去る12月18日に東京丸ビルホール7Fにおいて、西華産業株式会社主催による『RED ユーザーフェスティバル』が開催された。

RED Digital Cinema社Ted Schilowitz氏によるプレゼンテーションや4K作品上映のほか、CineToys社のBret Allen氏によるGEARNEXデモンストレーション、アビッド テクノロジー、IMAGICAデジックス、フォトロン、アドビシステムズ、ASK DCC、オートデスクによるRED ONEワークフローの紹介などが行われた。この種のイベントは2~3時間であることがほとんどだが、1時から7時45分という長丁場にもかかわらず、300人以上の来場者があり、RED ONEへの関心の高さが伺い知れるイベントであった。

Voice from Ted

来年はREDの新製品で話題独占か

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プログラムの冒頭は、Ted Schilowitz氏によるプレゼンテーションで、かねてから噂されていた「SCARLET」や「EPIC」は、残念ながらモックアップによる発表のみで、実機の映像を見ることはできなかったが、来年早々からEPICをベースにしたスチール撮影向きの構成にした「TATTOO」を2010年春発売すると発表したほか、2010年5~6月の発売を目標にEPICの廉価版という位置づけになるSCARLETを、2010年夏頃にはEPICの量産を本格的に開始する予定だという。さらに、35mmフルサイズのセンサーを搭載した6kモデルを1年後にリリース。価格は3万3,000ドルで、6Kの解像度と最大100fpsのハイスピード撮影、撮影時のアスペクト比を可変する機能なども備えるとしている。予定通りに製品が開発され、発売されれば、映像業界の話題はRED一色になりそうだ。

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RED Digital Cinema社Ted Schilowitz氏によるプレゼンテーション。RED ONEにより撮影された映画はすでに100を超え、CMやTVなどを入れると莫大な数にのぼるという。

EPICをベースにしたスチール撮影向け構成の「TATTOO」を2010年春発売すると発表

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EPICは、いくつかのステップごとにリリースが行われる予定

EPICは、センサー部分、I/O、レンズ、サイドCFモジュール、REDremote、2.8インチタッチスクリーンLCD、REDVOLTバッテリとトラベルチャージャーなどを組み合わせて、目的の構成が可能

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Scarletシリーズのロードマップ。Scarlet 2/3やScarlet S35が来年の春から夏にかけて発売される予定

Scarlet S35は7000ドル(ブレインのみ)、Scarlet3Kはフルキットで4750ドルという価格設定だ

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レンズもすでに発売を開始したPLマウントのRED primesのほか、RED MiniPrimesなどが来年から発売を開始する予定

Mini Primeレンズは、6mm T 1.5、8mm T 1.5、16mm T 1.5、25mm T 1.5、50mm T 2.9で、価格は全て950ドル

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RED Rocktによるワークフローのデモンストレーション

4Kのレゾリューションにもかかわらず、リアルタイムで再生可能。制作効率が劇的に良くなった
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会場入り口付近には、RED ONE関連の周辺機器展示。来場者は自由に体験できるようになっていた

RED ONEで撮影された最新映画ポスターが展示。作品数の多さをアピール。日本での事例も多くなってきている

なお、こうした他に類を見ない製品は、既存のワークフローに収まり切れない可能性もあるが、RED ONEが切り開いた世界は、すでにメジャーなノンリニア編集システムのメーカーを巻き込み、様々な分野で浸透していることから、早々に解決されることと思われる。今回のイベントでは、RED ONEのワークフローを中心とした各社のシステムが紹介された。

  • アビッド テクノロジー(株)”REDワークフローをサポートするAvid製品ラインナップ”
  • (株)IMAGICAデジックス”Film Master RED&ASC CDLワークフロー、CLIPSTER 4K/3D/DCIワークフロー”
  • (株)フォトロン”Da Vinci Resolve におけるREDワークフロー”
  • アドビシステムズ(株) “AdobeCS4によるREDネイティブワークフロー”
  • (株)ASK DCC”QTAKE HDによる最先端REDビデオアシスト”
  • オートデスク(株)”オートデスクのREDワークフロー”Autodesk Smoke 2010 For Mac OS X を紹介

WRITER PROFILE

稲田出

稲田出

映像専門雑誌編集者を経てPRONEWSに寄稿中。スチルカメラから動画までカメラと名のつくものであればなんでも乗りこなす。