmont Mining社のような金鉱山会社は、こうした金の取引価格が上昇する事で直接その恩恵にあずかる訳で、その売り上げ面だけでなく同社の株価も上昇しており、この経済不調の折にニンマリと言ったところです。
Idaho Springsでのゴールドラッシュから150周年記念の催しの案内パンフレットの一部
デンバーから国道ハイウエイ70号線をロッキー山脈へ西に向かって直ぐにアイダホスプリングスの町が在ります。
今から150年前にジャクソンさんとそのグループが砂金の採取を目的としてアイダホスプリングスで作業を行っていましたが、夜焚き火をしていたところその周囲の地面に金色の点々が見られて、調べてみたところ金の粒だと分かりました。その周辺から掘った土砂を水で洗浄して当時の価格で約9ドル分の砂金を採取する事に成功しました。
それからジャクソンさんのグループはその近辺の沢の土砂を洗い流して7日間で1900ドルの砂金の収集に成功しました。こうした出来事がアイダホスプリングス地区でのゴールドラッシュの引き金となりJackson Mining Districtと言う事で採掘権を取得して金鉱山が本格的に始まった、という経緯です。
コロラドでのゴールドラッシュはそれより20年程前に現在のデンバーのダウンタウンを流れているSouth Platte川とCherry Creek川の合流地点で川の水底から金のかんざし状の固まりが見つかったのが引き金となっており、それからその上流のロッキー山中へゴールドラッシュに魅せられた人たちが分け入ったという事です。昔も今も人々が金に魅せられる事には変わりありません。
アイダホスプリングスでのゴールドラッシュ150周年記念と言う事でいろいろな催しが開かれますが、その主力スポンサーの1社としてNewmont Mining社が登録されています。
コロラドロッキーズの戦績その後
先のこのレポートでプロ野球メジャーリーグのナシヨナルリーグに属するワイルドカードの争奪戦がコロラドロッキーズとサンフランシスコジャイアンツの間で熾烈と成っているところまで報告しましたが、その後の状況に付いてお知らせします。
その後ロッキーズの試合経過は
- 9月1日、2日、3日 ニューヨークメッツとの3連戦を2勝1敗
- 9月4日、5日、6日 アリゾナダイアモンドバックスとの3連戦を3勝0敗
- 9月7日、8日、9日、10日 シンシナチーレッズとの4連戦を4勝0敗
といずれもホームグラウンドのデンバーのダウンタウンにあるCoors Field球場で休む暇無く通算9勝1敗と連勝記録で勝ち進んでいます。
そして、その後アウエイでの試合が続いて、
- 9月11日、12日、13日 サンデイエゴパドレスと3連戦を1勝2敗
- 9月14日、15日、16日 サンフランシスコジャイアンツとの3連戦を1勝2敗
- 9月18日、19日、20日 アリゾナダイアモンドバックスとの3連戦を2勝1敗
として、なんとかそれぞれ全敗は免れていますが、9連勝後の疲れが出て来ていると思える戦績と成っています。
9月20日のダイアモンドバックスとの試合が終了したところでのナシヨナルリーグのワイルドカード獲得競争は次の4チーム間での競り合いと成っています。
| コロラドロッキーズ | (West Division) | 85勝65敗 |
| サンフランシスコジャイアンツ | (West Division) | 80勝65敗 |
| フロリダマリーンズ | (East Division) | 80勝69敗 |
| アトランタブレーブス | (East Division) | 79勝70敗 |
9月20日の試合終了したところでコロラドロッキーズの今シーズンの残り試合数は12試合と成りますが、今シーズンの最後の日程として10月2日、3日、4日とロッキーズと現在勝ち試合数90勝で5勝差のナシヨナルリーグWest Divisionの首位を行くロサンゼルスドジャースとの3連戦が組まれており、最後まで目が離せません。
日本からのプレーヤーが大勢活躍している今シーズンのメジャーリーグ野球ですが、残念ながら松井稼頭央選手がヒューストンアストロズへ移籍してからコロラドロッキーズには日本選手が居ません。
日本での各メデイアの報道では日本選手の活躍を伝える事が主題と成ってロッキーズの事などほとんど伝えていない状況だと思います。 ロッキーズが今シーズンもワールドシリーズへの出場を果たして来シーズンには日本の有力プレーヤーが獲得出来ると良いがと思っています。
あとがき
9月に入ると何時雪が降っても不思議でないコロラドですが、9月21日(月)のデンバー地区では、その未明より気温が急激に低下して昼頃より冷たい雨がパラパラ程度ですが降り始めて、時折その雨が止むと雪に変わるといった天候となりました。
地面が白くなる程では無かったのですが、ロッキー山脈の山中では様子が異なり、コロラドの最もポピュラーなスキー場のVailでは2インチ(5センチ)程の降雪となって、一面真っ白、そして真黄色に黄葉したアスペンツリーの葉が頭を出してすばらしい景観の様子がTVのニュースで伝えられています。
我が家では夏の間に活躍した芝生に散水するスプリンクラーと屋根の上に載っているスワンプクーラーの水抜きをしようか、どうしようか? と迷いましたが、TVの天気予報での最低気温は華氏34度(摂氏+1.1度)となる、と言っているのを信用してスワンプクーラーの水抜きのみを行って、スプリンクラーの方はパイプが地面に埋まっているのでもう少し待つ事にしました。
早くも冬支度の準備にかかるコロラドです。
[ Writer : 萩原正喜 ]
[ DATE : 2009-09-25 ]
[ TAG : コロラド紀行 ]
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萩原正喜
萩原 正喜
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1939年生まれ、群馬県前橋市出身。大手AV機器メーカーで技術畑を歩み1996年に技師長で定年退職。その後アメリカコロラド州へ移住し、デンバーに隣接するAurora市に在住。アメリカ人の夫人とすでに独立している長女、次女の娘二人と犬2匹という家族構成。
現在は、毎日裏庭を走り回る8才の雌のジャーマンシェパードと4才の雌のレッドドーバーマンの2匹の犬のしつけと面倒をみるなど悠々自適な日々。
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