[スナック永子の勝手にMonthly Video Awards!]Vol.07 2010年の抱負と今後のミュージックビデオ!
2009-12-29 掲載
もういくつ寝ればお正月。忘年会と大掃除のはざまで、ブックオフへと送りつける古本をつめこんだ段ボールの上で原稿を書いております、永子ママでございます!あれ?先月まとめしたんじゃないかって?そうよ!あれは2009年の総括ね。今回は、根本的なミュージックビデオのことについて考えてみたいのよね。
MV、みんな見てる?
さて、2009年によく聞いた話。それは「ネットユーザーはMVを見ない」。正確には、作品を最後まで見終えることが出来ない人が急増加しているんだとか。これには、単純に作品が面白くないから、という致命的な理由だけでなく、インターネットに慣れた世代ならではの事情が影響を与えていると思われます。
1つは、スピード感。5分の映像を見ることさえ耐えられない。自分の知りたい情報を自分のタイミングで検索できるネットのスピードに慣れている世代にとっては、PC画面にある情報は常に自らの意志で流動させるものなんですね。だから、5分であってもじっと映像を眺めることが我慢ならない。好きなMVもチラ見はするけれど、全編見られない。待てない子、続出。
テレビではますます見ない。そもそもネットユーザーは、一方的に情報を発信するテレビにストレスを感じるからこそ、操作できるネットを重宝した訳で、そんな彼らにいわせると「5分でも、一方的に映像を見せつけられるということは、テレビと同じ状況じゃないですか」。なるほど! 操作権はメディアにあらず、ユーザーにあるというプライドが最後まで鑑賞する根気の邪魔をするのね。
また、ネットユーザーの多くは、「ネットで流すMVの正解は、再生と同時にテロップを書き込めるニコニコ動画」と声を揃える。作品を鑑賞するより、書き込み作業を共有するコミュニケーションが楽しいそうだ。
そんな彼らだが、それでも思わず You Tubeで見入ってしまったMVとして、これまた口を揃えた作品が、先月、今年のベストビデオに選ばせて頂いたSOUR「日々の音色」。
■SOUR「日々の音色」Zealot / NEUTRAL NINE RECORDS <世界各国のSOURファンが1つの画面上に集う様子はネットコミュニケーションそのものを体現。そのコミュニケーション能力が、今までのMVにはなかったシンパシーをネット世代に与えた様子。あえてドキュメンタリータッチで演出した点も「ゆるさが良い」。「がんばれ」がタブーな現代、微細に入るまで作り込んだ力作より、ゆるい感覚を巧みに演出する方が時代感ありです。
私自身、かなりネットユーザーの意見にシンパシーを覚えます。でも、たまに、偶然つけた音楽専門チャンネルで素敵なジングルに出会ったりすると、嬉しいんだよね。例えば、もう3年前になりますでしょうか、古いですが、 SPACE SHOWER TVの秀作ジングル。
■Space Shower TV Station ID 「we love music, we love peace」丹下紘希監督の素晴らしい作品です。こういうメッセージ性の強い作品に出会えると興奮します。
■Space Shower TV Station ID 「Goddess of music」 http://www.stoicsenseproduct.com/?id=70こちらは東弘明監督のエネルギッシュな作品。なかなか検索には引っかからない作品の中にも、素敵はいっぱい。
最後に、2010年は、2009年以上に、映像以外のクリエイターがどんどん映像に着手することと予想されます。映像が、様々なジャンル、世代の作り手のトライアルを包容できる手段になったことを喜び、画家のイワサキユキコが自作の絵画をアニメーション化した作品を今年の〆に掲載したいと思います。
■イワサキユキコ RUTH2010年はいろいろなジャンル、世代の映像作品に出会えますように!
そしてママは、そんな素敵なクリエイターたちをまだ見ぬ領域の人々と手を握り面白いことをしたいと思っています。興味のある方はぜひ声をかけてね!
ではみなさまよいお年を!
[ Writer : 林永子 ]
[ DATE : 2009-12-29 ]
[ TAG : スナック永子の勝手にMonthly Video Awards! ]
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林永子
(はやし・ながこ)
日本で唯一の映像ライター(連載:月刊「コマーシャル・フォト」 等)。日本の映像作家を世界に紹介するサイト「Tokyo Video Magazine VIS」編集長。2005年よりサロンイベント「スナック永子」を開催。通称「永子ママ」。講義、講演、モデレーター、司会、美術館等でのMV上映イベントプロデュースなど、その活動は多岐に渡る。
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