全世界の4K(3840×2160)テレビ市場規模が1250万台規模にまで急成長すると予想され、中国のTVメーカーは本格的な動きを開始した。彼らの市場戦略は、今回も価格競争力である。

中国では国内連休(労働節)に合わせ、TCLやスカイワースが安価の4K TVを発売した。TCLは、55インチ4K TV「E5690」をCNY$9,999(1600米ドル、約16.4万円)、スカイワースは39インチの4K TVを既存の42インチ1080p HDTVを同価格のCNY$3,999で販売するという。いずれもパネル解像度は3840×2160(Ultra HD, UHD)。

中国で大手メーカーのTCLは米国にもTCLおよびRCAブランドとして製品を投入しており、今回の4K TVも米国市場にも同価格で投入する予定。1600ドルは現在同社が米国で販売している55インチの1080p HDTVと同じ価格になる。

E5690はクラウドテレビというキャッチのとおりスマートTVのモデルとなる。デュアルコアCPU、クアッドコアGPUプロセッサおよびAndroid 4.2 OSを搭載し、HDから4Kへのスケールアップにも対応するという。3Dはアクティブシャッター方式。

業界生産ラインの情報に強い台湾のDigiTimesによると、TCLの子会社であるCSOT(China Star Optoelectronics Technology:華星光電)では55インチの4K UHDパネルを、現行のフルHDパネルの2.1倍の価格で中国テレビメーカーに販売を始めているという。Innolux社といった国内のほかパネルメーカーの提示価格はHDパネル比2.3-2.5倍であり、CSOTの提示価格は今後、国内以外にも台湾のパネル生産ラインへも影響すると見られる。

(山下香欧)