[コロラド紀行]Vol.47 クリスマスが近づく冬のコロラド
2009年12月16日 更新
12月4日(金)から降り始めた雪はその降雪量としてはたいした事は無いものの気温が急激に下がって翌日の明け方の最低気温は前日のデンバー地区での天気予報では華氏-2度(摂氏零下18度)となると伝えられて、凍死するから犬などを外に出しておかない様にと言う警告や市当局でのホームレスの人達のシェルターへの強制移動処置などが行われました。最低気温は華氏-2度迄行かず、華氏+2度(摂氏零下16.6度)と記録されましたが、いずれにしても非常に寒い朝を迎えています。
その後雪は僅かながらも降り続いて時々やんで薄日が差しかけてくると言った状態でしたが、天気予報が次の寒波が追ってやってくると伝えて再び降雪が始まるといった加減で何とも冷えきった週末となりました。
デンバー地区では例年最低気温が華氏で0度以下となるのは年越し後なのですが、今年は記録更新となるか、と思っていましたが、0度を割らず、わずかながら+で推移しています。
町の主要道路は専用大型トラックによる凍結防止剤の塩化マグネシウムの散布がうまく行われており、併せて主要交差点では砂利が散布されているので車のスリップによる事故はそれほど多くは発生していません。町中では車にチェーンを巻くと言った事はまったく見られず、スノータイヤもあまり使用されていませんが、床が高く4輪駆動の車はデンバー地区では冬の不可欠な乗り物です。
したがって、SUV車と乗用車とを持っていると言う家が多く、我が家でもトヨタRAV 4とトヨタCamryとを使用しています。最近では乗用車仕様でも4輪駆動のモデルが多く見られる様になりましたが、スバルは早くから乗用車で4輪駆動を採用していた事からコロラドでは古くより人気が有り現在でも町中では数多く見られます。うちの次女の娘もスバルLegacyを使用しています。
コロラドではその自動車全体の56%がSUV、ミニバン、小型トラックで占められていると言う事で全米の他の州に比べて非常に高い比率となっていますが こうした環境の為せる技というか、生活の知恵と言う事のようです。

- 我が家の屋外寒暖計
- 裏庭に面した突き出しの軒下に設置している屋外寒暖計ですが、12月8日の午後2時頃に撮影しています。華氏と摂氏と両方が読める様になっていて日常的に重宝しています。華氏14度を示していますが、摂氏で零下12度となっています。
我が家ではジャーマンシェパード(7才雌)とレッドドーバーマン(3才雌)の2頭の犬を飼っていますが、雪が降って寒い天候では「犬は喜び庭駆け回る」という歌の通り、暑い夏の間は元気が無かったシェパードの方は長い毛皮のコートを着ている様なもので裏庭を駆け回っていますが、短い毛のドーバーマンの方は家から裏庭へ出してやると直ぐに家の中へ駆け戻って来てしまって寒さにはカラッキシ駄目です。
日本でも北海道に住んでいる人達には笑われそうですが、スキーの好きな人にとっては「スキーヤー天国」のコロラドの冬ですが、そうでない人にとっては厳しい季節と言えそうです。
クリスマスが近づくと各家々ではその家の建物や前庭に電気のイルミネーションで飾り付けするのが習慣となっています。家によって様々ですが、中には豪華絢爛といった家も有って人々の年末の楽しみの一つとなっています。
今迄の白熱ランプによるものから最近ではLEDの電飾が主流となって来ており、電気代の節約、ランプ寿命が長い、丈夫である、青色の発色が良い、などといった理由から多く使われる様になって来ています。
私の家の近所の電飾をした家の中から、目立ったものを3軒ほど撮影しましたのでご覧下さい。
クリスマス電飾を施した家(その1)
我が家からごく近くに在る家の電飾です。毎年この家では多くの電飾で家を飾るのに熱心で、今年も大変立派なイルミネーションとなっています。
クリスマス電飾を施した家(その2)
まさに豪華絢爛、非常に沢山のすべて白熱ランプによる電飾です。家の電気のサーキットブレーカーが飛ぶのではないかと心配されます。電気料金など気にしないで、元気に福を呼び込もうという事の様です。
クリスマス電飾を施した家(その3)
こちらは大変慎ましやかな飾り付けですが、すべて最新のLEDを使っています。写真ではあまり目立ちませんが、青色が多く使われておりしっとりとしたイルミネーションとなっています。
ドル安でアメリカからの輸出が増加
「双子の赤字」と云われるその片方で、アメリカの貿易収支は毎年輸入超過でその累積額は膨大な数字にのぼっています。通常の国でしたらとっくに破産と言う事になってしまっていそうですが、それで長年持ちこたえているのは、やはりアメリカは豊かな国なのだと云えそうです。
ここのところ弱い米ドルの状態が継続していますが、このドル安のお陰でアメリカからの輸出が最近増加しており、10月の貿易輸出額は特に農産物、自動車、航空機、産業機器などの分野を中心に大きく増加して貿易収支の赤字額の減少に寄与しています。この輸出額の増加はここ6ヶ月継続で生じており、特に中国を始めアジアの各国への輸出が伸張しています。
こうした、輸出額の増加はドル安による輸入原油の金額増加を穴埋めするのに役立っており、原油取引価格の低下がそれを更に助ける形となっています。 そして、原油の総輸入量も最近減少して来ていますので、それを加速する様作用しています。
予測では、この10月~12月の4半期では前年同期に比べて3.2%の増加となる見込みで、アメリカの経済指標が昨年7月~9月の四半期より記録的な4四半期連続での低迷した後に今年の7月~9月の四半期では2.8%の上昇となっています。
アメリカ商務省の発表によると、今年の10月の輸入額は0.4%増加しましたが、輸出額は2.5%の増加となっていて、貿易収支の赤字額は329億ドルで9月の357億ドルから7.6%の減少となっているとしています。
今年の1月から10月迄の貿易収支の赤字は年間レートにして3648億ドルで、この額は2008年の赤字額の約半分に当たります。 アメリカの輸出の増加が低迷するアメリカ経済回復の牽引車となるのではないかと期待されているところです。
アメリカでの小売業売上げが好転
アメリカでの小売業及び食品業の11月の売上げがエコノミストたちの予想していた0.7%を大きく上回って、1.3%の上昇で3521億ドルとなったと報告されています。
大幅な経済低迷から、今年7月~9月の第3四半期ではアメリカのGDPは大きく下げましたが、この1年以上の低迷の後で11月は最初の上昇値に転じています。 また、その他の各産業経済指標もこの10月~12月の四半期には良好な上昇を示すとされています。
アメリカの経済状況を示す指標の一つとして使われている「U.S. Business Inventries」も今年10月には0.2%上昇して昨年8月以降最初の上昇となりました。経済学者の一人は「これでアメリカの2段階目の経済不況は回避する事が出来る」としています。
また、これらの各指標の好結果を受けて、JP Morgan Chaseでの今年第4四半期のGDP予測は4.5%となり当初予測されていた3.5%を大きく伸ばす事となるとしています。
ガソリンの価格が依然高いものの自動車の売り上げは11月は好調で、同様に他の商品小売りも好調に推移しています
そんな中、連邦準備銀行の最近の報告では「Total Net Households」の値が今年7月~9月の四半期では53兆4200億ドルとなって、4月~6月の四半期の50兆7600億ドルに比べて5%の上昇となったとしています。
今迄景気の悪い話ばかりの連続でしたが、この11月の回復実数を受けて来年は長かった経済低迷から脱出出来る事を祈るばかりです。
不景気に強いマクドナルドも不調
世界で最も大きなハンバーガーチェーン店のMcDonaldの11月の売上げが発表となって、アメリカ内の開店から1年以上経過している店のみの合計売上げ金額の実績で昨年11月と比べて0.6%の低下となって、これで10月での0.1%の低下に続いて2ヶ月連続の低下となったとしています。
マクドナルド店は過去6年間にわたりほぼ一定の売上げ増加をして来ましたが、アメリカの失業率の改善がないかぎりその継続回復は無理だろう、と言っています。
昨年11月には経済不調になるとアメリカ人たちはマクドナルドで食べる人達が増える様になる、と云う事で「不景気に強いマクドナルド」と云われて来ましたが、同店での「Value Menu」の強化などで依然競合する各食品業の店に比べて好成績は保っているものの、長い間続く失業者数の増加は同店にも影響を及ぼして来ているものと思われます。
全米一の金鉱山会社Newmontがガーナに新鉱山開発計画
デンバーの南のGreenwood Villegeに本社を持つ全米一の金鉱山会社のNewmont社がオーストラリアの新鉱山での採掘操業がスタートした、と言う事を先のこのレポートでお伝えしましたが、同社では今度はアフリカ大陸の西海岸の国Ghana(ガーナ)の東部地区Akyem鉱山の開発を計画中であるとしています。
この金鉱山は調査結果から766万オンスの粗鉱を埋蔵していると見られており、その開発には7億ドルから10億ドルの費用が必要と見られています。
Newmont社では現在既にガーナで1カ所の金鉱山を操業していますが、2010年の中旬までにこの新鉱山の開発に着手するかどうかを決定するとしています。金の市場取引価格の高騰で押せ押せの事業展開を計ろうと言う同社の戦略です。
アメリカ造幣局で金貨の販売を再開
U.S. Mint(アメリカ造幣局)の硬貨製造所の一つがデンバー市の中央のデンバー市庁舎の裏側に在りますが、12月14日(月)からアメリカ造幣局ではその地金ブランクの在庫が切れていたためしばらく販売を止めていたアメリカンイーグル金貨の1/2オンス金貨、1/4オンス金貨、1/10オンス金貨の3種類の2009年製造のものの販売を再開すると云っています。これらの2009年製アメリカンイーグル金貨の販売は数量限定で現在庫分が売り切れたら今後追加の製造は行わない、と言っています。
また、1オンス金貨についても12月15日(火)から販売を行い、アメリカ内の各地での売れ行きを見て配送先調整を毎週行って、今年の年末迄満遍なく行き渡る様に調整を行うと言っています。
この各金貨の一般の人への販売は金貨販売仲介業者を通して行い、造幣局が直接販売は行いません。
アメリカは昔の様にドル通貨の金本位制を現在では敷いていないので、アメリカンイーグル金貨は通貨と言うより趣味のコイン蒐集の対象として扱われていますが、金の市場価格が加熱上昇しているおりから金を市場へ流出させて価格抑制を計ろうと言う目的だと思われます。
アメリカンイーグル金貨はその純度は91.67%で、他の国の金貨がフォーナイン(99.99%)であるのに比べて少し落ちますが、金の投資対象としてはその品質が保証されているアメリカンイーグル金貨ですので発売後直ちに売り切れる、という事になると思われます。
あとがき
経済不況からアメリカの主要金融機関の不安定な状況を除くため2008年秋にアメリカ政府が実施した金融危機救済策、いわゆる「Bailout」資金供給はその後各主要銀行では資金の確保に努めて立ち直りをみせて来た事から、政府からの借用資金の返済を進めて来ました。
現在まだ返済せずに残っていたCitigroupとWells Fargoの2大銀行ではその後の活動でやっと潤沢な資金の調達が出来た事から、Citigroupが200億ドル、Wells Fargoが250億ドルのBailout調達金を返済する事になったと発表しています。
アメリカ財務省によると、このTARF (Troubled Asset Relief Program)に基ずいて主要金融機関へ供給された資金の合計は2450億ドルで、今回のCitigroupとWells Fargoの返済額を含めて合計1850億ドルが返済された、としています。
また、銀行が破産した時のその預金者の人々への救済策として、日本で云うペイオフのシステムはアメリカではFDIC (Federal Deposit Insurance Corporation)の預蓄資金によって預金者一人当たり10万ドルまでが保証されていましたが、今回の金融危機対策として、その金額を2013年12月31日迄の期間25万ドルに引き上げています。
これによって金融不安から銀行からの預金引き出しが増大するのをいくらかでも防ごうと言う政策をとった事で一般の銀行預金者達に安心感を与えています。
2014年1月1日からはペイオフ補償額は以前の10万ドルに戻りますが、それまでに各銀行は資金の確保に努めて破産などが生じて金融不安が増大する事の無い様に努める事が課せられていますが、併せてそれまでにアメリカ経済が立ち直りを見せる様になる事が期待されています。現オバマ政権がその財政赤字の増大危機をおかしても積極的にいろいろな政策を実施して来ていますが、これらの効果が早く現れて欲しいと思います。
[ Editor : 萩原正喜 ]
[ DATE : 2009年12月16日 ]
[ TAG : コロラド紀行 ]
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(はぎわら まさき)
1939年生まれ、群馬県前橋市出身。大手AV機器メーカーで技術畑を歩み1996年に技師長で定年退職。その後アメリカコロラド州へ移住し、デンバーに隣接するAurora市に在住。アメリカ人の夫人とすでに独立している長女、次女の娘二人と犬2匹という家族構成。
現在は、毎日裏庭を走り回る7才の雌のジャーマンシェパードと3才の雌のレッドドーバーマンの2匹の犬のしつけと面倒をみるなど悠々自適な日々。
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