米Netflixが昨年立ち上げた映像コンテンツ配信ネットワーク「Open Connect」は、現在Netflixの国内外トラフィックの大部分を配信しており、米国市場では急速なペースで拡充しているという。

同社はCES2013において、米国三大ケーブル事業者のCablevisionとも提携し、米国内のインターネットサービスプロバイダ(ISP)パートナー経由で、Netflixブランドの”スーパーHD”と3Dフォーマットの番組コンテンツを提供することを発表した。提携ISPパートナーはCablevisionのほかGoogle Fiber、Virgin Media、British Telecom、Telmex、Telus、TDCとGVT。視聴できるデバイスは、Windows 8対応PC、PS3、Wii U、Roku、Apple TVとブルーレイプレイヤーやインターネットTVになる。

現在、Open Connect CDNを使っている米国でのメジャーなISPは、CablevisionとGoogle Fiberのみだ。Google FiberのNetflixのコンテンツストリーミングは最速(2.55Mbp/s)だとランキングしている。
http://blog.netflix.com/2012/12/november-isp-rankings-for-usa.html

スーパーHDとはNetflixが提唱するフルHD(1080p)解像度を持つコンテンツであるが、実際の解像度については明確になっていない。スーパーHDの最高ビットレートは7Mbps、3Dコンテンツにおいては最高12Mbpsだという。

3Dコンテンツは順次増やされていく予定とされており、現在は、Red Bull Media Houseのスノーボードドキュメンタリ「Art of Flight」、アクションドラマ「Immortals」や3Netの番組などが配信されている。

昨年の6月、同社は、自社でCDNを構築し、その中でISPに無償でキャッシュスペースを提供するOpen Connectを発表した。同社でのストリーミングトラフィックから見ても、CDN業者のサービスを導入するよりも、自社に構築したほうが費用対効果を高められる上、より良いユーザーエクスペリエンスを提供できる。現在Netflixの平均的ビットレートは2Mbpsで、またモバイル端末には600kbpsでストリーミング配信を実現している。

ISP業者はOpen Connect経由で各自のネットワークを管理しながら、Netflixのサービスを加入者に提供できる。これをもってNetflixは、ケーブルMSOの有料TV番組パッケージとNetflixのストリーミングビデオ•サブスクリプションをバンドルさせる企画を売り込み始めたが、まだ実現したサービスは始まっていない。

(山下香欧)