2月29日のニューヨーク株式市場で、米アップルの株式時価総額が初めて5000億ドル(約37兆5000億円)を上回った。2位の米石油大手エクソンモービルを引き離し、世界最大の地位を確実にした。

アップルの株価の終値は、前日比7.03ドル高の542.44ドル。この結果、企業価値を表す指標として株価を基に算定される時価総額は約5060億ドル(約38兆円)となった。これは、日本で時価総額がトップのトヨタ自動車の3.5倍、スイスのGDP(国内総生産)に匹敵する金額になるという。また「日立製作所」や「パナソニック」、「ソニー」など、日本の大手電機メーカー8社の時価総額を合わせた額の4倍近くにもなる。

AP通信によれば、過去にこの大台に達したことがある米企業は、エクソンやマイクロソフトなど5社。アップル社は6社目となる。マイクロソフトは1999年に時価総額が6000億ドルに達し、過去最高の時価総額をはじき出したが、現在は2500億ドル余りで落ち着いている。アップルの時価総額が拡大した背景として、同社が来週にもiPadの新型モデルを発表するとみられていることがあり、投資家の間で今後の好業績への期待が寄せられている。

アップルの株価は今年初めの400ドル近辺から順調に上昇。昨年10~12月期の業績が好調だったことで加速した。2月13日のニューヨーク株式市場では、同社株価が前週末比9.18ドル高の502.60ドルで終え、初めて500ドルの大台に乗せた。

(山下香欧)