ACM(the Association for Computing Machinery)とシーグラフアジア2009 実行委員会から、今年12月に横浜で開催される「SIGGRAPH ASIA2009(シーグラフアジア2009)」の基調講演とコースプログラム内容が発表された。

基調講演には、ヒューマンコンピュータインタラクション分野の第一人者である暦本純一(れきもとじゅんいち)氏が講師として登壇する。 実世界指向インタフェース、拡張現実感、情報視覚化を追求している暦本氏の演題は「エンハンスドリアリティー」だ。

暦本氏は1961年、東京生まれ。 東京工業大学理学部情報科学科、1984年に理学士、1986年理学修士、1996年理学博士課程を修了。 NEC、アルバータ大留学を経て1994年より株式会社ソニーコンピュータサイエンス研究所に勤務。 1999年、同研究所にてインタラクションラボラトリーを設立、2007年より東京大学大学院情報学環の教授にもなっている。 暦本氏の研究成果の一部は、プレイステーション3用ゲームに利用されたり、また国内外問わず多数の研究賞を受賞している。

セッションは、1時間単位からコースとして終日開催され、今年は日本が会場であることもあり日本語ベースも目立つ。

2006 年のSIGGRAPH Significant New Researcher 賞受賞者で、東京大学助教授の五十嵐健夫氏による「コンピュータグラフィックスのためのスケッチングインターフェース」、株式会社セガの平山尚氏からの初心者向けゲームプログラミング、id Software の原慎一郎氏による「レンダリング用・ゲーム用キャラクターの同時制作ワークフロー」や、株式会社コーエー の津田順平氏からはゲームのための実践的な剛体物理シミュレーションについて解説がある。

また、群衆アニメーションにまつわる終日セッションでは、ピクサーアニメーション、ImageMovers DigitalやMassive社に並びOLMデジタルの安生健一氏や株式会社デジタル・フロンティアのエキスパート達が講演をする。

SIGGRAPH ASIAはSIGGRAPHのアジア地域で開催するCGの祭典で、昨年シンガポールで初めて開催された。今年は会場をパシフィコ横浜に移動し、テーマ「革新の波動」を掲げ12月16日から4日間、開催される。