125周年となる全英オープンテニス(ウィンブルドン)は毎年6月最終(もしくはその前週の)月曜日から2週間の日程で行われる。その男女シングルス決勝3試合が、大会ホスト放送事業者のBBC(英国放送協会)から3D中継で放送されることになった。3D中継は、ウィンブルドンにとってもBBCにとっても史上初のイベントとなる。

BBCは昨年の決勝戦の視聴率に関して、放送時間内で平均560万のビューワー数を記録したと伝えている。「BBCでは視聴者に新しい形で、世界の素晴らしい選手たちのドラマを伝えたいと思っていた」と、BBCでHD/3D部門の責任者、ダニエル・ナグラー女史はBBCオンラインニュースで語っている。先週末で終わった全仏オープンテニス2011は、パナソニックが技術スポンサーだった。ウィンブルドンではソニーが、主催する全英ローンテニスクラブとオフィシャルサプライヤー契約を締結している。

同社は、男子の準決勝および決勝と女子の決勝を3Dで撮影、3D設備のある映画館で生中継するほか、BBCを通して世界各国の放送局に映像を提供する。会場には、ソニー製の3D/HDカメラが5か所に設置される。「2010年6月に南アフリカで開催されたFIFAワールドカップから1年ほどしか経っていないが、当時をベンチマークとすれば3D放送へのノウハウは勿論、機材の技術は非常に良くなり簡易なものになった。」と、FIFAでも現地に出向いた現場撮影を担当する英Can Communicate プロダクションのクリエイティブディレクター、ダンカン・ハンフリス氏は取材を受けて語っている。

3Dでの生中継は現地時間7月2日と3日の2日間。英国で、3DテレビとBBC HDチャンネルが見られる環境が自宅にあれば、誰でも3Dで熱戦を観賞できる。BBC HDは、Freeview、Freesat、Virgin やSkyといったDTVや衛星を通して提供されている。