1月にコロラド州アスペンで開催された2015 Winter X Gamesの中継放送では、アクションカメラGoProからのライブが放送された。X GamesはESPNとABCで実況中継されている。従来はオフラインで、競技が終わった時点で選手に取り付けたGoProから直ぐにメディアを取り出し、その足で中継車に駆け込んでデータをクリップ化した後、ライブプロダクションで中継に挟み込んでもらうというワークフローだった。

GoProはRF伝送技術を持つVislink社と提携してシステムを構築しており、今回のX Gamesでは、2ユニットのRFワイヤレスGoProシステムが用意された。1つはVislink社のRFトランシーバとGoProとテザーユニットで接続しヘルメットに装着したもので、もう1つはフォローカムとしてGoProとトランスミッターを一体型にし、ポールリグに装着したもの。中継車で他のカメラチャンネルと同様にGoProソースが扱われたのは、本イベントが初めて。ESPNのプロダクションではGoProからのライブフィード専用に周波数も確保した。

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フォローカムはGoProを取り付けたポールリグを持ったフォローマンがカメラマンになる。彼らによるライブシーンは、まるで自分がライバル選手のようなアングルだ。フォローマンは選手と同じコースやスロープを追従して滑っていくわけで、相当の技術が要求される。今回は米大学スキーチームの元選手2名がフォローマンとなった。

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このGoProとVislink社によるRFワイヤレスGoProカメラシステムは、引き続き AMAモンスターエナジースーパークロスの中継でも活用していくという。GoProでは放送事業向けの専用サイトを開設した。また正式な製品としての発表はNAB2015を予定している。

(山下香欧)