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[DigitalGang!]Shoot.18 ヘリ撮影狂想曲2〜DJI Phantomが宙を舞うまで〜

2014-01-15 掲載

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前回まではDJI Phantomの「実用的なセットアップ」を紹介した。特にGoProを使った効果的な撮影を行いたい場合はプロポの交換と、Zenmuse H3-2D Gimbalの取り付けは是非とも行って欲しい。今回は飛行を始める前に知っておかなければいけないいくつかのTIPSを紹介する。

Fly!High!空を舞うPhantom!

DG_vol18_01.jpg Phantomを使った空撮は、驚くほど楽しい!&未知の映像を手にできる

まずは本体のセットアップだ。これはパソコンと本体をUSBで繋いで、ユーティリティソフトを使って行う必要があるのだが、できれば現場でも細かくチェックできるようにノートパソコンの使用をお勧めする。

DJIのサイトから「DJI NAZA-M Assistant Software」と「DJI Driver」をダウンロードして、パソコンにインストールしよう。このNAZAというのはPhantomで使用されているMCユニット(いわゆる心臓部)のことで、ファームウェアなどもチョコチョコ新しくなっているのでここのサイトをマメにチェックしておくといいかもしれない。ちなみに我々が購入したPhantomは初期ロットのものだったため、ファームウェアも古く、プロポの形式や充電機などのセットアップなども初期仕様であった。

最新のファームウェアなどを入れることで更に使いやすい仕様となる。現行のPhantomはいろいろと改良が施されているので、使い勝手はかなり良くなっているとのことだ。インストールが終了すれば、あとはPhantomとPCをUSBで繋いでソフトウェアを立ち上げれば現在のPhantomの設定を細かく行える。

DG_vol18_02.jpg PCとUSBケーブルで繋げば、簡単に専用のソフトウェアで設定が行える

まずは本体のソフトウェアが最新かを確認する。これはそれほど頻度の高い作業ではない。大事なのは、本体に組み込まれているジャイロスコープのキャリブレーションだ。本体のジャイロスコープは電磁波や磁気に大変干渉されやすく、一定期間使用していなかったり、長距離の移動を行ったりするとかなり狂ってくるため出来ればフライトの直前には確認をした方がいいだろう。

ソフトウェアの「Tools」にいくとIMUキャリブレーションの覧に「Gyroscope」というのがある。XYZの値とModの値が表示されているのだが、この値がXYZのズレがお互いに±0.2以下で、Modの値が0.5以下でなければ安定したフライトは望めない。もしズレが大きい場合は下のAdvancedタグのAdvance Caliボタンを押してキャリブレーションを行おう。長くて5分程度の時間がかかるものの、必ず行った方がいい。ズレが大きいと、機体のプロペラ出力のバランスがとれず、ホバリングすら整わない非常にふらついた飛行となってしまう。

DG_vol18_03.jpg ジャイロスコープのキャリブレーションの様子。撮影の前には必ず行おう
※画像をクリックすると拡大します

そして次にコンパスのキャリブレーションを行おう。これはPCを使わず、プロポとの操作となる。プロポのGPSスイッチを上下に数回素早く動かすとPhantomがコンパスキャリブレーションモードになるので、機体を水平に持って一周し、その後機体の前方向を下に、縦にしてもう一周すると終了だ。これで機体のコンパスが正常に動く。PCを使ったジャイロスコープのキャリブレーションと合わせて必須の準備となるため、飛行前には必ず現場で行おう。

ちなみに必ずプロポの電源を先にいれてから本体の電源を入れ、本体の電源をOFFにしてからプロポの電源をOFFにしなければならない。先にプロポの電源をOFFにすると機体が「シグナルロスト」となり、無理やりホームポジションに戻ろうとする場合があるからだ。Phantomは万が一のことを想定して、プロポからのシグナルがなくなると、最初に飛行した位置に着陸する「Go Home」モードがついている。プロポの故障や、電池切れなどの非常時に事故が起きないようにするためだ。

また機体の電源を入れる場所は、必ず飛行を始める場所で行おう。Phantomにその場所が「Home」だと学習させなければいけないからだ。また最初にバッテリーをつないでから、機体が飛行準備OKになるまでには時として2分ぐらいの時間がかかる。機体に触らず待つことで、色々な設定がきちんと行われ安定した飛行につながるため、あわてないことが重要だ。

次にプロポの説明をする。プロポは日本のラジコン業界では標準のモード1という仕様と、アメリカで主流のモード2がある。プロポをフタバ製に変えるときには自由に選べるのだが、正直アメリカで採用されているモード2の方が初心者にはゲーム感覚で分かりやすい。モード2では右のスティックが機体の前後左右をコントロールするもので、左が上下と左右回転となる。

いろいろとつまみやスイッチのあるフタバのプロポであっても、使うスイッチは同梱されているプロポと全く同じだ。左右の上にある2つのスイッチはそれぞれのModeを切り替えられる。まず右上のスイッチはGPSモードとAttitudeモードを切り替えるのだが、基本的に慣性を活かすAttitudeモードは非常に難易度が高いコントロールとなるので、ある程度のフライト技術を習得する迄、撮影を前提としたフライトでは、筐体が常にGPSと連動して動くGPSモードにするのがいいだろう。

また左上のスイッチはプロポの前後左右のコントロールを絶対的に行うか、相対的に行うかを決められるスイッチだ。スイッチを上にするとOFFとなり、コントロールが絶対的に行われる。つまり前へ進むと命令すると機体がどの向きを向いていようと、機体の前方向へ進むことになる。例えばこれをホームロックモードにすると操縦者と機体の相対的な位置関係を認識させることができるので、前にレバーを倒すと、機体の向きに関係なく自分から離れていくような動きになるということだ。この動きをグリッド上で動かせるのがコースロックモードで、これらのロックモードは機体と操縦者が10m以上離れて初めて有効になる。

ようするに、機体を遠くに飛ばしたときは、機体の向きを目視できなくなるためホームロックモードが活用され、機体が近くにあるときは機体の向きを目で確認できるためモードをオフにしてもコントロールできるということだ。初心者の練習となった今回は、機体をそこまで遠くに飛ばさないためOFFにした。

DG_vol18_04-b.jpg ロックモードの図。遠くにいったらホームロックにするといい。真っ直ぐ飛ばしたいときはコースロックモードが有効だ

プロポの細かい説明はここでわかる。特にホームロックモードなどは概念がわかれば、有効的な使い方が行える
編集部注:マルチコプターの運用には正しい知識と各種法律・条例の遵守、安全への配慮が必要です。万一の事故に備えた「ラジコン保険」への加入もおすすめします(業務用で使用する場合は別途保険代理店にご相談ください)。
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WRITER PROFILE

江夏由洋 兄弟で株式会社マリモレコーズを設立し、ノンリニアにおける映像技術、映像制作を中心に、最新技術を取り入れたワークフローを提案している。


[ Writer : 江夏由洋 ]
[ DATE : 2014-01-15 ]
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