NHK経営委員会は15日、「NHK経営計画2015-2017年度」と、それに基づいて策定された平成27年度収支予算と事業計画の内容を全会一致で議決し、同日に会長記者会見を行った。今回の議決した内容は「方向性と執行性が一致したと評価している」と、浜田経営委員長は述べている。

経営計画の策定では、3か年に留まらない将来のビジョン、NHKのあるべき将来像を打ち出すことが課題の1つとなっていた。今までのラジオ・テレビから、インターネットや新しい技術を使った伝達方式が取り入れられる環境、つまり放送と通信の融合時代に適応した「公共メディア」へと、NHKの在り方を広げていく。

東京オリンピックまでメディア環境は激しく変化していく中、NHKは最新の技術を生かし、世界最高水準の放送・サービスの実現を目指す。8Kでは、国のロードマップに即してオールジャパン体制を推進していく。4K、8Kを含め価値あるコンテンツ制作の強化も打ち出された。

NHKワールドTVを通して、質の高い多彩なコンテンツを充実させた国際発信をより強化する。NHKオンデマンドでは4Kコンテンツの提供を開始。放送法の改正を踏まえ、モバイルデバイス+インターネットを活用して公共性の高い情報を届ける。

今後3カ年で受信料支払率を現計画の75%から80%に引き上げ、このうち衛星契約の占める割合も50%程度を達成させる目標を掲げた。3か年の収支計画では、以上のサービス展開とコンテンツ制作力の強化に加え、放送センターの立て直し費用、2020年オリンピック・パラリンピックの準備などのため、受信料の増収を確保しなければならない。NHKは次年度から、現行の放送法に従って一部のテレビ番組をインターネットで試験的に同時配信を実施する予定でおり、それに平行してインターネット配信分野での受信料を研究していく。2020年までにやってくるだろう放送とネットの融合に向けて、現行の受信料制度の見直しは検討されるべきとしている。

(山下香欧)