米Facebookは2月に10億ドルで写真共有アプリ開発会社のインスタグラム社を買収したが、今度は類似アプリ開発会社、英Lightboxからリソースを獲得することが明らかになった。

これはLightboxが公式ブログで5月15日(現地時間)に発表したもの。ファイナンシャル的な詳細は明らかにされていない。企業買収ではないので、ユーザーデータなどはFacebookには渡らないとしている。Androidアプリは既にGoogle Playから削除されており、既存ユーザーへのサービスも6月15日に終了するという。同社は、それまでにアップロードした写真をダウンロードするようユーザーに呼び掛けている。また「今後数週間以内に、LightboxのソースコードをGithubのファイルレポジトリに公開する」と、共同創立者のThai Tran氏とNilesh Patel氏はブログで説明している。

Lightboxは2010年、ロンドンに設立した、ベンチャー企業。米GoogleのAndroid端末で撮影した写真をFacebook、Twitter、Tumblr、Flickr、foursquare、Lightbox.comで共有するアプリを提供している。今回のリソース買収というのはインスタグラム買収の冗長的な見方もあるが、実際2つのアプリに相違はある。Lightboxはクラウドホストサービスなため、ユーザーはインターフェースを問わずアクセスすることができる。これはFacebook側がクロスプラットフォームの下、インタラクティブな環境を強化するための手助けになると見込まれる。

5月17日のIPO公開直前のこのニュースは、モバイルエコシステムを確立する意向を強調する意図もある。Facebookはこれまでにインスタグラムのほか、4月にはモバイルクーポンサービスのTagtileを、5月に入ってからモバイルソーシャルアプリのGlanceeを買収している。

同社は今後モバイル広告の収入が大きなソースであると投資家たちに伝えている。Facebookによると、3月時点の同社の1カ月当たりのアクティブユーザー数(MAU)は9億100万人で、モバイルのMAUは4億8800万人。共同創立者兼CEOのMark Zuckerberg氏はモバイルアプリケーションを改善するのが最優先であると、約200以上の投資家の前で述べ、またモバイルユーザー向けに新しい製品を開発していくと語ったが、詳細の計画については明らかにしなかった。

  

同社は、モバイル市場に注目していることを強調するがために、従来のデスクトップでの広告サービスに悪影響を与え、自社のビジネスモデルと長期的な収益見込みに影響を与える可能性があることを認め、先週にはS-1申請の改正を証券取引委員会へ提出している。

そして、株式公開の価格レンジを10日に設定した1株当たり28~35ドルから1株当たり34~38ドルに引き上げた。時価総額は最大で1042億ドルになり、公開株式数は3億8800万株で、これにより最大で147億ドルの調達を目指すことになる。

(山下香欧)