米Adobe Systemsは、開発者向けカンファレンス「Adobe Max 2011」の初日10月3日に、モバイルアプリ開発プラットフォーム「PhoneGap」開発元で認知高い、加Nitobi Softwareを買収することを発表した。正式発表文では、買収総額などの詳細は公表されていない。 取引は10月に完了する見込み。

Nitobiの「PhoneGap」や「PhoneGap Build」は、HTML5とJavaスクリプトベースでクロスプラットフォームのモバイルアプリケーションを開発できる、オープンソースプラットフォーム。Adobeはこれにより、FlashとAIRによるFlash利用のモバイルアプリ開発プラットフォームに加え、iOSやAndroid向け非Flashアプリの開発プラットフォームを提供できるようになる。

Nitobiは1998年にカナダ・バンクーバーに設立。同社が開発したオープンソースPhoneGapおよび有料版Webサービス「PhoneGap Build」は、HTML5とJavaScriptを利用してAppleのiOS、GoogleのAndroid、そしてResearch In Motion(RIM)のBlackBerryのクロスプラットフォーム環境で、モバイルアプリを開発できる。PhoneGapは今までに60万回以上ダウンロードされているという。今後もオープンソースのままだが、ソースコードはApache Software Foundationに寄付され、「Callback」に名称が変更される予定。

またAdobeは同日、HTML5対応のWebモーション/アニメーション制作ツール「Adobe Edge」を「Preview 3」にアップデートしたことや、FireworksのデザインエレメントからCSS3を抽出して、直接モバイルアプリへ追加できるCSS3 Mobile Packをリリースしたこと、更にCS5.5で制作したコンテンツを直接Apple iPad用アプリにパブリッシングできるデジタルパブリッシングスイートを発表した。

また、タブレットのタッチスクリーンで操作できる「Adobe Photoshop Touch」を含む6つのアプリケーション「Touch Apps」も発表した。Touch Apps のAndroid版は11月に、iOS版は2012年にリリースされる予定。