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[OnGoing Re:View]番外編Vol.02 PMW-300をより良く使う周辺機器のススメ 後編

2014-03-31 掲載

PMW-300は、なんといってもレンズ交換が可能な点が大きな特長だ。レンズマウントアダプターを使用することにより2/3インチレンズ資産も有効に活用することが出来る。特にステージ物の収録の場合、もう一寄り欲しいという経験をお持ちの方も多いのではないだろうか。その様な現場でも、2/3インチレンズを使用する事で明るさを犠牲にすることなく比較的簡単に長焦点映像を撮れるようになる。とはいえ、J20クラスにもなるとレンズだけでも2キロ近いのでハンドヘルド運用は至難の技。そこでPMW-300用のショルダーアダプターの出番だ。

前回の記事では、ソニーのXDCAMメモリーカムコーダーPMW-300にベストマッチな撮影アイテムとして、PROTECHとTILTAのショルダーアダプター2機種をご紹介した。今回はこれらを実際の撮影現場に持ちだして使ってみる機会を得たので、現場における使用感などをお伝えしたい。

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PMW-300専用設計がうれしい PROTECH ST-7S300

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PROTECHのショルダーアダプター ST-7S300は、何といってもハンドヘルドカメラであるPMW-300をENGカメラに大変身させられることが最大のメリットだ。撮影現場では定番のアタッチメント「VCT-U14」(フネ)を雲台に取り付けているが、これにPMW-300をクイックかつ確実に脱着できることはたいへん安心感があり重宝した。

一つの現場でカメラの台数が少なく、担いだり、三脚に載せたりとめまぐるしく撮影スタイルが変化するような現場では、やはりワンタッチで三脚に載せたり下ろせたりするシステムが非常に重要だ。もちろん、通常のENGカメラであれば標準でこの様なシステムに対応しているが、ハンドヘルドカメラの場合はスチルカメラと同様の1/4インチネジによる三脚への搭載が一般的である。その場合は三脚のスライドプレートやワンタッチシューを使用することがあるが、三脚のスライドプレートに直接カメラを着けた場合、急なハンディ運用の時などはスライドプレートごと外す必要があり、再び三脚に戻す時に前後バランスが崩れてしまう場合がある。やはりこれらの問題をスマートに解決するなら、VCT-U14の様な雲台アタッチメントを使うのがベストだ。

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ST-7S300のショルダーアダプターをつけたまま雲台アタッチメントVCT-U14に脱着可能なので、現場での時間短縮につながるのが何よりも便利だ

PMW-300の場合、一般的なスライドアダプターに対して1/4インチネジ2本により固定できるが、レンズ交換が可能なので、場合によっては2/3インチのズーム倍率の高いレンズやショートズームを取り付けることもある。標準レンズではバランス的に問題なくても、レンズ交換によって途端に重心がレンズ側(前重)に行ってしまう。その様な場合、スライドプレートのままだと調整範囲を超えてしまう可能性があるが、ショルダーアダプターと雲台アタッチメントの組み合わせなら、脱着のしやすさだけでなく、三脚搭載時のベストバランスも約束してくれる。

また、ショルダーアダプターを使用することで総重量が重くなり、ENG用の三脚でも安定したバランスを保って使用できた。ENG用の三脚を多く利用する私にとっては、あえてハンドヘルドカメラ用の三脚を使用する必要がないことがメリットだ。

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ST-7S300からモニターへ電源供給して画を確認。大容量のVマウントバッテリーをカメラとモニターで共有している

また、ショルダーアダプターと合体させることで、大容量のVマウントリチウムイオンバッテリーが使えるようになるため、長時間収録が出来るようになることも大きな魅力だ。PMW-300の標準バッテリーであるBP-U60の場合の容量は約56Whだが、VマウントタイプのBP-GL95Aなら約98Wh。およそ2倍の連続稼働が行えるため、電源供給に神経を使うことの多いロケ現場では安心感が飛躍的に向上する。ST-7S300のサイドパネルには、ライト、モニターなどの電源供給が可能なDC出力用カムタップ端子やXLR端子も装備されているので、カメラ本体だけでなく様々な周辺機器への電源供給が行え、わざわざACを用意する必要もなく、どこでも使用することができたので現場で重宝した。

今回は一般的なBP-GL95バッテリーを利用したが、たとえばIDX社のDUOバッテリーシリーズのような大容量Vマウントバッテリーも検討したい。肩載せ運用時、容量の大きなVマウントバッテリーを使うと後方に重心が移動し、腕への負担が軽減されるからだ。ウェイト代わりに大型のVマウントバッテリーを搭載することで、バランスの向上と長時間駆動の両方を実現することができる。

基本的にハンドヘルドカメラといえども、できることなら三脚に載せて安定した絵を撮る、という事が画作りにおいてとても重要なことだが、三脚をあえて使わない現場も多いだろう。とにかく撮影現場は忙しいのが基本。バッテリーチェンジの手間も、三脚からの取り外しも、できるだけ最小限に抑えたい。PMW-300単体で使用するよりもST-7S300を併用するという選択が、PMW-300をフル活用する上で非常に有効だ。

PMW-300以外にも使える汎用性の高さが魅力 TILTA BS-T03

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OGRV_extra_vol02_11.jpgRedrock Micro社製バランスウエイト

もうひとつのショルダーアダプターが、TILTAのBS-T03。前述のST-7S300はPMW-300専用設計を謳ったショルダーアダプターだが、BS-T03はPMW-300に限らず、DSLR系の小型カメラからPMW-F55/F5などの大型カメラでも使用することが出来る、汎用性の高さがポイントだ。付属のサポートロッドに別売りのVマウントバッテリープレートやバランスウエイトなど搭載し、重心位置を後方に持ってくることが出来るので、すでにリグなどを運用しているユーザーにとっては手持ちのロッド用ガジェットを取り付ける事ができるので、実にワクワクするショルダーアダプターだ。


OGRV_extra_vol02_16-TILTA.jpg BS-T03の後方にVマウントバッテリープレートをつけることで安定したバランスで撮影が行えた

なお、BS-T03の場合は様々なカメラで使えるその汎用性の高さからか、PMW-300搭載時においてはカメラ搭載位置が若干高くなり、担いだ時にビューファインダーと目の位置関係が変わってしまう点は若干注意が必要だ。PMW-300自体に搭載されているビューファーステーはかなり自由度がありビューファインダーを色々な位置に合わせることが出来るし、BS-T30の場合カメラ取り付け位置を前後にスライドさせることが出来るので、体型に合ったポジションを探ることも出来るだろう。

OGRV_extra_vol02_07.jpg ST-7S300とBS-T03は、基底部からカメラを搭載する部分までの高さが異なる。担いだ時の違いは、ショルダーパッドの位置と取り付け位置の前後バランス。またカメラを取り付ける部分までの高さなどの違いにより撮影時のポジションに違いが出ることだろう。PMW-300以外にも、ショルダー運用をしたいハンドヘルドカメラを所有している場合に検討したい一台だ

また、ロッドにハンドルを装着することもできるなど、様々なオプションを組み合わせられるのは面白い。本来はDSLRやシネレンズを使用する際、ロッドの前方にマットボックスやフォーカスコントロール、後方にレコーダーを装着する。

OGRV_extra_vol02_15b.jpg PMW-300を使用する際は普通装着しないが、ロッドに他社製ハンドルを組み合わせた例。PMW-F55などを使用する際はハンドルを装着すると使い勝手が向上する

2種のショルダーアダプターを使用してみて

PMW-300はハンドヘルドカメラに近いボディサイズでありながら、レンズ交換にも対応しており、ある時は三脚乗せで、時にはハンドヘルドで、とシチュエーションに合わせて様々なスタイルで運用できる点が市場で評価されている。さらに画質についても、PMW-200で定評のある高画質に加え、ノイズ性能を向上させているのだから、文句が出るはずもない。

唯一、マルチ運用性を確保したことによるトレードオフ要素として「長時間のハンドヘルド運用時は、ちょっと重い」というところが懸念材料だったがそれらの部分を補完する目的として、今回紹介したショルダーアダプターは有用だ。短時間のハンドヘルドならそのまま、長時間になる場合はショルダーアダプターを装着して…とPMW-300をオールマイティーに活用するためにはぜひこれらのサードパーティ製品を利用して欲しい。


WRITER PROFILE

猿田守一 企業用ビデオ、CM、ブライダル、各種ステージ記録など撮影から編集まで地域に根ざした映像制作活動やCATV局などへの技術協力なども行っている。


[ Writer : 猿田守一 ]
[ DATE : 2014-03-31 ]
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