撮影:山下 奈津子

はじめに

さて。今年も夏まっさかりのシーズンが到来である。サマー・バケーション・シーズンという事もあるので、先月に引き続き、この夏のとっておきテーマパーク情報をお届けする事にしよう。

本題のVFX情報からやや道がそれるが、ハリウッドのエンターテインメント最新情報として楽しんで頂ければ幸いである。6月15日、ディズニー・カリフォルニア・アドベンチャー・パークに新アトラクション『カーズランド』がオープンした。さて、この『カーズランド』だが、お、お、おおおおおおおおおおおお面白い!!!!(本当)。しかも、そのスケールのデカさは、ここロサンゼルスならではのものだ。という訳で、今回は、この新アトラクション『カーズランド』の魅力をレポートしたい。

ディズニー・カリフォルニア・アドベンチャー・パークとは

まず最初に、ディズニー・カリフォルニア・アドベンチャー・パークが何であるかを、まだご存知ない方に「さっくり」とご紹介しておこう。ロサンゼルスからフリーウェイを車でブッ飛ばす事約30分、カリフォルニア州アナハイムに、ディズニーランド・リゾートはある。

ここにはお馴染みのディズニーランドがあるが、その正門を挟んだ反対側にあるのが、2001年にオープンしたディズニー・カリフォルニア・アドベンチャー・パーク(Disney California Adventure Park)なのだ。エンターテインメントの中心であり、そして映像やテクノロジーの最先端を行くカリフォルニア州。その「カリフォルニア・ドリーム」をテーマに掲げ、多くの人々をカリフォルニアに誘った冒険心、ハリウッドの映画の街、そして雄大な自然美を惜しげもなくゲストに提供する、それが、このディズニー・カリフォルニア・アドベンチャー・パークのコンセプトである。ここに今回、新しくオープンしたのがカーズランドだ。

ゲートをぐくり、めざすはカーズランド

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さて。筆者はさっそくディズニー・カリフォルニア・アドベンチャー・パークを訪問してみた。ゲートをくぐると、新しくリニューアルされたエントランス・エリア、ブエナ・ビスタ・ストリートがある。ここは若き日のウォルト・ディズニーが過ごした1920-30年代のロサンゼルスの街が再現されており、昔懐かしいレッド・カー・トロリーの電車も走っている。また、ここではダンサー達による楽しいミュージカルも展開される。

ブエナ・ビスタ・ストリートを楽しんだ後は、一路、カーズランドへ。そこで目に飛び込んできたのは、映画『カーズ』の世界がそのまま、実物大で再現された光景であった。ルート66のサイン、あのコージー・コーン・モーテル、あの信号機、ライトニング・マックイーンが舗装したあの道路など、映画でお馴染みオーナメント・バレーにあるラジエーター・スプリングスの街が見事に再現され、目の前に広がっていたのは感動した。

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この”実物大”という表現は、決して大袈裟ではないように思う。なぜなら、このカーズランドは東京ドームの面積を凌ぐ48560平米という広大なスペースを有する。しかも、そこにあるのは、板に描かれた”ハリボテ”ではなく、リアルに建造された岩山や建物なのだ。

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一歩足を踏み入れた瞬間、その存在感とリアルさに圧倒されまくりの筆者であった。さて、カーズランドは3つのアトラクションによって構成されているが、筆者が試した順番に、これらのアトラクションをご紹介してみる事にしよう。

メーターのジャンクヤード・ジャンボリー
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ラジエーター・スプリングスで飼われているトラクター「ハイファー」が、メロディ7種類に合わせて、ゲストを乗せて引っ張りながら、スイング・ダンスをするアトラクション。映画の中でお馴染み、牛を髣髴させるトボけたトラクター「ハイファー」と楽しく遊べる。チビッコには一番楽しいアトラクションかも?

ルイジのフライング・タイヤ
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タイヤ・ショップを営むルイジが、新しいタイヤを試運転させてくれるという、楽しいアトラクション。ショップの入り口から入って並ぶ。ゲストが体を動かして重心を変えると、タイヤの動きがコントール可能。巨大なボールでビーチボールをしたり、他のタイヤにぶつけたり、実際に乗ってみると異様に盛り上がるアトラクションであった(笑)

ラジエーター・スプリングス・レーサー
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「カーズランド」の目玉とも言うべき、屋内外一体型のエネルギッシュな超お薦めアトラクション。まず、ゲストはそれぞれ個性的な「カーズ」の車を模したライドに乗り込む。車のサイズはほぼ実物大で、とても臨場感があった。車に乗って、まずは屋内セットをゆっくりと巡る。そこには、映画で見た世界がストーリーに沿って展開される。それをひとしきり楽しんだところで、いよいよ、待望のレースが始まる。太陽の下、屋外のサーキットを時速65kmのスピードでつっ走るレースは圧巻&大迫力だった。ちなみに、この日の待ち時間はなんと110分であった。

※このライドは身長制限(102cm以上)あり。お子様連れの方はご参考あれ。

 

本場のディズニーランドも是非

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ディズニー・カリフォルニア・アドベンチャー・パークを楽しんだら、せっかくなので、本場のディズニーランドも是非楽しんでみたい。特に夏のシーズンは、夜にフロンティア・ランドのアメリカ河で公演されるスペクタクル・ショー「ファンタズミック!」がお薦め。魔法使いの弟子となったミッキー・マウスが、水のスクリーンに投影される映像に合わせてディズニーファンタジーを創造していく、素晴らしいナイト・エンターテインメント。

また、リニューアルされたマッターホーン・ボブスレーも筆者イチオシのアトラクションである。ディズニーランドの中央に白く高くそびえるマッターホーンの山の中を、ボブスレー(ソリ)に乗って駆け巡るというコンセプトの、ジェットコースター・タイプのアトラクション。このマッターホーン・ボブスレーは、日本にはないアトラクションなので、アナハイムのディズニーランドを訪問された際には、是非ともトライして欲しい。

おわりに

筆者はほぼ1年ぶりにディズニーランド・リゾートを訪問したが、その楽しさは始めて訪問した10代の頃と何ら変わりはなかった。そして、今回新しくお目見えしたカーズランドの規模と迫力は、既存のテーマパークの常識を打ち破る、衝撃的なアトラクションであった。

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読者のみなさんも、是非ともロサンゼルスを訪問し、カーズランドの魅力を存分に堪能されてみては如何だろうか。もちろん、訪問前には映画「カーズ」のDVDで”予習”しておく事もお忘れずに。これから夏休みを取る方や、仕事に忙殺されて遅めの休みを取ろうかとお考えの方は、ディズニーランド・リゾートへ新アトラクション体験の旅に出てみる事をオススメしたい。

特にSIGGRAPH2012へ訪問予定の、そこのアナタ。この夏は、ディズニーランド・リゾートへGO!

ディズニーランド・リゾート公式サイト(日本語)
http://disneyland.jp

WRITER PROFILE

鍋潤太郎

鍋潤太郎

ロサンゼルス在住の映像ジャーナリスト。著書に「ハリウッドVFX業界就職の手引き」、「海外で働く日本人クリエイター」等がある。