イッツ・コミュニケーションズ株式会社(イッツコム)と、日本デジタル配信株式会社(JDS)は5月31日、ケーブルテレビ事業者向けのアウトソーシングによるサービス、『統合クラウドサービス』の提供を7月から開始することを発表した。

統合クラウドサービスでは、ケーブルテレビ事業者が事業運営をする上で必要な各システム(顧客管理:CRM、請求管理:Billing、Mail/Web サーバー、IPアドレス付与:DHCPなど)を、クラウド上で統合して提供する。クラウドを利用することで、これまで個別に各ケーブルテレビ事業者が保有していたシステムの維持管理コストを大幅に軽減することが可能になるという。

7月1日から開始するのは、ケーブルモデムの設定・管理サービス(DPM:ケーブルモデムやVoIP用端末などの端末を起動させるために必要な機能と管理機能を提供するシステム)の販売。DHCP設備をアウトソーシングすることにより運用負荷が軽減されるだけでなく、ファイル設定の簡素化を実現できる機能も搭載。IPv6にも対応している。ケーブルテレビ事業者が既に導入済みのSMSに、DPMを連結して導入できる。

発表している今後の予定としては、2011年10月にはMail/Webサービスおよび監視サービスを開始し、2012年内には、CRMサービスとBillingサービスを開始する。イッツコムとJDSでは、コストや運用面への対応を改善していくことが今後のケーブルテレビ業界で重要になると認識し、2年前から各局へヒアリングするとともに検討を重ねてきたという。

これらのサービスは、イッツコムのデータセンター(横浜市青葉区)に構築され、全国のケーブルテレビ事業者へJDSが提案営業を展開する。 今回のサービスで採用したシステムは、加シグマシステムズ社のSMP(統合プロビジョニングシステム)とDPM(デバイスプロビジョニングシステム)で、イッツコムが国内独占販売権(一部例外有り)を行った。