日本国内でNTTぷららが4K VODサービス「ひかりTV 4K」を先月末から業界先駆けて始めているが、米国ではNetflixやアマゾンはさておき、どちらのサービスプロバイダーも、インフラを整え、コンテンツを揃えてと、足踏みを揃えているようだ。

そのような状況の中、オンラインビデオプロバイダーのM-Goが先陣を切ってサービス開始の発表を行った。M-Goが今年1月のCESにてテクニカラーと共に公にしていた内容だ。サブスクリプションモデルとしては米国で初めてとなる。M-Goはテクニカラーとドリームワークス・アニメーションの共同出資で設立した、オンラインビデオサービスプロバイダーだ。

公式ブログからの説明によると、サービスは年内に開始する予定で、年内には映画やテレビ番組を100本ほど揃えるという。1本あたりのレンタル費は現在のHDタイトルよりも1~2ドル程度プラスされ(HDタイトルは4~6ドル)、購入となると現在のHDタイトルの平均価格15~20ドルに3~5ドルが加算される予定。この4Kサービスは開始当初、サムスンの4K UHD TVからでしか視聴できない。アプリとストリーミングのデコーダーの関係だろう。

今回のM-Goの発表は、衛星放送事業者のDirecTVが第3四半期業績の発表の際に4Kサービス計画のアウトラインを報告した直後となった。DirecTVもまた、専用DVR(Genie)にサムスンTVを受信機側として利用することで進めている。

余談だが、M-GoとサムスンはVR技術でもいっしょに取り組んでおり、先日のIFAではサムスンのバーチャルメガネ「Gear VR」に対応したM-Goサービスのブラウズアプリ「M-Go Advanced」を公開していた。

サムスンのGear VRは12月に250ドル程度で発売される予定。VR技術にはFacebookが今年初めに破格の値段(約2100億円)で買収したOculus社の技術が用いられている。

(山下香欧)