[スナック永子の勝手にMonthly Video Awards!]Vol.10 素敵な存在スタイリスト 北澤"momo"寿志の魅力

HOME  >  COLUMN  >  林永子  >  [スナック永子の勝手にMonthly Video Awards!]Vol.10 素敵な存在スタイリスト 北澤"momo"寿志の魅力

Column

[スナック永子の勝手にMonthly Video Awards!]Vol.10 素敵な存在スタイリスト 北澤"momo"寿志の魅力

2010-03-26 掲載

[スナック永子の勝手にMonthly Video Awards!]Vol.10 素敵な存在スタイリスト 北澤

桜、咲いちゃってますねー。いやあ、春です。あ、どうも、永子ママです。さて、みなさんは、スタイリストという職業について、どのような職種を思い浮かべますか。監督やミュージシャンからオーダーされた衣装をリースしてくる人? 撮影中に衣装の皺をのばしたり、裾をあげたりする人? そういう人もいらっしゃいますが、プロ中のプロは、違います。演出意図、美術、背景、カメラワークなど、現場で行われるすべての工程との兼ね合いを鑑みた上で、被写体を活かすスタイリングを行うのが、プロのスタイリストの仕事です。

さて、今回は、そのスタイリストという職種の垣根を大きく越え、MV全体のイメージやビジュアルの方向性などをトータルプロデュースする、北澤"momo"寿志さんを紹介いたします。北澤さんは、スチールからムービーまで幅広く手がけるベテランスタイリストさんですが、ミュージシャンを愛し、愛されているため、音楽もののトータルビジュアルプロデュースを任される機会が多々ある方です。最近でいえば、サカナクション。「ネイティブダンサー」以降、彼らのMVのトータルイメージをプロデュースされています。

サカナクション「ネイティブダンサー」Victor Entertainment

とにもかくにも、シンプル イズ ベスト。ビートに同期するスニーカーの動きのクールさにはママ失神寸前! 監督はスペースシャワーTVのMVAで3年連続BEST DIRECTOR賞を獲得した児玉裕一。ダンサーの足さばきはもちろんのこと、スニーカーの蛍光色、蛍光色を艶かしく演出するグロッシーなブラックの背景、控えめながら効果的に弾ける火花のようなCGの組みあせ方が絶妙。何時間でも、何日でも見ていられる快楽MV。

サカナクション「アルクアラウンド」Victor Entertainment

歌詞を立体物に置き換え、配置した導線をボーカルの山口氏が歌いながら歩く。ただ文字をくり抜いた紙やパネルを羅列するだけでなく、部首を解体した漢字を建て込み、カメラが近寄らなければ読み取れないといった工夫を凝らしている。監督はPerfumeのCDジャケットやMVでお馴染みの関和亮氏。

サカナクション「目が明く藍色」Victor Entertainment

楽曲の情緒を断片的に切り取る、ポエトリーなコマ撮り作品を披露してくれたのは、オリジナリティー溢れる幻想的な世界観を持つ島田大介監督。積み木やカトラリーなど、一見突拍子もないものが出現したかのように見えるが、歌詞に耳を澄ますとすべてはリンクする。途中、転調する際に登場する光の点滅のシーンは必見。大胆かつ繊細とは、まさにこの作品のための表現だと、ママは思う!

これら、MVのイメージや方向性、映像全体のアート・ディレクションを、北澤さんは行っています。おそらく今後は、北澤さんのように、ファッションや美術やカメラなど、得意な武器を掲げてクリエイティブ表現全体をトータライズするクリエイターがどんどん増えていくと思います。戦国時代です。今まで、なんとなく「やれちゃってた」ディレクターのみなさん、ふんどし引き締めて真面目に仕事してくださいね。

最後に、TOKYO FM「SCHOOL OF LOCK!」の企画した、サカナクション「アルクPVプロジェクト」をご覧下さい。リスナーから送られて来た「アルク」動画をつなげたこの映像。手法自体に新鮮味はありませんが、出演者の顔が非常にハッピーで微笑ましい。今や携帯電話やデジカメでの動画撮影を一般の若い子が気軽に楽しんでいますね。映像は見て楽しむコンテンツから、参加して楽しむインタラクティブな遊戯へ。そんな時代性を体現しているプロジェクトです。

サカナクション「アルクPVプロジェクト」


[ Writer : 林永子 ]
[ DATE : 2010-03-26 ]
[ TAG : スナック永子の勝手にMonthly Video Awards! ]

関連のコラム一覧

[スナック永子の勝手にMonthly Video Awards!]Vol.26 2011年の映像シーンはInteractive and Primitive

[スナック永子の勝手にMonthly Video Awards!]Vol.26 2011年の映像シーンはInteractive and Primitive

あっという間に12月! もういくつ寝るとお正月! 1年を締めくくる時節に乗じて2011年を振り返ってみれば最低最凶! 12月もとっとと終われ! 厄災への愚痴はさておき、今年の映像シ .... 続きを読む

[スナック永子の勝手にMonthly Video Awards!]Vol.25 日本最高峰のクリエティブオフィス、キャビアの新しい仲間たち

[スナック永子の勝手にMonthly Video Awards!]Vol.25 日本最高峰のクリエティブオフィス、キャビアの新しい仲間たち

日本の広告映像界を牽引する映像作家集団とは? 高級食材キャビアの最高峰ブランドといえば、ロシア産ベルーガ。パンに「ええっ!」っと驚く量のベルーガを乗せてコップにがっつり注いだウォト .... 続きを読む

[スナック永子の勝手にMonthly Video Awards!]Vol.24 祝・スナック永子6周年で垣間みる映像の未来

[スナック永子の勝手にMonthly Video Awards!]Vol.24 祝・スナック永子6周年で垣間みる映像の未来

スナック永子がついに6周年を迎えました!感謝感激!今回はAR三兄弟の全面協力のもと、「こんな人と仕事がしたい」「こんなクリエイターを探している」「結婚したい」「恋がしたい」「融資し .... 続きを読む

[スナック永子の勝手にMonthly Video Awards!]Vol.23 重鎮リプチンスキーへのオマージュを味わえ!

[スナック永子の勝手にMonthly Video Awards!]Vol.23 重鎮リプチンスキーへのオマージュを味わえ!

夏休み真っただ中、相も変わらず家でだらだらビール飲みながら読書、筋トレ、映像鑑賞に励む独身界の最優秀残念賞こと、ママ永子だよ!おっはよー!という訳で、今月もお気に入り映像をまとめて .... 続きを読む

[スナック永子の勝手にMonthly Video Awards!]Vol.22 カンヌ国際広告祭で映像の今を知る!

[スナック永子の勝手にMonthly Video Awards!]Vol.22 カンヌ国際広告祭で映像の今を知る!

カンヌ国際広告祭を一気見! 毎年この時期になると、カンヌ国際広告祭にて日本の作品が受賞したというニュースを耳にします、家で。日頃より素晴らしい映像作品を心を込めて制作している制作者 .... 続きを読む

[スナック永子の勝手にMonthly Video Awards!]Vol.21 分割映像ムーブメント検証

[スナック永子の勝手にMonthly Video Awards!]Vol.21 分割映像ムーブメント検証

前回、このコラムでGoogle『Chrome Music Mixer』を使用したsalyu×salyu「ただのともだち」MVを紹介しましたが、ここのところ2、3年、分割画面を用いた .... 続きを読む

関連のニュース記事

WRITER PROFILE

林永子 (はやし・ながこ)
日本で唯一の映像ライター(連載:月刊「コマーシャル・フォト」 等)。日本の映像作家を世界に紹介するサイト「Tokyo Video Magazine VIS」編集長。2005年よりサロンイベント「スナック永子」を開催。通称「永子ママ」。講義、講演、モデレーター、司会、美術館等でのMV上映イベントプロデュースなど、その活動は多岐に渡る。


Writer

編集部(99)
PRONEWS編集部による新製品レビューやイベントレポートです。
稲田出(27)
映像専門雑誌編集者を経てPRONEWSに寄稿中。スチールカメラから動画までカメラと名のつくものであればなんでも乗りこなす。
石川幸宏(35)
映像専門雑誌DVJ編集長を経て、リアルイベントを中心とした「DVJ BUZZ TV」編成局長として活躍中。
小寺信良(23)
業界で噂の新製品を、AV WatchやITmediaのコラムでもおなじみの小寺信良氏がレポートする動画連載。
raitank(5)
あまたの海外ソースを読み漁ってHDSLRを独学。海外から仕入れた情報を日本語で発信するグラフィックデザイナー/アートディレクター。
ふるいちやすし(44)
自身で脚本、監督、撮影から編集、音楽までもこなすマルチプレーヤー。
岡英史(19)
バイクレース及びF3レース参戦など、映像とはかけ離れた経歴を持つ異色ビデオカメラマン
手塚一佳(44)
CGムービー制作、ネットワークゲーム制作を得意とするデジタルデザイン会社アイラ・ラボラトリの代表取締役。
江夏由洋(13)
兄弟で株式会社マリモレコーズを設立し、ノンリニアにおける映像技術、映像制作を中心に、最新技術を取り入れたワークフローを提案している。
山本久之(26)
映像エンジニア。フリーランスで映像設備のシステムインテグレーションと、ノンリニア編集に携わる。
林永子(26)
2005年よりサロンイベント「スナック永子」を開催。通称「永子ママ」
鍋潤太郎(18)
ロサンゼルスを拠点とするVFXジャーナリスト。
高野光太郎(4)
映像クリエイター。フリーランスにてミュージックビデオ、番組オープニングタイトル、CM、劇場映画、全てをデスクトップで制作。
安藤幸央(9)
無類のデジタルガジェット好きである筆者が、SIGGRAPH ASIAやCESなど海外の注目イベントを紹介。
猪蔵(5)
いつも腹ペコ。世の中の面白いことを常に探っている在野の雑誌編集者。
山下香欧(8)
米国ベンチャー企業のコンサルタントやフリーランスライターとして、業界出版雑誌に市場動向やイベントのレポートを投稿。
ヒマナイヌ(5)
頓知を駆使した創造企業
坪井昭久(5)
映像ディレクター。代表作はDNP(大日本印刷)コンセプト映像、よしもとディレクターズ100など。3D映像のノンリニア編集講師などを勤める。
萩原正喜(69)
米国コロラド州から、米国のデジタル放送事情からコロラドの日常まで多岐に渡るコラムをお届けします。
岡田智博(7)
クリエイティブクラスター代表。メディアアートと先端デザインを用いたコンテンツ開発を手がけるスーパー裏方。
江口靖二(5)
デジタルサイネージコンソーシアム常務理事、慶應義塾大学DMC機構研究員などを兼務。
しらいあきひこ(2)
カメラメーカー、ゲーム開発などの経験を持つ工学博士が最先端のVR技術を紹介。
今間俊博(5)
尚美学園大学 芸術情報学部 情報表現学科 教授。アナログ時代の事例を通じ、教育関連の最新動向を探る。
伊藤裕美(5)
オフィスH(あっしゅ)代表。下北沢トリウッドでアニメーション特集上映を毎年主催している。
秋山謙一(17)
PRONEWS記者。映像業界紙記者、CG雑誌デスクを経て、2001年からフリージャーナリストとして活動中。
UserReport(10)
業界で話題の商品を実際に使ってみてどう感じたかを、各方面の様々な方々にレポートしていただきました。
System5 Labs(8)
SYSTEM5スタッフが販売会社ならではの視点で執筆します。

HOME  >  COLUMN  >  [スナック永子の勝手にMonthly Video Awards!]Vol.10 素敵な存在スタイリスト 北澤"momo"寿志の魅力