[Road to InterBEE2009]Vol.04 映像の要は、音である。編集ソフト完結編

HOME  >  COLUMN  >  編集部  >  [Road to InterBEE2009]Vol.04 映像の要は、音である。編集ソフト完結編

Column

[Road to InterBEE2009]Vol.04 映像の要は、音である。編集ソフト完結編

2009-10-30 掲載

[Road to InterBEE2009]Vol.04 映像の要は、音である。編集ソフト完結編

InterBEEには、恒例の動画レポートを行うのだが、最小限の力で最大の効果を生む方法を編集部では探ってきた。何よりも要は、編集ソフトであると思っていたのだが、PRONEWSでコラム連載中のふるいち氏に強力に薦められたVEGAS PRO 9 (以下VEGAS)に巡り合った。

さて、いよいよInterBEEの季節になってきた。そこは実際にソフトを操作したり細かい質問をぶつけたりできるいい機会であり、それまでにある程度の興味と予備知識を持っておくと、より効率良く体験することができる。逆にいうと、そういう体験なくして、高価なソフトに簡単に手を出すわけには、いけないのだ。

さらに個人的にレッスンを受けつつ、ふるいち氏が、会場(フックアップ#4206)に於いて、デモンストレーションを行うらしいではないか!何を使って編集を行うのか、一応決着がついたため導入検証は、今回で最終回となる(実践編がはじまるけど...)。今回はその最後として「音」の編集機能についてわが師(Master)に聞いてみた。


本物のALL in ONE

オール・イン・ワンと呼ぶ為には欠かせない音声編集機能にスポットを当ててみる。今時、どのNLEソフトにでもミキサー画面やエフェクトといった音声を整えたり加工したりするファンクションは付いている。AppleやAdobeのようにパッケージソフトとリンクさせる事によってより高度な音声編集を可能にしている物もあるが、リンク自体の安定性にはまだまだ不安が残る。ハッキリいってしまうとVEGASでは、そんな事をする必要がないのだ!それだけ VEGASの音声編集機能は優れている。それは他社のNLEソフトにオマケで付いているようなレベルとは一線を画し、それでいて専門知識がなくても、直感的に扱えるような、つまり「やる気になる」実用的な物だ。

これはとても重要で、いくら高機能であってもそれを使いこなす為の知識と覚悟を要求しそうな画面では、始めから敬遠してしまう物だ。そもそも整音やMAを皆さんはどうしているのだろうか?もちろん予算と時間に余裕のあるプロジェクトであれば専門のスタジオやエンジニアに頼ればいいのだが、余裕がなくなると残念ながらそこが一番先に削られる。最近では音の部分も映像クリエーターが行う機会は多いだろう。今回取材を行う編集部もそうだ。しかし、その為に音声の専門ソフトを用意して使いこなしている人は少ないだろう。せっかくパッケージソフトの中に音編集ソフトが同梱されていても、触った事がないなんて人も多いのでは?

なぜ君たちは音にこだわらないのか?

しかし現状残念な事になっている。「解らないからやらない」という人も多く、結果、音質的にレベルの低い作品が、特に自主映画なんかにはよく見られる。しかし覚えておいてほしい。視聴者レベルでは、音声の不具合は映像の不具合に比べて同等以上に気になる物なのだ。せっかくの作品を台無しにしてしまわない為にも、最悪ヘッドフォンでも構わないのでしっかりしたモニター環境を整えてVEGASのミキシングコンソールを使ってみてほしい。

VEGAS 音編集に関する5つの強み

r2itb41.jpg

ミキシングコンソールはぜひ大きいサイズで使ってほしい。バスもいくつでも作れるので、センドで送れば各トラックに共通のエフェクトがかけられ、エフェクト量も調節できる。細かい臨場感を出す為にもリバーブ等を積極的に使ってほしい。これはもうちょっとしたDTMソフトのレベルだ。

r2itb42.jpg

エフェクトプラグインはプリインストールでざっとこんなもの。VSTという規格に対応しているので、プロの音楽スタジオで使われているプラグインも使用可能だ。各プラグインの設定は必要以上に細かくはなく、怖がらずに「やる気になる」レベルだ。

r2itb43.jpg

これはコンプレッサーをかけているところだが、ゲインリダクションレベル(圧縮されている量)までしっかりメーターで確認できるので、試行錯誤でも使ってみるといい。

r2itb44.jpg

大きなフェーダーを使ってリアルタイムにキーフレームを打って行く。専用のコントローラーがあれば快適だが、マウスでも十分できる。BGMの音量も大きいか小さいだけでなく、微妙な抑揚を付ける事によって、高品位なサウンドトラックができる。ぐりぐり動かして記録した動きが、プレイバックでフェーダーがぐりぐり再現されるのは圧巻だ。これはボリュームを動かしている所だが、エフェクトのパラメーターも同様にリアルタイム記録が可能だ。

r2itb45.jpg

VEGASのタイムストレッチはとても使いやすい。上の同録音声の波形とモニターの口の動きを見ながら、下のアフレコ音声を文字単位でリップシンクをとっている。慣れは必要だが、切って合わせるだけでなく、延ばしたり縮めたりで隙間のないタイミング補正を行えば、とても自然なセリフになる。

それでも VEGAS

実は私は整音とMAにApple Logic Proを長年愛用しているが、VEGASの音声編集のやりやすさは、Logicを越える部分もあり、大変重宝している。はっきり言って、音楽を作ったりしない限り、この中で全て完結できる。今回は触れなかったが録音ですら、それなりのオーディオインターフェイスがあればパンチイン/アウトもできてしまうし、サラウンドのミキシングまでできてしまう。EDIUSユーザーの知人で音声編集だけの為にVEGASを使っている人もいるが、それもうなずける話だ。ぜひ一度使ってみてほしい。


[ Writer : 編集部 ]
[ DATE : 2009-10-30 ]
[ TAG : Road to InterBEE2009 ]

関連のコラム一覧

[Road to InterBEE2009]Vol.05 Vegasで僕らは自由を手に入れる! [完結編]

[Road to InterBEE2009]Vol.05 Vegasで僕らは自由を手に入れる! [完結編]

InterBEE2009に臨む!Vegasとともに! 吟味を重ねた機材とソフトウェア選び、機材を入念に準備しいよいよ我々は、InterBEE2009に臨んだ。備えあれば憂いなし。し .... 続きを読む

[Road to InterBEE2009]Vol.03 AVCHD、そしてフォーマット乱立の時代に考えること

[Road to InterBEE2009]Vol.03 AVCHD、そしてフォーマット乱立の時代に考えること

前回AVCHDの編集がサクサク行くよとふるいちさんに教えられ、実際にVegasPro9で納得したが、「AVCHDは使いませんよ!」と日頃の苦労も含め、使用はしないと心に誓ったのだが .... 続きを読む

[Road to InterBEE2009]Vol.02 もうAVCHDの重さにおびえない!-編集ソフト編-

[Road to InterBEE2009]Vol.02 もうAVCHDの重さにおびえない!-編集ソフト編-

八月があっという間に過ぎてしまい朝晩に肌寒いと感じるようになった。秋である。時間のたつのは早い!より良い物を提供しようと、そして何とかアイデアを反映できないかと日々試行錯誤中であ .... 続きを読む

[Road to InterBEE2009]Vol.01 今年のワークフロー選択-編集ソフト編-

[Road to InterBEE2009]Vol.01 今年のワークフロー選択-編集ソフト編-

夏が終わり、秋が始まる頃になると、毎年うれしさ半分と焦りを感じつつ湧き上がる感情がある。InterBEEである。云わずもがな映像業界に携わる者必須の展示会である。今年も映像業界の .... 続きを読む

関連のニュース記事

WRITER PROFILE

編集部 PRONEWS編集部による新製品レビューやイベントレポートです。


Writer

編集部(99)
PRONEWS編集部による新製品レビューやイベントレポートです。
稲田出(27)
映像専門雑誌編集者を経てPRONEWSに寄稿中。スチールカメラから動画までカメラと名のつくものであればなんでも乗りこなす。
石川幸宏(35)
映像専門雑誌DVJ編集長を経て、リアルイベントを中心とした「DVJ BUZZ TV」編成局長として活躍中。
小寺信良(23)
業界で噂の新製品を、AV WatchやITmediaのコラムでもおなじみの小寺信良氏がレポートする動画連載。
raitank(5)
あまたの海外ソースを読み漁ってHDSLRを独学。海外から仕入れた情報を日本語で発信するグラフィックデザイナー/アートディレクター。
ふるいちやすし(44)
自身で脚本、監督、撮影から編集、音楽までもこなすマルチプレーヤー。
岡英史(19)
バイクレース及びF3レース参戦など、映像とはかけ離れた経歴を持つ異色ビデオカメラマン
手塚一佳(44)
CGムービー制作、ネットワークゲーム制作を得意とするデジタルデザイン会社アイラ・ラボラトリの代表取締役。
江夏由洋(13)
兄弟で株式会社マリモレコーズを設立し、ノンリニアにおける映像技術、映像制作を中心に、最新技術を取り入れたワークフローを提案している。
山本久之(26)
映像エンジニア。フリーランスで映像設備のシステムインテグレーションと、ノンリニア編集に携わる。
林永子(26)
2005年よりサロンイベント「スナック永子」を開催。通称「永子ママ」
鍋潤太郎(18)
ロサンゼルスを拠点とするVFXジャーナリスト。
高野光太郎(4)
映像クリエイター。フリーランスにてミュージックビデオ、番組オープニングタイトル、CM、劇場映画、全てをデスクトップで制作。
安藤幸央(9)
無類のデジタルガジェット好きである筆者が、SIGGRAPH ASIAやCESなど海外の注目イベントを紹介。
猪蔵(5)
いつも腹ペコ。世の中の面白いことを常に探っている在野の雑誌編集者。
山下香欧(8)
米国ベンチャー企業のコンサルタントやフリーランスライターとして、業界出版雑誌に市場動向やイベントのレポートを投稿。
ヒマナイヌ(5)
頓知を駆使した創造企業
坪井昭久(5)
映像ディレクター。代表作はDNP(大日本印刷)コンセプト映像、よしもとディレクターズ100など。3D映像のノンリニア編集講師などを勤める。
萩原正喜(69)
米国コロラド州から、米国のデジタル放送事情からコロラドの日常まで多岐に渡るコラムをお届けします。
岡田智博(7)
クリエイティブクラスター代表。メディアアートと先端デザインを用いたコンテンツ開発を手がけるスーパー裏方。
江口靖二(5)
デジタルサイネージコンソーシアム常務理事、慶應義塾大学DMC機構研究員などを兼務。
しらいあきひこ(2)
カメラメーカー、ゲーム開発などの経験を持つ工学博士が最先端のVR技術を紹介。
今間俊博(5)
尚美学園大学 芸術情報学部 情報表現学科 教授。アナログ時代の事例を通じ、教育関連の最新動向を探る。
伊藤裕美(5)
オフィスH(あっしゅ)代表。下北沢トリウッドでアニメーション特集上映を毎年主催している。
秋山謙一(17)
PRONEWS記者。映像業界紙記者、CG雑誌デスクを経て、2001年からフリージャーナリストとして活動中。
UserReport(10)
業界で話題の商品を実際に使ってみてどう感じたかを、各方面の様々な方々にレポートしていただきました。
System5 Labs(8)
SYSTEM5スタッフが販売会社ならではの視点で執筆します。

HOME  >  COLUMN  >  [Road to InterBEE2009]Vol.04 映像の要は、音である。編集ソフト完結編