白組「もやしもん」活用事例

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去る、9月28日九州宮崎のDELLカスタマーセンターにおいて、TVドラマ「もやしもん」におけるDELL製品の活用事例が、白組により披露された。会場にはDELL宮崎のサポートおよび営業社員が参加したほか、報道陣にもその様子が公開された。今回の事例紹介の中心はサポートを行うDELL社員に実際に自社の製品がどのように活用されているかを知ってもらい、より良いサポートを行うためのもので、プレス招待はこうしたDELLの取り組みを紹介すると共に、一般のワークステーションを組み合わせたシステムで白組がどのようなワークフローで作業を行ない、映像として具現化しているのか、実際に「もやしもん」の映像素材を使って解説が行われた。

宮崎カスタマーセンターで開催されたプレゼンテーション

ちなみに、こうしたイベントは東京や大阪などの都市圏で行われることが多いが、宮崎のカスタマーセンターはDELL日本法人約1500人の約1/3以上が集まる大所帯のため地元で開催されたようである。「もやしもん」は、漫画週刊誌の連載からテレビアニメ、実写ドラマとなっているが、白組はテレビアニメの段階から製作に参加しており、登場するキャラクターなどはテレビアニメの時に制作したものが流用できるものがあるもの、実写ドラマ用に手直しをしたり作り直すなどかなり手を加えなくてはならないこと。そのためにはワークステーションのパフォーマンス、特にビデオカードやメモリーなどが必要になることなどを実際のソフトを起動して分かりやすく解説された。

白組では、アプリケーションソフトとして主にAutodesk 3dsMaxやAdobe After Effectsなどを使用しているが、タブレットなど周辺機器も含めてWindows 7など新しいOSに対応していない場合は必要に応じてダウングレードすることもあるという。サポートセンターとしては、各種アプリケーションや周辺機器の情報を元に、こうしたソフトや周辺機器の組み合わせによっては、OSのダウングレードを勧めなくてはならない場面もあるかもしれない。

白組ではこうした情報をメーカーなどと共有し、より良い環境を作っていこうと努力している。今回のセミナーもそうだが、システムやPCなどの機器類は逐次チェックしており、新しいOSや新しい機種が発売になった折に比較検討し、導入や入れ替えなどの参考にしているという。

白組のワークステーションを支えるDELL

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ワークステーションに限らないが、CGやCADなど専門分野ごとに最適なサポートを行うには、白組のような考えを持ったところとの情報交換は非常に有効ではないだろうか。できれば、サポートセンターが中心となってユーザー同士の情報交換の場を作ったり、交流できるようなシステムができると理想的だと感じた。白組が構築しているシステムは、サーバールームにレンダリングサーバーやファイルサーバーが、実際に作業を行うアーティストエリアにはワークステーションがそれぞれ設備されており、高速なネットワークで接続されている。

2Dや3DCGでは一般的なシステムだが、詳細となると各社各様なはずだ。DELLのユーザーの多くは中小規模の企業で、おそらく企業内に専門の担当者がいるところは少なく、それだけSIやサポートセンターへの期待は大きいはずだ。今後もこうしたユーザーとの交流の場を設けて、より良いサポートの実現を志向するとともに、製品開発などへも情報を共有し、製品開発からサポートまで一貫した流れができることを期待したい。

WRITER PROFILE

稲田出

稲田出

映像専門雑誌編集者を経てPRONEWSに寄稿中。スチルカメラから動画までカメラと名のつくものであればなんでも乗りこなす。