同社は2008年設立の比較的新しい会社で、手術用映像のネットワーク配信・記録システムや映画館向けの上映・残席システムなどの開発販売からスタートしている。とはいえ映像業界の新参者ではなく、社長はEDIUSを初めとして数々の映像機器を世に送り出したカノープスを設立、買収されるまで社長を務めた人物である。

カリーナシステムが今回出展した新製品は、4Kコンテンツ配信・ブロードキャスト・モバイルなど、さまざまな用途に適した高画質ファイルコンバートシステムCambria FTC 2.6やインターネットライブ配信システムCambria Live Broadcast、スケジュール録画/時差編集/簡易アーカイブワークフローなどである。現行製品であるライブエンコードシステムCambria Liveシリーズやキャプチャー/エンコードシステムCambria DTE / Cambria ADEなどをコアにシステムを再構築し、新たな需要に向けた効率的な製品開発を行っているような印象だ。

ファイルコンバートシステムCambria FTC 2.6は、新たにソニーXAVCやDPX入力に対応したほか、HEVC(H.265)出力やSmooth Streaming、MPEG DASH出力にも対応しており、最新のコーデックをいち早く取り入れた製品といえる。また、解像度やフレームレートの変換、ロゴ挿入や音声レベル調整等のビデオ/オーディオ処理機能も搭載しており、1素材から用途や目的の異なる複数のファイルを作るのに適したものといえる。また、システム提案としてネット配信を行いながら刻々と収録される素材をClipCutterで収録直後から即座に編集開始できるシステムや、ニュースのハイライト映像をホームページのニュース記事欄に自動登録するシステムなどが出展された。

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インターネット番組配信+時差編集ワークフロー。Cambria Liveを使用してインターネットライブ配信を行うと同時に、保存される映像を時差編集システムClipCutterで収録直後から即座に編集開始できるシステム

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時差編集システムClipCutterの操作画面

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4chネットワークエンコーダMEDIASYNERGY NEX。HD/SD-SDI、DVI-D、Sビデオ、コンポジット、RGB入力端子を装備したほか、H.264のマルチエンコードに対応したネットワークエンコーダ。HD-SDIまたはDVI-Dを増設したモデルもある。また、USBハードディスクやBlu-rayドライブ、NASを接続することで、単体での記録運用も可能

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ファイルコンバートシステムCambria FTC 2.6。最新の圧縮コーデックが実装されたほか、ビデオ・オーディオの調節機能も備えている

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暗闇でもフルHD1080/30pのカラー撮影が可能なカメラSSC-9600。独自開発の3次元ノイズリダクション処理を搭載することで、被写体照度0.005lxの低照度環境下でも動画撮影ができる超高感度カメラ

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ビデオキャプチャーボードSXH-1800PCIE。DVI-I、コンポジット、Sビデオ入力端子を搭載した1920×1080/60p対応の非圧縮キャプチャーカード。組み込み用として開発されたもので、付属のSDK(開発キット)により様々な用途に機器に組み込み可能