ブラジルのワールドカップ中継権を持つ韓国のSBSは、韓KBSと一緒にブラジルワールドカップ3試合の中継をUHD(4K)で放送実験を行っている。

KBSとSBSは、AsiaSat 5衛星経由で4K放送を汝矣島、木洞にある放送センターで直接受信し、これを韓国政府が実験放送を許可した周波数帯域(700MHz帯)で地上波4K実験放送信号に変調して放送する(DVB-T2方式、HEVC/60p)。

中継される試合は、決勝トーナメント1回戦(試合日:6月28日)、準々決勝(7月4日)、決勝戦(7月13日)の3試合。

KBSでは先月29日の早朝に、コロンビア対ウルグアイの16強戦をソウル駅とKBS本社、KBS大田放送総局、KBS済州放送総局の4か所で生中継を披露。

ソウル駅ではLG電子のDTB-T2チューナーが内蔵されている4Kテレビを設置してパブリックビューイングを行った。この際の現地中継はFIFAとソニーが行ったもの。スコアボードなどのグラフィックやリプレイ、スローモーションなどの特殊映像も4K UHDで製作し、オープニング・エンディング映像もアップコンバートした。KBSでは、ハイライトなどを編集した4Kコンテンツを現在、ソウルと首都圏地域に放送している。

地上波4K実験放送信号は、地上波DTVを直接受信している世帯でサムスンおよびLG電子の4Kテレビを持っていれば、ソウル、京畿などの首都圏で屋内・屋外アンテナを活用して4K実験放送の視聴が可能だという。両テレビメーカーではワールドカップ開催前に、この実験放送が受信できるよう、ファームウェアのバージョンアップや特別なドングルの提供などを実施している。

(山下香欧)