ソニー株式会社は11月8日、新開発したスーパー35mm相当のExmor CMOSイメージセンサーを搭載し、PLレンズに対応したデジタルシネマカムコーダー 「PMW-F3」シリーズを発表した。2011年2月1日の発売を予定しており、メーカー希望小売価格は35/50/85mm T2.0の単焦点PLレンズ3本が付属する「PMW-F3K」が税別210万円、レンズ無しモデル「PMW-F3L」が税別145万円。

「PMW-F3K」と「PMW-F3L」は、スーパー35mmフィルムのサイズに相当する、新開発のスーパー35mm相当単板CMOSイメージセンサーを採用したデジタルシネマカムコーダー。映画用フィルムカメラ同様の浅い被写界深度での撮影が可能で、F11(ISO 800)の高感度、S/N比63dBの高感度・低ノイズを実現。夕暮れ時など低照度環境下での撮影でも情感豊かに映像表現ができるという。スロー&クイックモーション撮影にも対応している。レンズマウントには映画用35mmフィルムカメラレンズ用で主流のPLマウントを採用。PMW-F3Kには35/50/85mm T2.0の単焦点PLレンズが3本付属しているが、各メーカーから発売されているPLマウント対応シネマレンズが利用できるため幅広い用途に利用可能だ。

映像の圧縮フォーマットと収録メディアは、映像制作業界で幅広く活用されている従来のXDCAM EXシリーズと共通となっており、映像圧縮にはMPEG2 Long GOP方式を、収録メディアにはSxSメモリーカードを採用した。既にXDCAM EXワークフローを構築している場合は活用が容易に行えるとしている。なお、XDCAM EXフォーマット以外にも、SD記録用にDVCAMフォーマット(DV-AVI type2形式)にも対応している。

既にソニーではスーパー35mm相当単板イメージセンサーを搭載したカメラとしてデジタルシネマカメラ「F35」およびHDCAM-SRカムコーダー「SRW-9000PL」をラインアップしているが、今回のPMW-F3シリーズの追加によりPLレンズを使用した本格的なシネマ撮影市場の裾野拡大を図っていく構えだ。