米市場調査会社IHS iSuppliによると、世界規模での3D技術関連市場は増幅している。特に3D映画が世界的に浸透し、対応劇場のスクリーン数は、3年前の9000から現在4万3000以上になった。米国の次に中国、フランス、イギリス、ドイツが3D対応スクリーンを多く導入している。中国での3D対応スクリーン数は昨年比から倍増の8000スクリーン以上と、市場先進国に対して成長が著しく伸びているという。

米国はどの3Dカテゴリにおいてもトップ成長を示しており、2012年の3D映画、3D-VOD(ビデオ・オン・デマンド)、3Dブルーレイを含む3Dコンテンツの消費額は、昨年比8.5%の伸びで20億ドルとなっている。

3Dブルーレイを取り上げれば、米国は世界売上の半分以上を占めており、2016年まではトレンドして売り上げは持続して伸び続けると予測している。現在米国では200タイトルが3Dブルーレイで販売されている。消費者がDVDなどメディアを購入する数は昨年から若干減っているのに対して(2億2200万本)、3Dブルーレイに関しては昨年比から倍増し、990万本まで伸ばしている。 3Dブルーレイの売り上げ成長は、米国のほか、英国、フランス、ドイツでも期待できるとしている。

3D-VODに関しては、HDコンテンツ視聴よりも30%ほど価格が高いサービスが多く、HISでは、これがブーム好きな消費者の熱を短期で冷めさせる要因になりかねない、と指摘している。ともあれ、米国消費者の売り上げ予測は、2012年の1100万ドルから2016年までに7600万ドルまで、そしてヨーロッパでは2012年の350万ドルから3240万ドルになるという。

放送に関しては、3D専用チャンネルの新設が鈍行している。Skyのドイツ地域での3Dチャンネルはスケジュールの見直しとなっているほか、中国では、CCTVが今年初めに試験的に始めた3Dチャンネル以外、企画されていた9チャンネルは未定となっている。

今後の市場の成長について、HISでは、いかにクオリティ高い3D映画作品が市場に登場するかが影響してくると説明している。

(山下香欧)