キヤノンは、同社の業務用ビデオカメラを対象に、機能拡張ファームウエアを2014年2月から6月にかけて順次開始することを発表した。

今回のファームウエアにより、リモートコントローラー「RC-V100」が使用できるようなるほか、「EOS C300」では、ほぼすべてのEFレンズでデュアルピクセルCMOS AF技術によるコンティニュアスAFが可能になり、「EOS C100」では、映像の常時記録が可能になる。ファームウェアアップデート内容は機種によって異なり、以下の内容が予定されている。

■EFレンズを使用したコンティニュアスAFの追加(有償)
  • 対象機種:EOS C300
  • 提供開始時期:2014年5月
  • 価格:1台につき55,000円

デュアルピクセルCMOS AFに対応するファームウエアの更新により、ほぼすべてのEFレンズ装着時に、画面中央の被写体に自動でピントを合わせ続けられるコンティニュアスAFが可能。コントラストAF信号の補助的な使用により、不要なボケの発生を抑えた安定感の高いAFを実現したとしている。AFロック機能により、あらかじめピントを任意の位置に固定する「置きピン撮影」や、ピント合わせ後に撮影範囲や構図の変更が可能。コンティニュアスAFへの提供方法は同社Webサイトにて掲載予定。なお、EOS C300はコンティニュアスAFのファームウエアを適用すると、リモートコントローラー、レンズ周辺光量補正への対応も同時に行われる。

■常時記録モードの追加(無償)
  • 対象機種:EOS C100
  • 提供開始時期:2014年2月

カメラ本体で行う録画開始・終了操作にかかわらず、「常時記録モード」の開始から終了までの映像をすべて記録することができ、映像の撮り逃しを防止可能。カメラ本体で行った録画開始・終了操作の時刻をデータとして記録でき、他社製のアプリケーション(グラスバレー社「EDIUS Pro 7」)を使用することで、カメラ本体で行った録画開始・終了操作による記録順で動画ファイルをリストアップすることが可能だ。なお、昨年11月7日に発表されたEOS C100のコンティニュアスAFを実現する有償ファームウエアを2014年2月25日以降に適用すると、常時記録モードへの対応も同時に行われる。

■リモートコントローラーへの対応(無償)
  • 対象機種:XF305/XF300/EOS C500/EOS C500 PL/EOS C300/EOS C300 PL/EOS C100
  • 提供開始時期:XF305/XF300/EOS C300/EOS C300 PLは2014年5月
              EOS C500/EOS C500 PL/EOS C100は2014年6月

業務用ビデオカメラ専用リモートコントローラーRC-V100を使用することができるようになり、カメラ本体の「REMOTE端子設定メニュー」で「RC-V100」を選択すると、カメラ本体から離れた場所でも映像の露出やホワイトバランスなどの設定・調整が可能。

■レンズ周辺光量補正への対応機種の拡大(無償)
  • 対象機種:EOS C500/EOS C300/EOS C100/EOS-1D C
  • 提供開始時期:EOS-1D Cは2014年3月
              EOS C300は2014年5月
              EOS C500/EOS C100は2014年6月

新たにEFシネマレンズ1機種、EFレンズ1機種の装着時にも、レンズの光学特性に起因する周辺光量不足を補正することが可能。対応するEFシネマレンズは「CN-E35mm T1.5 L F」、EFレンズは「EF-S55-250mm F4-5.6 IS STM」。ただし、EOS-1D Cは「CN-E35mm T1.5 L F」のみ対応。EOS-1D Cは、カメラコントロール機能を集約したアプリケーション「EOS Utility」として同社Webサイトにて2014年3月に公開予定。

また同社は、「EDIUS Pro 7 無償ダウンロードキャンペーン」と題して、2014年3月1日~2014年12月31日の期間内にEOS C100またはEOS-1D Cを購入すると、EDIUS Pro 7を無償でダウンロードできるキャンペーンも行う。