ID:Dave Grohl on subway platform.
Photographer: Kenny Stoff

Blackmagic Designの発表によると、HBOで放送中のFoo Fightersのドキュメンタリー番組「Sonic Highways」(全8回)で、舞台裏のフッテージやBロールの撮影に複数のBlackmagic Pocket Cinema Camera、移動型プロダクション・ユニットの中心に、HyperDeck Studio Pro SSDレコーダーおよびTeranex 2D Processorが使用されたという。

デイヴ・グロール氏が監督を担当する「Sonic Highways」は、音楽の新しい指標をテーマとした各1時間ずつのエピソードシリーズで、それぞれの都市を特徴づける独特な歴史、文化環境、人々、さらには各地の伝説的人物がキャプチャーされている。各エピソードは、オースティン、シカゴ、ロサンゼルス、ナッシュビル、ニューオリンズ、ニューヨーク、シアトル、ワシントンD.C.(アルファベット順)で収録され、10月17日よりHBOで金曜日11:00(ET/PT)に放送されている。

Roswell Filmsのエグゼクティブ・プロデューサー、ジェームス・A・ロタ氏とTherapy Studiosのジョン・ラムゼイ氏が制作におけるすべての技術的な面を監督した。制作では、バンドのレコーディング、パフォーマンス、インタビュー、舞台裏など、計480時間を超えるフッテージをキャプチャーする必要があったため、機動性・信頼性が高く、かつ簡単なワークフローが求められたという。

ロタ氏:Blackmagic Pocket Cinema Cameraを使用するというコンセプトは、バンドのメンバーや照明スタッフ、私やジョン(ラムゼイ)など、誰かが何か面白いことを見つけたら誰でもすぐにカメラを手に取って撮影できるというものでした。サイズが小さく、持ち運びが非常に簡単なカメラですが、本当に素晴らしい画質で収録できるんです。

141023_BMD_foofighters01 ID:Dave Grohl with guitar in studio.
Photographer: Andrew Stuart

ラムゼイ氏:この方法でアルバムを制作することで、バンドが曲を書きレコーディングする場面など、今まで見えなかった場面が明らかになります。1人のファンとして、そのようなクリエイティブな過程を見られるのは実に特別な経験です。訪れた場所は必ずしもレコーディングに適した環境ではありませんでしたが、固定カメラをセットアップし、HyperDeckにつないでSSDを入れ、信じられないほど簡単に一日中撮影が行えました。

撮影現場では、固定カメラの傍にある6つのフライパックで計6台のHyperDeck Studio Proがそれぞれ使用され、さまざまな場面があらゆる角度から収録された。カメラのフィードは、HDMI/SDI経由で、デュアルSSDスロットで継続的な収録に対応するHyperDeck Studio Proへと直接送信された。

ロタ氏:HyperDeckを使用してDNxHDで収録できたので、トランスコードの時間を削減できました。また、必要であればフッテージを再生し、タイムコードを付けて、設定が済んだらあとは何もする必要はありませんでした。まるで永遠に収録できるテープマシンを使用している感覚でした。私たちはフライパックをカメラの近くに置いて小型ステーションのように使用し、収録が終わるとそれらをトラックに運んで次の場所へと進みました。撮影日の終わりにはドライブをDITに渡して、DITはそのメディアをポストプロダクション用にL.A.に送り、ベーシックなフッテージのほとんどはすぐに手に入りました。

DITは、ThunderboltベースのディスクドックであるMultiDockを使用してメディアのバックアップや管理を行った。また、規格・フォーマットコンバーターのTeranex 2D ProcessorとHyperDeck Studio Proを合わせて使用し、必要に応じたフレームレートで収録し、ケイデンスの除去にも対応した。

ロタ氏:Teranexは必要に応じてあらゆるフレームレートで収録できるのが素晴らしいですね。ポストプロダクションで編集を開始したときも、アーカイブ用フッテージを用途に合ったフォーマットやフレームレートにするのにTeranexを使用しました。また、UltraStudio Express、Intensity Extremeなどのデバイスも、キャプチャーや再生用に数個使用しました。Blackmagic Designのツールは、実際に作業を行う人たちにとって本当に役立つソリューションです。