CES2013において韓国のLG電子社ブースでは、韓国の公共放送局である韓国放送協会(KBS)と共同で、4K(3840×2160/60p)解像度のデジタル放送のデモンストレーションを行った。LGの4K UHDTV(84LM9600)の横には受信アンテナが置かれ、バックではエンコード/デコードシステムが駆動している。バックのシステムでは4KコンテンツをHEVCコーデック(35Mbps)で処理し、DVB-T2方式で伝送している(帯域6MHzチャンネル)。

KBSでは、2018年までに4K-UHD放送の実現を目指している。それまでに韓国が採用しているATSCやDVBから公開標準規格がリリースすることを願うという。今回の試験展示のシステムの利点は、4Kが6MHz帯域で受信できることだ。つまり、既存の放送インフラを変えずに伝送できる。

昨年2012年4月には、韓国の地上波キー局4社(KBS、MBC、SBS、EBS)の技術部長達が集結し、4K-UHDの試験放送に力を合わせること、そして2013年9月から試験放送を、昨年3DTV試験放送で使用したチャンネル66で実施することで合意し、今後のスケジュールや放送番組について協議をしている。試験放送をするにあたり、主管であるKBSは昨年2月に放送通信委員会へ試験局の申請し、昨年7月中旬に許可を取得した。放送システムはKBS冠岳山送信所に設立、運用する予定である。

サムスンとLGは、この試験放送において視聴者側の機材の調達などで協力する。既に4Kで制作されている韓国ドラマ「推奴 チュノ」や「王女の男(The Princess’ Man)」が試験番組として放送されるという。

(山下香欧)