PRONEWS

  • imgABOUT
  • imgTWI
  • imgFB
  • imgYTU

トップ > コラム > 岡英史 > [岡英史のNewFinder]Vol.26 遂に1/3inchハンドヘルドの真打ち登場!JVC GY-HM650

News

[岡英史のNewFinder]Vol.26 遂に1/3inchハンドヘルドの真打ち登場!JVC GY-HM650

2013-01-25 掲載

HM650はダブルFALCONBRID

OKA_NF_26_1.jpg OKA_NF_26_2.jpg
GY-HM650(左)とGY-HM600(右)。外観の違いはこちら側からはほぼ無い

GY-HM650/GY-HM600シリーズ(以下HM650・HM600)に関してはNAB Show 2012から個人的には注目していて、その都度何かある度に機材検証でTESTや現場に投入してきている。多分日本では一番この機種を使い込んでいるカメラマンだと自負出来る。そんな中に昨年のInterBEE 2012前にようやくHM600が販売されたのだが、その個体(ロット)は完成系と言うには少々厳しい部分もあった。勿論根本的な性能が悪いというわけではない。クラスNo.1の高感度に加えFUJINON製23倍と言うこちらもクラスNo.1の倍率のレンズが悪い筈がない。ただ一つ残念だったのが、個体差もあるとは言えAFの焦点速度や精度が従来のスタンダードだったHXR-NX5JやHVR-Z5Jに比べると”気持ちよく”使えると言うには現場によっては厳しい場合があったことだ。それが発覚したのがInterBEE本番の1週間前。そこからわずかの期間で最新ファームを上げたのはJVCが如何にこのカメラに気持ちを入れているのかが良く解る。

そして12月に入った時点で真打ちとも言えるHM650が登場した。外見上は殆ど見分けが付かないHM650とHM600だがその中身は随分と違う。ハード部分である基本的な所は全く変わらず主にソフト面にその違いが出てる。大きく違う部分を簡単に書き出してみよう。

OKA_NF_26_22.jpg

HM600を標準と例えるならHM650は拡張機能付きと言う位置付けで良いだろう。価格にして約10万円の差があるが、これは好みと予算で選ぶレベルだ。通常の撮影形態でMXFやProxyデーターを活用しない環境であればHM600でも十分だ。画質を含めた基本性能はHM650と600では全く違いがない。

カメラコントロールとしてのWi-Fi機能

OKA_NF_26_4.jpg OKA_NF_26_3.jpg
本体後部のホスト機能対応USB2.0端子にWi-Fiアダプター等を装着出来る

HM650の注目すべき機能にホスト機能対応USB2.0端子がある。ここに様々なUSB接続のネットワーク機器を付けることにより、カメラ本体のFTPクライアント機能にアクセスし、カメラをコントロールすることが出来る(ブラウザー経由)。まだクライアントソフトも初期バージョンのために基本的なメタデーターの書き換えとズーム操作程度に留まっているが、それでも舞台撮影やミドルレンジでの撮影形態に多いワンマン2カメの時には大きなファクターになる。なおアクセスポイント経由での接続かPtoPでの接続かはWi-Fiアダプターの仕様による。検証済みのアダプターは随時下記のメーカーHPに掲載されているのでそれを確認されたい。
http://www3.jvckenwood.com/pro/video/gy-hm650/feature02.html

さて、そのネットワーク機能のアクセスと動作だが、この様な感じとなる(AP/アクセスポイント使用の場合)

OKA_NF_26_5.jpg OKA_NF_26_6.jpg

今回は数千円程度のポケットWi-Fiをバッテリー駆動で使用。DHCP機能を使ってカメラ本体のプライベートIPアドレスは自動取得したが、勿論手打ちで固定IPを割り当てることも可能。環境によって複数ある場合は各々ファイル名を付けて保存することが可能だ。

OKA_NF_26_7.jpg OKA_NF_26_8.jpg

カメラ本体に割り振られたIPアドレスをブラウザーから打ち込むと、カメラ本体へのログオン画面にユーザー名とパスワードを打ち込むと各種設定にアクセスが出来る。カメラコントロール部分を除けばメタデーターの編集がメインとなる。

OKA_NF_26_9.jpg OKA_NF_26_12.jpg

メタデーターに関しては必要にして十分なテキストデーターがあるので各々のワークフローにあった処理をすれば良い。クリップデーターにはTCを含めたファイルのデーターが一覧に出るので、収録の合間に確認出来るのは便利だ。

OKA_NF_26_17.jpg

カメラコントロール部分に関しては、今の所はズームしか動かせない。ズームポジションのプリセットを3ヶ所セット出来るので、舞台撮影での置きカメ的な使い方では、全景ポジションから幕ポジションと中幕でのポジションをワンタッチで変更できる。映像自体も遅延があるのは認めざるを得ないが、必要にして十分な機能だと言える。コントロールできる距離だが、単純に見通し距離で実測25~30mは全く問題なく途切れることも無く運用できた。この先のアップデートではもう少し細かいカメラコントロール(フォーカス・アイリス・色温度等)も視野に入っているとの情報も耳にしているが、現状のズームコントロールとRECコントロールだけでも十分に使用出来る。

OKA_NF_26_14.jpg OKA_NF_26_18.jpg

カメラポジションのプリセットを使用すれば、画角の変更も一発で決まる。勿論ズームレバー自体を直接動かして微調整も出来る。基本はブラウザベースなのでタブレットやスマートフォン以外でも通常のPCからでもコントロールは可能。但しブラウザによってはオーバーレイ機能が引っかかる時もあるので動作環境は事前にチェックしたい。

OKA_NF_26_10.jpg OKA_NF_26_19.jpg OKA_NF_26_11.jpg 左から順番に5m・15m・30mでのコントロール画像。遅延のタイミングは距離にはほぼ関係なく、いつも一定で動作を確認できる

その他

HM600からHM650になってから大きく変わった部分では前記したWi-Fiでのコントロールが一番印象深いが、更にソフトウェア部分での変更はかなり細かい単位でアップグレードをしている。その多くはフォーカスの追従性を含むレンズ廻りのコントロール部分だが、ソフト部もかなり改善されており、カメラ全体のトーンを変える為に画質重視モードと感度重視のモードを切り替えることもできる。この感度重視のモードにするとカメラGAINの数字にマイナスdBが現れることになる。

総評

とにかく、このHM650シリーズは常に進化しておりファームアップデートが多い。この個体も発表された時のデモ機と比べると特にAF機能が全く異なる。勿論現状のファームの方が良い。初期ロットのHM600のAFに比べると、全く別の機種の様にさえ覚える。HM650シリーズは色んな所(blog等)でも話題になっている。勿論良い話題だけじゃなく本機にダメ出しをしているテキストもあるが、少なくともココまで色々な情報が出て注目されているハンドヘルドカムコーダーはここ最近では全く無かった。ここまで注目されている本機の更なるファームアップに期待をしたい。

OKA_NF_26_20.jpgのサムネイル画像 OKA_NF_26_21.jpg 左:録画フォーマットは5種類+SDが選択できる。右:拡張モードと標準モードはここのメニューから選択できる

WRITER PROFILE

岡英史 バイクレース及びF3レース参戦など、映像とはかけ離れた経歴を持つ異色ビデオカメラマン


[ Writer : 岡英史 ]
[ DATE : 2013-01-25 ]
[ TAG : ]

関連のコラム一覧

[岡英史のNewFinder]Vol.68 Canon CINEMA EOS SYSTEM EOS C200

txt:岡英史 構成:編集部 型番を巡る考察 今までのスタイルと似ているようで、細かいところは全く違ったデザイン CINEMA EOSシリーズもこれで7機種目... 続きを読む

[岡英史のNewFinder]Vol.67 FUJINON MK18-55mm T2.9セカンドインプレッション~NAB取材編

txt:岡英史 構成:編集部 NAB前に手元に来たシネマレンズ FUJINON MKシリーズ すでにファーストインプレッションでその感触を書いたが、その時のセッティ... 続きを読む

[岡英史のNewFinder]Vol.66 FUJINON MK18-55mm T2.9ファーストレビュー

txt:岡英史 構成:編集部 レンズは資産 見た目以上にコンパクトで軽量なシネレンズだ 撮影における機材としてレンズは非常に大事である。光の入り口が良くなけれ... 続きを読む

[岡英史のNewFinder]Vol.65 街のビデオ屋的音声バックアップ~ワンマンオペレートを考える

txt:岡英史 構成:編集部 ミドルレンジ的音の取り回し方を考える カメラの台数分のカメラマンがいない現場が多いのがミドルレンジの現場 大半のミドルレンジに共... 続きを読む

[岡英史のNewFinder]Vol.64 CP+2017で見つけたあれこれ

txt:岡英史 構成:編集部 2017写真の祭典だが… 昨年に比べるとメーカーブースの間の密度が高く、平日初日の割には人が多く感じた今年のCP+2017。写真の... 続きを読む

WRITER PROFILE

岡英史 バイクレース及びF3レース参戦など、映像とはかけ離れた経歴を持つ異色ビデオカメラマン


Writer

編集部
PRONEWS編集部による新製品レビューやイベントレポートを中心にお届けします。
小寺信良
業界で噂の新製品を、AV WatchやITmediaのコラムでもおなじみの小寺信良氏がレポート。
raitank
アートディレクター。あまたの海外ソースを読み漁ってHDSLRを独学。国内と海外の情報流通の温度差にモーレツな疑問を感じ、最新の情報を自ら日本語で発信するblogを運営中。
ふるいちやすし
自身で脚本、監督、撮影から編集、音楽までもこなすマルチプレーヤー。
岡英史
バイクレース及びF3レース参戦など、映像とはかけ離れた経歴を持つ異色ビデオカメラマン
江夏由洋
兄弟で株式会社マリモレコーズを設立し、ノンリニアにおける映像技術、映像制作を中心に、最新技術を取り入れたワークフローを提案している。
手塚一佳
CGムービー制作、ネットワークゲーム制作を得意とするデジタルデザイン会社アイラ・ラボラトリの代表取締役。
山本久之
映像エンジニア。フリーランスで映像設備のシステムインテグレーションと、ノンリニア編集に携わる。
鍋潤太郎
ロサンゼルスを拠点とするVFXジャーナリスト。
江口靖二
江口靖二事務所主宰。現在デジタルサイネージコンソーシアム常務理事などを兼務。
安藤幸央
無類のデジタルガジェット好きである筆者が、SIGGRAPH ASIAやCESなど海外の注目イベントを紹介。
高野光太郎
Cosaelu株式会社 代表取締役 / 映像ディレクター ミュージックビデオ、番組オープニングタイトル、CM、劇場映画、全てをデスクトップで制作。
ヒマナイヌ
頓知を駆使した創造企業
オースミ ユーカ
映像ディレクター。企画、脚本から演出までジャンルを問わず活動。
林和哉
映像プロデューサー/ディレクター。入口から出口まで全てのポジションを守備範囲にしている。最新技術が好物で、各種セミナー活動も豊富。
土持幸三
1970年生。鹿児島県出身。俳優を経て渡米。LA市立大卒業・加州立大学ではスピルバーグと同期卒業。帰国後、映画・ドラマの脚本・監督を担当。川崎の小学校で映像講師も務める。
茂出木謙太朗
株式会社キッズプレート代表。「楽しいInternetコンテンツ」をテーマに活動。現在VRの可能性をまさぐり中。CG-ARTS協会会員
猿田守一
企業用ビデオ、CM、ブライダル、各種ステージ記録など撮影から編集まで地域に根ざした映像制作活動やCATV局などへの技術協力なども行っている。
松本敦
映像クリエイター。企業VPからスポーツイベント撮影まで幅広く手がける。アクションカムやドローンなどの特殊ガジェット好き。
鈴木佑介
日本大学芸術学部 映画学科"演技"コース卒の映像作家。 専門分野は「人を描く」事 。 広告の仕事と個人ブランドでのウェディングがメイン。 セミナー講師・映像コンサルタントとしても活動中。
柳下隆之
写真家アシスタント、現像所勤務を経て、撮影機材全般を扱う輸入販売代理店で17年余り勤務の後に、撮影業界に転身。一眼カメラによる撮影を得意し、代理店時代に手がけたSteadicamや、スタビライザー系の撮影が大好物。
奥本宏幸
大阪を拠点にしているフリーランスの映像ディレクター。演出・編集・モーショングラフィックをバランス良くこなす。フィンランドサウナが好きです。
井上晃
映像制作会社「有限会社マキシメデイア」代表、制作プロデューサー&キャメラマン。Facebookグループ「ATEM Tech Labo」、「Grass Valley EDIUS ユーザーグループ」を主催して、ATEMやEDIUSの布教に、日々勤しんでおるでよ。
黒田伴比古
報道・ドキュメンタリーエディターでありながら、放送機器に造詣が深く、放送局のシステム構築などにも携わるマルチプレーヤー。
石川幸宏
映像専門雑誌DVJ編集長を経て、リアルイベントを中心とした「DVJ BUZZ TV」編成局長として活躍中。
ヒラタモトヨシ
ファッションとテクノロジーを繋ぎイノヴェーションを生み出す事をライフワークとし、WEB/ライブメディア/高精細映像表現を追求。
須藤高宏
東京・国分寺市に於いて録音スタジオ「マイクロサウンド」を運営し各種録音編集に携わる傍ら最近では各種イベント配信音声を担当。
猪蔵
いつも腹ペコ。世の中の面白いことを常に探っている在野の雑誌編集者。
ベン マツナガ
未来シネマ/ディレクター。ハリウッドでの大型映像制作、短編時代劇の自主映画制作を経て、現在は、映像を通じて人と人をつなぐことをテーマに様々な映像制作に取り組んでいる
金田浩樹
映画・テレビの映像制作を中心に、USTやニコ生等、ライブメディア各分野を横断して活動中。ジャンルや固定概念にとらわれない構成力と発想に定評あり。
ViewingLab
未来の映像体験を考える有志の研究会。映画配給会社、映像作家、TV局員と会員は多岐に渡る
稲田出
映像専門雑誌編集者を経てPRONEWSに寄稿中。スチルカメラから動画までカメラと名のつくものであればなんでも乗りこなす。
山下香欧
米国ベンチャー企業のコンサルタントやフリーランスライターとして、業界出版雑誌に市場動向やイベントのレポートを投稿。
萩原正喜
米国コロラド州から、米国のデジタル放送事情からコロラドの日常まで多岐に渡るコラムをお届けします。
坪井昭久
映像ディレクター。代表作はDNP(大日本印刷)コンセプト映像、よしもとディレクターズ100など。3D映像のノンリニア編集講師などを勤める。
林永子
2005年よりサロンイベント「スナック永子」を開催。通称「永子ママ」
岡田智博
クリエイティブクラスター代表。メディアアートと先端デザインを用いたコンテンツ開発を手がけるスーパー裏方。
しらいあきひこ
カメラメーカー、ゲーム開発などの経験を持つ工学博士が最先端のVR技術を紹介。
秋山謙一
映像業界紙記者、CG雑誌デスクを経て、2001年からフリージャーナリストとして活動中。
今間俊博
アナログ時代の事例を通じ、教育関連の最新動向を探る。
伊藤裕美
オフィスH(あっしゅ)代表。下北沢トリウッドでアニメーション特集上映を毎年主催している。
UserReport
業界で話題の商品を実際に使ってみてどう感じたかを、各方面の様々な方々にレポートしていただきました。
System5 Labs
SYSTEM5スタッフが販売会社ならではの視点で執筆します。

トップ > コラム > 岡英史 > [岡英史のNewFinder]Vol.26 遂に1/3inchハンドヘルドの真打ち登場!JVC GY-HM650