[東京Petit-Cine協会]Vol.11 やはり道具は使い様なのである

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[東京Petit-Cine協会]Vol.11 やはり道具は使い様なのである

2010-07-13 掲載

[東京Petit-Cine協会]Vol.11 やはり道具は使い様なのである

テクノロジーを見極める

まぁ次から次へと出るわ出るわ!ここ数年テクノロジーの進歩には頭が痛くなる。パソコンを買い換えたりソフトをバージョンアップしたりする度に「もう完成!これ以上の物は一生要らん!」なんて思うんだが、またすぐ次に、これがまた...。業界にいるとある程度トレンドについて行かなくてはいけないのだが、プチシネ作家として今本当に必要なテクノロジーって何なんだろうか?ちょっと落ち着いて考えてみよう。

今更ながらハイビジョン

先日映像製作集団ZYAN GIRIの上映イベントでゲストでありながら三本もの作品を上映して頂いた(感謝)。上映はハイビジョンプロジェクターで行われ、作品は全てHD作品だったのだが、私の作品の内一本は2007年にHDVで撮影した物(他はデジタル一眼フルHD)。「あれ?」と思った。撮影当時はその美しさに撮影現場でも試写会でも大いに盛り上がったものであったはずなんだが、一言で言えば「普通」。つまりもうすっかり慣れてしまっていて、デジタル一眼の表現力豊かな作品に挟まれると見劣りさえする。それは決して「プロの目」だからではなく、一般のお客様に書いて頂いたアンケートからもそれは見て取れる。

家庭にはもうほぼハイビジョンテレビ。ネットはともかく、PCでもBlu-Ray等でハイビジョン映像を見るのは当たり前になりつつある。やはり視聴者が見ている環境でハイビジョンが「普通」である以上、SDという選択肢はもうない。仮にネットに流すには十分であったとしても、普通のDVDしか作る予定がなかったとしても、大切な作品であればやはりマスターはHDで置いておかなくてはいけない。今ちょうど三回連続で『Vegasで始めるBlu-Rayのイロハ』というのを連載しているが、そこでも触れているようにハイビジョン自体のクオリティをどう上げていくかという時代にさしかかっている。プチシネといえども人が集まり、それぞれが努力をするという事に変わりはない。そこから生まれる物であるからこそHDでの撮影、編集、マスタリングは絶対であろう。

編集ソフトとPCはどうか?

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Vegas Movie Studio HD 。画面、インターフェイス、操作方法にVegas Pro との違いはほとんど見つけられない。これが1万円台のソフトとは・・・。

「やはりハイビジョンで高画質を求めるならプロ用の編集ソフトが必要」これは全くの誤解である。ちょうど発売されたVegas Movie Studio HDを使用して、正直驚いてしまった。基本的な画質というのはVegas Pro9と全く変わらず、Blu-Rayの製作に関してはFinal Cut Pro にはできないような高画質Blu-Rayを焼く事も可能だ。Vegas Pro9の簡易版といってよいだろう。それでいて価格は1万円台よりの設定だ。なんで?と思ってしまう。

簡易版にしてこの強力なポテンシャルは、やはり親ソフトの存在だろう。ここで培われた技術が惜しみなく注がれ、簡易版ソフトでは、いくつかの機能が省略されているのみで安定性等は申し分ない。では何が省略されているのか?は、放送用のフォーマットへの対応だとか、同時に使えるトラックの数だとか、プロのスタジオ間でやりとりされるファイルの書き出しといった感じで、プチシネを完成させるには全く関係のない事がほとんどだ。他のジュニアソフト、EDIUS neo 2(EDIUS PRO)、Final Cut Express (FinaCutPro)等も、おそらく同じ理由でコストパフォーマンスは非常に高いと想像できる。もちろんソフトによって削られている機能には差があるのでしっかり調べてほしいが、将来使ってみたいプロソフトの子を買うのも良いと思う。大袈裟な合成が必要な作品は無理かも知れないがはっきり言ってソフトはこれで充分だ。

PCはどうだろう。ハイビジョン動画の編集という事になると、おそらくパソコンにとって一番荷の重い作業と言わざるを得ない。CPU、メモリー、グラフィックボード、そしてハードディスク。ここにはありったけのお金を注いだ方がいい。はっきり断言するが、半年後にはもっと早くて安いPCが出る。待っていてもしょうがない。「作りたい」と思った時が買い時だ。

混沌!カメラの世界

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デジタル一眼が切り開いた動画の世界は、解像度からニュアンスの違いへと表現力を広げている。上のレンズはフランスのクラシックレンズ『アンジェニュー』。その柔らかなトーンでフルハイビジョン動画が撮れる。そういう時代になったのだ。

ハイビジョンでという事に限れば今はそうでない物を探す方が難しい程だ。手の平サイズのハンディーカムからデジカメに至るまで、ハイビジョン映像は撮れてしまう。ただデジタル一眼のハイビジョン動画対応によって、映像表現のクオリティに関してはとっくに次の段階へ進んでいる。詳しくは次回以降に話していこうと思うが、現在のところ、プチシネ的には高価な業務用のビデオカメラというのはほとんど意味を持たなくなってきているだろう。すでにソニーとパナソニックがリリースを予定している「デジタル一眼のようなビデオカメラ」も民生用の比較的安い物だと言われている。その他にも、デジタル一眼の第三世代製品等、次々と新しい物が出て来て、しかも価格での善し悪し判断は非常に難しい。まさに混沌としている状態だ。しばらくは様子を見るのもいいと思うが、その間ここで映像表現をじっくり学びましょう。


[ Writer : ふるいちやすし ]
[ DATE : 2010-07-13 ]
[ TAG : Vegas Pro 東京Petit-Cine協会 ]

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