ソニー株式会社は、細胞を光学的に分析する細胞分析装置「フローサイトメーター」の自社開発第一号機として、セルソーター「SH800」を2012年秋より受注開始することを発表した。SH800は、ブルーレイディスクなど同社のレーザー光学技術や光ディスク技術を応用することで、細胞情報の検出、分取機能の自動化を実現したことに加え、新開発のプラスチック製セルソーティングチップの採用により、測定作業の大幅な効率化を可能にしたという。メーカー希望小売価格は2,000万円前後(レーザーモデルによる)を予定している。

フローサイトメーターとは、微細なマイクロ流路内に、細胞を高速に流しながらレーザー光を照射し、そのレーザーが照射された細胞が発する微弱な散乱光や蛍光を検出することで、各種細胞の種類や大きさなどを識別するもの。これは、高速回転する光ディスク上の微細な凹凸ピットをレーザー光で読み取るという、ブルーレイディスクなどの光ディスクの検出原理とよく似ているという。

ソニーはこれまでAV領域で蓄積した技術を、今後成長が期待されるメディカルやバイオ分野にも応用するため、2010年に米国iCyt(アイサイト)社を買収し事業参入。セルソーターSH800は、iCyt社のセルソーティング技術と、ソニーのブルーレイディスク技術を融合させた初の商品化となる。