[SIGGRAPH ASIA 2008]Computer Animation Festivalに見る驚愕映像
2008-12-26 掲載
コンピュータグラフィックスに関する世界最大の学会・展示会であるSIGGRAPHのアジア版SIGGRAPH ASIA 2008が12月10日から12月13日の4日間、シンガポールで開催された。数多くの優秀なCG映像が上映されたComputer Animation Festivalなどから、目に止まった映像作品を紹介しよう。
アジア勢のみならず、日本とイギリス勢が大活躍
2005年にルーカスフィルム・アニメーション・シンガポールが設立されて以来、「スター・ウォーズ/クローン・ウォーズ」の映像制作など、多くの優秀なメンバーがシンガポールに集結して米国ルーカスフィルムと協調作業が行われている。その一方で、今回のComputer Animation Festival の作品群は、Double Negative、The Mill、Nexus Productionsといったイギリスのプロダクションによる優秀な作品が目立つものとなった。
『This Way Up』は、棺桶を運ぶ二人の葬儀屋を描いた、イギリス風ブラックユーモアを描いた作品。SIGGRAPH ASIA 2008でBest of Showを受賞した。随所でニヤリとさせられたり、ドキドキさせられたり、CGの枠組みを超えて「死」を笑い飛ばすユーモアに溢れた映像であった。
日本からの作品である『KUDAN(件)』もJury Awardを受賞した。リンクスデジワークスの古株のメンバー2人が仕事の合間をぬって2年半がかりで制作した作品だそうだ。人面の牛の妖怪を描いた、ハリウッドスタイルのCGには無い独特の質感と世界観を持った作品である。10分弱の作品の中で、心温まる、虜になるような、三次元CG特有の不思議な空間が描かれている。三次元空間の中にカメラ撮影のレフ版や、遮光板を配置した独特のCG描画手法で制作したもの。職人芸的な技とこだわりが、会場でも大きな賞賛を浴びていた。
CGは豊かな表現方法の1つになったと再認識
現在、監督やCMクリエイターの描きたいイメージを100%表現できる手段として、CGが評価されてきている。どこか嘘っぽい映像表現としてのCGからは脱却し、全て演出が可能な「映像の俳優」としてのCGが重宝される時代になってきていると感じた。
『Guiness - Tipping Point』は、街中を巻き込んだ巨大なドミノ倒しを描いたCM。最後のハイライト部分で、書籍でできたビールのシーンがCGで作られている。メイキングはSide Effects SoftwareのWebサイトにあった。
『Coke - It's Mine』は、バルーンのキャラクターが清涼飲料水を奪い合うCM。ごく自然に見える巨大なバルーンが、実はCGでコントロールされているキャラクターだ。メイキング映像ではPreVizと呼ばれる試作映像や、実写との合成の様子を見ることができる。

『MATTONI SPRING WATER: WATER DRESS』は、水で出来たドレスを描いたミネラルウォーターのCM。映像制作に3DCGソフトウェアHoudiniを用い、質感豊かな水しぶきを細やかにコントロールして水のドレスを描いている。
今回は、こうした作品の数々がSIGGRAPH ASIAで公開された。次回のSIGGRAPH ASIA 2009は、2009年12月16~19日の4日間、「the pulse of innovation(革新の波動)」をテーマに横浜で開催される。ホスト国として、ゲーム、フルCGムービー、CG合成など、CGを広範囲に活用した日本のプロダクションの映像作品の活躍が期待される。
(安藤幸央)
[ Writer : 安藤幸央 ]
[ DATE : 2008-12-26 ]
[ TAG : SIGGRAPH ASIA ]
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