12月18日から全米公開されたジェームス・キャメロン監督最新3D映画「Avatar」の制作では、米国西海岸にあるポストプロダクションModern VideoFilmが、トレイラーやプロモーションビデオを含めて、作品全ての編集に関わった。

制作費に3億ドル以上が投じられたというこの作品、Modernではクォンテル社製のPablo Stereo3Dシステムを使ったワークフローで、作品全域の立体映像制作、クオリティコントロールを行った。また、ナヴィ(Na’vi)語による英語の立体字幕スーパーに関しても、クォンテルシステムで制作したという。今作の75%のショットはVFXのあるもので、これらは請け負ったVFXプロダクションで分業し、完成したものがModernに集められて最終的に仕上げられた。

Avatarは、2D/3D両方のフォーマット、3種類の異なるアスペクト値で制作され、Modern側では膨大な作業量が見込まれていたが、パワフルで能率化できる機材をパイプラインを組み込んで乗り切ったという。

集められたショットはすぐにリネームされて中核SANサーバに収められ、その後Stereo3Dでそれら素材のチェックが行われた。チェックされた素材は、今度は編集リストに従ってコンフォーム、そしてグレーディングや英語字幕スーパー編集へと引き渡された。

Modern VideoFilmの編集スーパーバイザーであり、キャメロン監督の「タイタニックの秘密」の3D制作プロジェクトにも関わったRoger Berger氏によると、今回振り返って複雑だった編集は、立体字幕スーパーだったという。立体空間上で、コンテンツにぶつからない空間に字幕スーパーを配置しないとならないという複雑な作業だ。また、Modernには3台のPabloがあるが、最後の6ヶ月間は休むことなく、24/7体制で全てのPabloシステムを駆動していたという。