米Google社がこの夏に発売したインターネットTVドングル「Chromecast(クロームキャスト)」は一時在庫切れになるほどの爆発的な人気を博し、その後の売れ行きも持続的に伸ばしている。クロームキャストの価格は35ドル。テレビのHDMI端子に差し込むだけで、YouTubeやNetflix、Hulu、Google Playのムービーといったインターネット動画を、無線経由でテレビ画面にストリーミングするというもの。

映画放送専門の有線テレビHBOでは、同社の専用アプリ“HBO Go TV Everywhere”をクロームキャストに、いち早く対応させた。有料テレビの加入者は今度から、モバイルデバイスで観ていたHBOの番組などを画面の大きいテレビで観られるようになる。コムキャストやタイムワーナーケーブルでもHBOと同じマルチスクリーンTVサービス用のアプリを持っているが、クロームキャストに対応する予定はない。HBO Goは現在、iOSおよびAndroid対応スマートフォンとタブレットのほか、Apple TV、Roku、Xbox 360、アマゾンのKindle FireとサムスンのスマートTVに対応している。

Googleは、このクロームキャストの人気の勢いを、できるだけ早く海外にも向けたいようだ。背景には同社の人材募集の動きがある。最近になって同社では、英国でのクロームキャスト専門の技術担当マネージャーを募集しており、またヨーロッパ(英国、フランス、ドイツなど)地域においては、各国で製品マネージャーを配属した上、国境の垣根を越えて、クロームキャストを含む製品マーケティングチームを結成している。中国、韓国においても、専門の技術担当マネージャーを募集しているという。

(山下香欧)