米ConvergentDesign社は、2015年4月13日から16日(米国時間)に米国ラスベガスで開催中のNAB2015にて、SSDレコーダー「Odyssey7」シリーズのファームウェアアップデートを発表した。ファームウェアは近日中に無償で順次追加予定だ。

同アップデートでは、Odyssey7Q+がサポートしているProResフォーマットの、ProRes422HQ、ProRes422、ProRes422LTのすべてが拡張される。RAWを内部ディベイヤー・コーデック収録するRAWオプションにも対応となり、SONY FS700の2K RAWからProRes240pや、4K RAWバースト120pのProRes 60p収録、Canon EOS C500/C300 Mark IIの4K RAWなどにも対応する。アップデート内容の詳細は以下の通り。

(以下、プレスリリースより引用)

■Samsung 850 EVO 500GBおよび850 EVO 1000GBによる収録の対応。
これまで、Odyssey7シリーズの収録用SSDは、専用のものに限定されていました。それは、速度、耐久性、寿命、電源損失時の保護回路など、収録性能を維持する為に欠かせない条件が多く、専用SSDは一つ一つがその性能テストに合格したものであったからです。しかし、その間にもSSDの性能と信頼性は進歩しています。専用SSDでの機能アップ、容量アップを開発するとともに、ConvergentDesignは欠かすことなくサードパーティのSSDをテストし、この度、ようやくSamsung 850 EVO 500GB および 850 EVO 1000GBが、その大規模テストに合格しました。2015年5月に予定されているファームウェアアップにより、今後、この2種類のSSDが収録対応に加わるでしょう。これによりランニングコストは大幅に改善されます。

■カスタム3D-LUT。
これまで、使用するカメラのLogカーブからRec709にマッチするLUTを対応してきましたが、2015年4月に予定されている無料のファームウェアアップデートにて、ユーザーが自由に作成することが出来るカスタム3D-LUTに対応します。これにより、ポストワークフローでのグレーディングを想定したモニタリングが可能になります。3D-LUTはDaVinci resolveの無料のバージョンで作成可能な.CUBE fileから、ConvergentDesignより提供されるソフトウェアでsecure binary fileに変換されOdyssey7Q+にインポート、いくつものLUTがOdyssey7Q+内のメモリーにライブラリー化されます。さらにこのLUTの適用、不要は出力ごと、モニタリングごとに選べます。たとえばHDMIとSDI-1出力、Odyssey7Q+ 7.7inch OLEDにはLUTを使用し、SDI-2出力とウェーブフォーム/ヒストグラム表示は「フラット」なままの状態にするといったことが可能です。この、カスタム3D-LUTはOdyssey7Qと7Q+のみに使用可能です。

■AJA CIONのサポート。

AJA(エージェーエー # SL2505)とConvergentDesignの同時発表にて、AJA CIONの「AJA RAW」の収録に対応することが発表されました。NABのConvergentDesignブースではCIONとOdyssey7Q+の連携デモンストレーションが行われています。

これまで、Odyssey7Q+はSONY FS700/FS7、CANON C500、ARRI ALEXA、そして、IO Industries 2K-SDIを初めとする2K POVカメラのRAW収録にRAWオプションの形で対応してきました。今回、AJA CIONに対応し、Cinema DNG連番ファイルでRAW収録が行われます。

■RAWオプションのバンドル。
そして、これらのRAWオプションは、今まで単体のオプションごとの販売、若しくはテンポラリーとしてデイリーレンタルの販売形態をとってきましたが、今後、すべてのオプションを纏めたOdyssey RAWバンドルオプションの販売が発表されました。これまで個別に購入すると、米国価格で6775ドルだったフルオプションが995ドル、若しくは99ドルデイリーレンタルで購入することが出来ます。オプションには、SONY FS700/FS7、CANON C500/C300Mk2、ARRI ALEXA(non-XT model) AJA CION、IO Industries Flare 4KSDI対応が、近日中に加わります。

■Dual-Streamモニタリング/レコーディングオプション。
2015年4月のファームウェアバージョンアップで、Odyssey7Q/7Q+上にて、2つのHDストリームを同時に運用することが出来るようになります。2つの独立したHDストリームを、Side-by-Side、Picture-in-Picture、あるいは2チャンネルスイッチャブルで見ることが出来、そのうち1チャンネルをProResコーデックにて収録することが出来ます。2チャンネル同時収録は、有料オプションにて近い将来のファームウェアアップで可能となるでしょう。そして、最終的にはこれは4ストリーム同時収録まで拡張される予定です。2チャンネル同時収録の購入者は、差額のみを支払って4ストリーム同時収録にアップグレードすることが予定されています。

このユニークなオプションは、さまざまな可能性を用意しています。たとえば、2台のカメラの色調合わせの為に、両方を同時に表示してウェーブフォームを測定したり、メインカメラをモニタリングしながらサブのPOVカメラを収録したり、カメラオペレーション用メニューモニター出力とクリーン出力両方を備えたカメラをメニューオペレーションしながら収録したりと、その用途は多彩です。