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「相棒-劇場版Ⅱ-」お手軽データベースソフト Bento は、撮影監督の良き相棒!~撮影カット管理で映像品質もUP!~

2011-02-25 掲載

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「相棒-劇場版Ⅱ-」完成カットから。この傑作のワークフロー管理についての話は興味深い。©2010「相棒-劇場版Ⅱ-」パートナーズ

テレビ朝日・東映の制作による「相棒」と言えば、誰もが知っている警察ドラマだ。正義の警察が悪を裁くというありがちな設定でなく、主人公を、強すぎる正義感故に「特命係」事実上の首切り担当に左遷された脱線キャリア組として設定し、刑事ドラマとしてのエンターテインメント性も充分に保ちつつ、昨今社会問題化している警察や検察の官僚としての側面やその腐敗をリアルに描き上げた同作は、文句なしに面白い。単発ドラマから連続ドラマ、そして映画化と成長を遂げた傑作ドラマシリーズなのである。

現在劇場公開中の劇場版二作目「相棒-劇場版Ⅱ-」も、公開から三週連続動員ランキング一位を続けるなど、記録的大ヒットを成し遂げており、ファンの間からは、早くもDVD化を熱望する声も上がっている。製作技術プロダクション「アップサイド」現場を指揮し、この名作の撮影を成し遂げた。多忙な同氏が、いかにして本作に関わったのかと探る内、一つのキーワードが見えてきた。それが「ワークフローのデジタル管理」である。今回は、この、「相棒-劇場版Ⅱ-」の撮影におけるワークフロー管理と、そこで使用されたパーソナルデータベースソフト、ファイルメーカー社の「Bento」について、会田氏に直接お話を伺った。

撮影のデジタル化に取り残されたフィルム時代のワークフロー

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会田正裕氏はパーソナルデータベースソフト「Bento」を用いてこの作品の撮影カット管理を行った

ファイルメーカー社の「Bento」は、著名なデータベースソフト「FileMaker」の弟分のような個人向けデータベースソフトウェアである。その名の通り「お弁当」のように手軽にパーソナライズしやすく、バラエティに富んだ使い勝手の良さを売りにするMac向けソフトウェアだ。最近では、iPhoneやiPad向けの製品まで登場しており、その低価格とMac OSとの連動性の高さもあって、ちょっとした情報整理ソフトとして人気を集めている。そうした個人向けソフトウェアが、どういったいきさつで「相棒-劇場版Ⅱ-」の制作に用いられ、どのように活用されたのであろうか?

今回インタビューさせて頂いた「相棒-劇場版Ⅱ-」の撮影監督である会田正裕氏は、制作プロダクション「アップサイド」常務として、映画、ドラマ、特撮作品等々数々の作品を手がけ、多忙な日々を送っている。

会田氏の手がけるその撮影カットは、例えば今回の「相棒-劇場版Ⅱ-」のOKカットだけでも実に1000カット近い。実際の撮影数で言えばその数倍のカット数を管理する必要があるわけで、従来ながらのフィルムベースの手書きメモ管理では、記録するのも、その情報を利用するにしても、大変な労力を要していた。

しかし、昨今大規模ゲームやIT系開発で流行りのWEBアプリによる管理や本格的なアセットマネジメントソフトウェアなどは、導入に多大なコストを要する上に、インタフェイスが固定され、映像制作のようなグラフィカルな仕事には直感的に使いにくいという欠点があり、ハードルが高いと感じられていたという。

大体一つの映画で500から1000カットあるんですよ。全カット記録を取るとなると、紙ベースだとどうしても難しいのです。コンピュータ管理の有用性はわかっていたのですが、でも、PCベースだとどうしても撮影現場には持ち込みにくいんです

確かに、多忙な現場で、いちいちデータ管理のためだけにPCを立ち上げ直して入力をしている余裕はない。今までも表計算ソフトなどを使って、助手にデータ入力をさせるなどして試みていたというが、いかんせん、表計算ソフトではインタフェイスが取っつきにくく、印刷出力もただの表になってしまうため、結局現場で使うのは紙ベースになってしまっていた。確かに、無機質な表計算ソフトと映像との相性は極めて悪い。かといって、本格的なデータベースソフトで作品ごとにデータベースを組むのは手間もコストもかかりすぎるし、出入りの激しい撮影現場では、他のスタッフとの連携にも問題がある。

ところが、Webでたまたま興味を持った「Bento」は、インタフェイスが直感的で、操作画面の見た目そのままの印刷出力が出来る点が会田氏の興味を引いたという。

で、ファイルメーカーというソフトの名前は良く知っていたし、それと似ていてMacならいけるだろという事で、買っちゃったわけですよ。安かったし、駄目でもいいやって感じで。そしたら、説明書もほとんど入ってないのかな?とにかく、何にも勉強しないまんま、いきなり使えたんですよ、テンプレートが。直感的に即使えたんです

そこで会田氏は、表計算ソフトと手書きメモで記録されていた過去の作品を、試しにこの「Bento」に入力してみた。すると、検索は非常に楽だし、項目を増やすのも直感的だということにすぐに気がついたという。その後、個人の各種のID番号管理や日記にも使ってみたが「これは本格的に使える」という実感を持って、今回、本格的に導入してみた、と言う。

現場の撮影データは今までもApple社のMacintoshで収録管理を行っていたため、「相棒-劇場版Ⅱ-」に「Bento」を導入する際にも、非常にスムーズにいったという。今回の作品「相棒-劇場版Ⅱ-」は、実は、全カットファイルベースで撮影されたフルデジタル作品で、パナソニックP2の「VARICAM3700」をメインカメラにし、そこからHD-SDI経由で「KiPro」に収録してAppleの「ProRes422」形式で収録を行っている。そのため「Bento」が、撮影作業自体にも使っている機材であるAppleのMacベースで動くのは、好都合だったようだ。まさに、ファイルベース時代だからこその「Bento」によるワークフロー管理という選択だったと言える。

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WRITER PROFILE

手塚一佳 CGムービー制作、ネットワークゲーム制作を得意とするデジタルデザイン会社アイラ・ラボラトリの代表取締役。


[ Writer : 手塚一佳 ]
[ DATE : 2011-02-25 ]
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