[What's UP HD!]Vol.04 AfterEffects使いのREDワークフローとは?
2010-02-26 掲載
皆様、ご無沙汰しております。高野です。日々至高の映像を求め試行錯誤。毎日を映像と格闘しています。今回紹介するのは、Adobe ツールを使ったRED ワークフローについてです。DTV上でのRED ワークフローといえばFinal Cut Pro というのが一般的認識じゃないでしょうか?もちろん、ボクもその内の一人でした。最近では、各社アプリケーションのRED ネイティブ対応など汎用性が広がっています。Adobe 社のPremiere(以下Pr)、After Effects(以下AE)もRED の収録データR3D を直接読み込めるのです。しかも現像のパラメータを編集中にPr/AE 内で変更可能なのです。AE で完パケまで持って行きたいユーザーには非常に魅力的なワークフローといえます。今回はAE 使いには便利なPr を使ったワークフローのご紹介です!
リアルタイム再生のよろこび (Premiere 編)
R3D を直接読み込むってコトは、最大4Kの非常に大きなファイルを扱うコトになり、「PC上でリアルタイム編集が出来ないのでは無いか?」と思われるかもしれません。しかしPr は、そんな不安を解消してくれます。Pr には、PCスペックに合わせてR3D の解像度を変更する機能があり、ネイティブ素材のリアルタイム編集を可能にしています。ちなみに1/16 の解像度にすれば、ノートパソコンで4K のR3D をリアルタイム再生出来ました。
モニタ上で右クリックすると解像度の設定が可。素材確認のソースモニタとシーケンスのプログラムモニタの両方で解像度をそれぞれ設定
ソース設定で行う現像処理
ご存じの通り、RED はRAW で収録しています。つまり現像処理を行えるので、ルックが色々作れるのです。Adobe ツールの面白いところは、それを編集中に変更可能にしたコトです。やはりオフライン編集とはいえ、最終的な色の雰囲気が見れないと、編集し難いですよね。そこでソース設定を選択すれば、目的の色に変更可能なのです。
Kelvin(色温度)が5600 ですが、これを上げると夕方っぽくなる訳です。他にもISO やブライトネス、コントラストといった基本的なパラメータが並んでいます。Pr でオフライン編集後は、ダイナミックリンク、もしくはコピー&ペースト等の機能で、編集データをAEに直接持って行くことが出来ます。
直接読み込めるよろこび!After Effects 編
もちろんAE もR3Dを直接読み込めます。AE でR3D を直接読み込むメリットは、QT 変換やトランスコードが無いので、劣化なく最終工程に入れるコトです。それはAE 内でコンポジット作業の途中でさえ、カラコレを元データから変更できるというコトなのです。例えば、合成しやすく背景のブルーやグリーンを色補正することも出来ます。つまりマスク用のカラコレが可能なので、合成の品質が格段に上がります。これはRAW で撮影しているRED だから出来る技ですね。
最初の注意点は、カラースペースとなります。RED では2 K以上はRGBで撮影されています。ですからAE 側で調整が必要です。フッテージ変換を使って、カラーマネジメントタブでRGB 保持のチェックを入れます。
ファイル>フッテージ変換>メイン
これで、白っちゃけた映像が元に戻ります。
フッテージ変換で行う現像処理も可能です。AE で現像のパラメータを表示するには、フッテージ変換ウインドウの「詳細オプション」をクリックします。Pr と同じ現像パラメータのウインドウが開きます。各パラメータを、編集中にいつでも変更可能なのもうれしいところ。
ツールの進化はクリエイターを育てる!
まず、Adobe ツールのみでのRED ワークフロー実現は、Windows ユーザーにとっては非常に良い話です。またRED ワークフローはFCP という印象が濃いのは、Apple Color の存在が大きいと思います。RAW データで撮影するからにはルックにこだわるユーザーがRED を使用しているわけですから、Adobe 社がこれからRED層を取り込むには、現像パラメータウインドウをもっと使いやすく進化させるコトが必須になると思います。
ネイティブで直接撮影データを扱えるのは、魅力的ですが、「カラコレしやすいか?」というと、そうでもありません。4K もあるサイズのカラコレに対して、現状では現像画面が小さ過ぎるし、外部モニタに出力が出来ない。こういった問題に今後対処するには、Apple Color に負けないしっかりした現像アプリケーションを新規に開発するとか、REDCINE やREDAlert などの色補正データを読み込めるようにするといった対応が必要になると思います。
このように、Adobe とApple の両方のツールで、個別にワークフローを組めることは歓迎します。やはり良い意味で競い合って、ツールが進化すれば、使うクリエイターも幸せになるのです。
※Premiere やAfter Effects でR3D を読み込むには、RED 社のHP から「RED ADOBE CS4 INSTALLER」をダウンロードし、インストールする必要があります。
[ Writer : 高野光太郎 ]
[ DATE : 2010-02-26 ]
[ TAG : After Effects Premiere Pro RED DIGITAL CINEMA What's UP HD! ]
関連のコラム一覧
|
|
[EPIC in Japan]西華産業が開催RED Digital Cinemaの未来!EPIC降臨リリース直前のEPIC実機を日本初公開 RED Digital Cinema社(RED社)のアジア環太平洋地域の総代理店を務める西華産業は11月18日、千葉・幕張のアパホテル&リゾ .... 続きを読む |
|
|
[Switch to CS5]Vol.02 Final Cut Proのユーザーから見たPremiere Pro CS5の魅力txt:奥本宏幸 CS5と驚きの出会い... 私は長年の間テレビ局で番組制作をしていた。テレビの現場は、未だワークフローがHDCAMにおける収録・編集といったリニアであるが、ノン .... 続きを読む |
|
|
[Switch to CS5]Vol.01 Mac映像編集ワークフローは、64bitで行こう!txt:松原雅人 CS5にスイッチする理由!? Adobeが10月から衝撃的なキャンペーンをスタートした。11月19日まで行われる「CS5 Production Premium " .... 続きを読む |
|
|
[Cutting Edge]Vol.08 AVCCAMとPremiere Proで快適ネイティブ編集を実現アドビ システムズが2009年10月23日に赤坂ブリッツで開催したAfter Effects Night Vol.03。その参加者のなかからパナソニックAVCCAM AG-HMC1 .... 続きを読む |
|
|
[Cutting Edge]Vol.07 ドラマ『不毛地帯』でAdobeソリューションを活用タイトルバック内 素材画像 (C)フジテレビジョン フジテレビ開局50周年記念連続ドラマとして、2009年10月からフジテレビ系全国ネットで2クール連続放送中の『不毛地帯』(木曜2 .... 続きを読む |
- [RED ユーザーフェスティバルレポート]今そこにあるREDソリューション (2009-12-27)
- [What's UP HD!]Vol.03 映像革命は、ビデオではなくデジタル一眼カメラから始まる (2009-10-09)
- [DVJ BUZZ TV]Vol.06 デジタル一眼ムービー市場と変貌するポストプロダクション (2009-09-18)
- [What's UP HD!]Vol.02 非圧縮時代の君とボク ~DTV遍歴 後半編~ (2009-09-01)
- [RED]Vol.01 RED Rocket が制作を加速させる! (2009-08-18)
- [What's UP HD!]Vol.01 HD夜明け前の時代から~ (2009-07-24)
最新のコラム一覧
- [raitank fountain]Vol.03 EOS C300インプレッション番外編〜"普段使い"のC300 (2012-02-03)
- [コロラド紀行]Vol.69 アメリカの郵便制度の台所事情 (2012-02-03)
- [DigitalGang!]Shoot.01 GoPro HD HERO2に思いを馳せる! (2012-02-01)
- [Do it]今求められるDIT(デジタル・イメージング・テクニシャン)とは? (2012-01-25)
- [岡英史のNewFinder]Vol.17 街のビデオ屋的3D制作2 ~JVCケンウッドのGY-HMZ1に注目! (2012-01-24)
関連のニュース記事
- 西華産業、RED Digital Cinema社のプライベートセミナーを開催 (2011-11-09)
- システム計画研究所、Premiere Pro/After Effects用の偽色除去プラグインとHDR風エフェクトプラグインを発売 (2011-06-08)
- システム計画研究所、Premiere Pro/After Effects用立体視字幕作成プラグインを発売 (2011-04-19)
- AJAのKi Pro MiniがRED EPICのProResソリューション推奨製品に認定 (2011-04-15)
- アドビ、Adobe Creative Suite 5.5 Production Premiumを発表 (2011-04-11)
- Adobe CS5 Production Premium "Switch!"キャンペーンに対象製品が追加されて再開 (2010-12-06)
- 西華産業、SEIKAプライベートセミナーと常設展示の詳細を発表 (2010-11-16)
- 新センサー搭載RED ONEカメラで撮影の映画作品をフィルムレスに近いDI環境で制作 (2010-10-15)
- Adobe Premiere Pro CS5、JVC ProHDカムコーダ収録フォーマットに対応 (2010-09-13)
- ミューズテクス、RED ONEデータ対応の可搬型DIT システム「DITto」の発売を開始 (2010-07-02)
WRITER PROFILE
高野光太郎
(たかのこうたろう)
映像クリエイター。フリーランスにてミュージックビデオ、番組オープニングタイトル、CM、劇場映画、全てをデスクトップで制作。
著書に「After Effects+HDの基礎」がある。
高野光太郎 のコラム一覧
Writer
|
編集部(99) PRONEWS編集部による新製品レビューやイベントレポートです。 |
|
稲田出(27) 映像専門雑誌編集者を経てPRONEWSに寄稿中。スチールカメラから動画までカメラと名のつくものであればなんでも乗りこなす。 |
|
石川幸宏(35) 映像専門雑誌DVJ編集長を経て、リアルイベントを中心とした「DVJ BUZZ TV」編成局長として活躍中。 |
|
小寺信良(23) 業界で噂の新製品を、AV WatchやITmediaのコラムでもおなじみの小寺信良氏がレポートする動画連載。 |
|
raitank(5) あまたの海外ソースを読み漁ってHDSLRを独学。海外から仕入れた情報を日本語で発信するグラフィックデザイナー/アートディレクター。 |
|
ふるいちやすし(44) 自身で脚本、監督、撮影から編集、音楽までもこなすマルチプレーヤー。 |
|
岡英史(19) バイクレース及びF3レース参戦など、映像とはかけ離れた経歴を持つ異色ビデオカメラマン |
|
手塚一佳(44) CGムービー制作、ネットワークゲーム制作を得意とするデジタルデザイン会社アイラ・ラボラトリの代表取締役。 |
|
江夏由洋(13) 兄弟で株式会社マリモレコーズを設立し、ノンリニアにおける映像技術、映像制作を中心に、最新技術を取り入れたワークフローを提案している。 |
|
山本久之(26) 映像エンジニア。フリーランスで映像設備のシステムインテグレーションと、ノンリニア編集に携わる。 |
|
林永子(26) 2005年よりサロンイベント「スナック永子」を開催。通称「永子ママ」 |
|
鍋潤太郎(18) ロサンゼルスを拠点とするVFXジャーナリスト。 |
|
高野光太郎(4) 映像クリエイター。フリーランスにてミュージックビデオ、番組オープニングタイトル、CM、劇場映画、全てをデスクトップで制作。 |
|
安藤幸央(9) 無類のデジタルガジェット好きである筆者が、SIGGRAPH ASIAやCESなど海外の注目イベントを紹介。 |
|
猪蔵(5) いつも腹ペコ。世の中の面白いことを常に探っている在野の雑誌編集者。 |
|
山下香欧(8) 米国ベンチャー企業のコンサルタントやフリーランスライターとして、業界出版雑誌に市場動向やイベントのレポートを投稿。 |
|
ヒマナイヌ(5) 頓知を駆使した創造企業 |
|
坪井昭久(5) 映像ディレクター。代表作はDNP(大日本印刷)コンセプト映像、よしもとディレクターズ100など。3D映像のノンリニア編集講師などを勤める。 |
|
萩原正喜(69) 米国コロラド州から、米国のデジタル放送事情からコロラドの日常まで多岐に渡るコラムをお届けします。 |
|
岡田智博(7) クリエイティブクラスター代表。メディアアートと先端デザインを用いたコンテンツ開発を手がけるスーパー裏方。 |
|
江口靖二(5) デジタルサイネージコンソーシアム常務理事、慶應義塾大学DMC機構研究員などを兼務。 |
|
しらいあきひこ(2) カメラメーカー、ゲーム開発などの経験を持つ工学博士が最先端のVR技術を紹介。 |
|
今間俊博(5) 尚美学園大学 芸術情報学部 情報表現学科 教授。アナログ時代の事例を通じ、教育関連の最新動向を探る。 |
|
伊藤裕美(5) オフィスH(あっしゅ)代表。下北沢トリウッドでアニメーション特集上映を毎年主催している。 |
|
秋山謙一(17) PRONEWS記者。映像業界紙記者、CG雑誌デスクを経て、2001年からフリージャーナリストとして活動中。 |
|
UserReport(10) 業界で話題の商品を実際に使ってみてどう感じたかを、各方面の様々な方々にレポートしていただきました。 |
|
System5 Labs(8) SYSTEM5スタッフが販売会社ならではの視点で執筆します。 |
