Blackmagic Designの発表によると、スイスの高級時計ブランド「ヴァシュロン・コンスタンタン」のプロモーションビデオの撮影にBlackmagic Pocket Cinema Cameraが使用されたという。同プロモーションビデオの制作を担当したのは、上海を拠点とするソーシャルクリエイティブ会社であり、デジタルメディア&コミュニケーション会社Dentsu Aegis Networkの一部であるVerawom。

ヴァシュロン・コンスタンタン向けに制作された4本のプロモーションビデオには、スペシャルゲストのインタビューや、香港で開催されたAsia Haute Horlogerie Exhibitionのセカンドエディション「Watches & Wonders 2014」での製品展示の様子が収められている。同エキシビジョンでは高級時計ブランドの最新情報が提供され、特別最新モデルが展示される。これら4本のプロモーションビデオは、ユー・ガン監督1人によるワンマン体制で、3日間で制作された。

ガン氏がヴァシュロン・コンスタンタンのエキシビジョン・プロモを撮影したのは、今回で3度目。ガン氏は過去2度の撮影の経験に習い、今回の撮影に向け入念に準備を行ったという。

ガン氏:プロモ用の機材はすべて江蘇省から香港への輸送だったので、すべての機材が完璧である必要がありました。過去2回のエキシビジョンはDSLRカメラ1台で撮影しましたが、ポータブルではあったものの、十分な画質が得られませんでした。Blackmagic Pocket Cinema Cameraはサイズも小さく、素晴らしい画質が得られるので、今回使用することに決めました。

このエキシビジョンはスケジュールが忙しいのですが、重役の参列するアクティビティを1つも逃したくなかったんです。昨年はカメラ1台で撮影を行っていたので、クローズアップかワイドショットのいずれかを選択せねばならず、ヴァシュロン・コンスタンタンのCEOが龍の目に点を入れるシーンを撮影できませんでした。

このような事態を避けるため、ガン氏は2台のBlackmagic Pocket Cinema Cameraを同時に使用するデュアルカメラリグを組み、撮影に臨んだ。リグの1台のPocket Cinema CameraにはMetabones SpeedBoosterとCanon EF24-70mm F2.8L II USMレンズ、もう1台のPocket Cinema CameraにはPanasonic LUMIX G VARIO 7-14mmレンズを使用した。さらに、一般的な12V 9800mAhポリマーバッテリーをリグに追加し、2台のカメラで10時間のノンストップ撮影を可能にした。

ガン氏は日中に撮影を終え、その日の夜にはポストプロダクションを開始した。翌日の朝、完成したプロモーションビデオはエキシビジョンホールで確認、必要な部分が修正され、クライアントが承認した後にインターネット上にアップされた。ガン氏はペースの速いワークフローで、1日目の夜には1本目のプロモを、2日目の夜には残り3本のプロモを完成させた。Blackmagic Pocket Cinema Cameraの13ストップ・ダイナミックレンジを生かすため、すべてのフッテージはフィルムモードで撮影され、Apple ProRes LTの1080HD 25pで保存された。

フィルムモードで撮影されたフラットなフッテージをグレーディングする際、ガン氏は自分で作成したLUTを使用して、DaVinci Resolveでカラー調整を行った。

ガン氏:すべてのシーンを象徴するようなショットをDaVinci Resolveに読み込み、フッテージのトーンがヴァシュロン・コンスタンタンのロゴと同じになるよう調整し、3D LUTを書き出しました。編集が終わった後、書き出したLUTをタイムラインに適用して必要な調整を行い、ヴァシュロン・コンスタンタンに合うルックを完成させました。