[東京Petit-Cine協会]Vol.09 カメラを動かすということ-その4-
2010-05-07 掲載
さて「カメラを動かす」は、4回目にして完結編です。とは言ってもカメラワークについて語り尽くせる人はいないだろう。それほど自由で奥の深い物だと言えるので、最終的には皆さんが出会うシチュエーションに応じて、自分なりの感性で試行錯誤を積み重ねるべき物だと思う。少なくとも「ドキュメンタリーはこう撮らなければいけない」とか「女優はこう撮れば必ず美しい」等という固定概念には縛られないで欲しいと思う。形の決まったテレビ局や結婚式の仕事では仕方ないかもしれないが、プチシネは冒険と発見の場であってほしい。そして自信を持って冒険をするために、様々なリスクを計算できるようになって欲しい。これまでカメラを動かす事で生まれるリスクの事も書いてきたが、それは決して臆病にさせる為の物ではないという事を理解してほしい。
そうだ!ホームセンターへ行こう!
紹介したいのはそのリスクのギリギリかもしれない『ふるいちやすしの大冒険的』なカメラワークで、参考にしていただく分には構わないが、決して責任持ちません!各自自己責任の範囲内でやってみて下さい。ところで、僕が冒険の中でも絶対避けなければいけないと思うリスクとは、
- 人が怪我する危険性
- 高価な機材が壊れてしまう危険性
- スケジュールを狂わせる危険性
等だが、僕は信頼されるべき映像機材メーカーを目指している訳ではないので「安い物なら1カット持てば壊れてしまってもいい」とか時間がかかってしまいそうな冒険的カメラワークもあらかじめスタッフと演者の理解を得て、それなりのスケジュールを組んでおけばいいとも考えている。そうすると案外ホームセンターには「使える」機材は転がっているものだ。その幾つかの作品(笑)を見てもらおう!
あると便利な『どこでもスケート』!
この日曜大工感がイカすでしょ。多分2000円くらいで作ったと思うんだが、なかなかあなどれない機材です。例えばレールを借りてそれを設置するだけでも大変な事で、横移動はついつい三脚のヘッドを振るだけになってしまう。これがあれば机とか表面のきれいな物ならそのまま転がせるし、写真のように一枚きれいな板を持って行けばどこでもスムーズなスライド映像が撮れる。
例えば車の屋根とかでもいい結果が得られる。他にも撮影現場には必ずと言っていいほど転がっている荷物用の台車も車輪に窓の隙間用のスポンジテープを貼るだけで動きはスムーズになるし、レールの代わりに厚めのゴムシートを敷くと更に良い。私もドリーくらいは持っているが、室内であってもよっぽどスムーズな床でないとレールの代わりにはならない物だが、そんな時、ゴムシートはかなり役立ってくれる。
カメラアングル自由自在『ブランコ・ネット!』
解りにくいかも知れないが、これはバイク用の荷物ネットだ。これならレンズはもちろん、ビューファーも好きな所から出せるし、各スイッチの操作も可能だ。工夫すれば案外しっかり固定できるのでいろんな物にぶら下げられる。だが工夫しないとカメラが落下するはめになるので良い子のみんなは真似しないでね(と言っておこう。)
写真ではマイクスタンドにぶら下げているが、必ずしっかりホールドしてなくてはならないものの、慣れればなかなか安定したクレーンワーク(?)ができる。
これらの方法を真似て欲しいという事ではなく、要は発想次第でカメラワークの可能性は広がるという事だ。もちろんお金に余裕があればちゃんとした撮影機材を買ったり借りたりした方が良いに決まっているが、余裕がないからといって諦めないでほしい。たった30cmの移動でも工夫次第でいろんな方法があるし、それは画面にダイナミックな変化を付けてくれる。三脚のフィックスかフリーハンドのどちらか、という狭い発想から抜け出してほしい。
[ Writer : ふるいちやすし ]
[ DATE : 2010-05-07 ]
[ TAG : 東京Petit-Cine協会 ]
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ふるいちやすし
映像作家・音楽家・作曲家として数々のサウンドトラックやアーティストへの楽曲提供等も行い、自身で脚本、監督、撮影から編集、音楽までもこなすマルチプレーヤー。企業VPやCM等の制作と平行して、年に何本もの自主制作作品を制作している。
Studio :Loo-Ral Art
Mail : fuluichi-yas@loo-ral.com
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