米国最大MSOのComcast(コムキャスト)がついに4Kオンデマンドビデオ(VOD)サービスを始める。

同社のXfinityサービス加入者向けのサービスで、当初は追加料金無し(無償)で提供される。こちらもDirecTVが始めた4K VODサービスと同様にサムスン製のUHDテレビに搭載する専用アプリのみ対応できるとしている。サムスン製UHDテレビのオプションボックス「SMARTハブ」からXfinityの認証でログインする。アプリでは、ユーザーのパーソナライズ設定ができ、ペアレンタルコントロール、クローズドキャプションやオーディオ環境の設定などが行えるようになっている。コムキャストでは、4K視聴には最低15Mbpsのインターネット接続環境が必要と説明している。

コンテンツは傘下のNBCUの恩恵でDirecTVよりも最新で作品数も多い。「シカゴ・ファイアー」(NBC)や「スーツ」、「コバート・アフェア」(USA Networks)などは最新のシーズン/エピソードが揃っている。そしてNBCの「パークス・アンド・レクリエーション」も2月から始まる最新シーズンを4K VODサービスにも提供する予定。

来年には、今回のXfinity TV Goプラットフォームだけでなく、4K/HEVC対応できる新しいX1セットトップボックスのモデルをリリースして、4Kコンテンツを4Kテレビで再生できるようにしていくという。

サムスンのスマート4Kテレビは、その内蔵ハードウェアと独自アプリにより、コムキャストやDirecTVの4K VODサービスならず、M-GoやNetflix、Amazon Instant Videoといったサービス業者ともパートナーシップを取り、業界で4Kサービスのイニシアチブをとっているようだ。

DirectTVの4K VODサービスのプラットフォームとしても知られるDeluxeでは、そのサービスプロバイダー向けのDeluxe OnDemandプラットフォームを4K対応させたことを発表している。クラウドベースのDeluxe OnDemandでは、コンテンツのデジタルリマスターからDolby Visionを含めHDR対応、HEVC変換、ABR(アダプティブビットレート)、パッケージングと、4Kコンテンツのオンライン配信をフルサポートできる構えだ。特にサムスンとLG製スマート4K TV上でのコンテンツ再生まで、コンテンツプロセスから管理、DRM、配信するシステムワークフローを提供できるとしている。

(山下香欧)