アオイスタジオ(東京都港区)は、Max-T(東京都港区、Tel.03-5774-5112、のSledgehammerフェイルオーバーオプションSecond Online Server(SOS)システムを導入した。 2007年4月にアオイスタジオは、MAで完結できるファイルベースのワークフローを確立するために、スタジオ全体のデータの高速共有、オートデスクシステムのアーカイブソリューション、DIワークフローを構築。NASシステムにMax-TのSledgehammer HD!O 6TBとSledgehammer NAS-SATA 18.4TBを導入していた。今回、このNASシステムを強化するため、SOSシステムを追加導入、Sledgehammer NASサーバーを二重化した。 アオイスタジオは、AutodeskシステムとSledgehammer 2式をInfiniband(インフィニバンド)により接続、300MB/secを超える高速転送を実現している。オートデスクのInfernoなどによる編集フィニッシング作業が終わると、完パケをDVコーデックのQuick Time形式でSledgehammerに保存。デジデザインのPro ToolsのローカルディスクにコピーしてMA作業を行っている。アオイスタジオのスタジオ事業部でコンピュータ・システム管理を担当する山川 朋浩氏は、今回の導入について次のように話した。 「Sledgehammerのバージョン3.6へのバージョンアップで、バージョンアップ作業中はサーバーが使えなくなることから、作業日時を決めるために使用状況などを調べた。オートデスクシステムを中心とする映像系システムは、Sledgehammer導入前にも素材サーバーを使っていたので、サーバーが重要なことは分かっていたが、MAシステムに関しては、Sledgehammer導入前にはワークフローにサーバーは入っていなかった。当時は、ローカルディスクと比べてネットワークサーバーは遅いというイメージも根強かった。今回調べたところ、MAシステムにおいてもサーバーを止めると仕事も止まってしまうというほどの状況になるほど、Sledgehammerに対する依存度がとても高くなっていることに驚いた。ローカルディスクにデータを残さないケースも増えており、システムをリブートする短い時間でもサーバーにアクセスできない状態が発生するのは、作業に大きな影響を与える状況になってきている。SOSで二重化する必要があった」 導入したSledgehammer SOSは、ストレージサブシステムをミラーリングすることなく、サーバーのフェイルオーバーを提供するシステム。アクティブサーバーに不具合が発生した場合にセカンダリのSledgehammerが引き継ぐアクティブ/パッシブ・モードと、2台のフルリダンダントサーバーがそれぞれのストレージサブシステムを持つ独立したサーバーとして機能し、不具合が生じた場合に2つ目のアクティブサーバーが自動的に受け継いで2つのストレージサブシステムから全データの供給を行うアクティブ/アクティブ・モードを持つ。 アオイスタジオでは今後、保存されたデータの簡単なデータベース化と検索の方法を確立するなど、効率良くサーバーを整理・運用するワークフローの構築に取り組むという。