米Googleが音楽配信サービスSongzaを買収したことが現地時間の7月1日に公となった。金額については開示されていないが、GoogleがSongzaと交渉中であるという話題があった当時は、39億円という数字が上がっていた。

Songzaは、リスナーの気分や時間帯に応じて最適なプレイリストを用意するというキュレーション型音楽サービス、つまり音楽レコメンデーションサービス。6年前に4人のメンバーで設立された。アマゾンやジャスティン・ビーバーのマネージャーなどから投資を受けており、現在は550万ほどのユーザーがサービスを利用している。

Songzaの技術は今後、月額9.99ドルのGoogle Play Music All Access と、Googleがサービス開始を予定しているYouTube音楽ストリーミングサービスに取り入れられるという。

今回の買収は、同じくレコメンデーションサービスを提供するBeats Electronicsを買収したAppleに対抗していると思われる。Beats Electronicsの買収額は約3000億円。これはApple始まって以来の破格値だ。Beats Electronicsはヘッドフォンといったハードウェア事業も含まれており、Appleが音楽ストリーミングBeat Musicに対して支払う額は500億円分になるという。

Beats Musicサービスは月額10ドルでユーザー数は25万人程度。しかしメジャーなレコードレーベルのライブラリを揃えるために巨額なライセンス費を支払っている。また12万以上のインディーズのライブラリも揃えている。対して無料サービスのSongzaは、ラジオ局がゲストアーティストを迎えての特集を組むように、一人のアーティストやバンドのタイトルにこだわる。

ここで言及できるのは、GoogleとAppleの行動はAcqui-hireが一番の狙いであったということだ。Songzaのファンブログには、Googleに買収される気分はカトリーナ&ザ・ウェイヴスの“Walking On Sunshine”とのこと。

(山下香欧)