GoProアクションカメラと並び、天球アクションカメラとしてファンを広めている360flyの発売が間近となった。自称「シングルレンズで最も広いFOVを持つアクションカメラ」。オンライン、店頭ともBEST BUY(米国)と独占的販売の提携をしており、最初に店頭に並ぶのは、BEST BUYの店舗となる。

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360flyの球体カメラ部分は直径61mmで重さは138g。その最大の特徴は、特許申請済みのカメラレンズとソフトウェアにある。レンズは8枚のガラス製超魚眼レンズでできており、全方位の一枚映像をとることができる。超魚眼レンズで捉えた1枚の円周映像を、専用アプリでゆがみのないHDクオリティPOVへと変換、再生および360度パノラマとして再生することができる(下位方向は120度)。地球儀のような球体の地図を1枚の平面地図にするのと同じ仕組みだというが、それを1秒に60枚生成するわけだ。

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バーチャルリアリティ(VR)機能も無視しておらず、アプリでモードを「VRモード」に変え、デバイスにGoogle Cardboardを取り付ければ、360度のVR空間が楽しめる。Wi-FiおよびBluetoothを内蔵しているので、アプリでライブビューイングも可能のようだ。

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解像度は1504×1504/29.97fps、2.26MP。視野角は240度、焦点距離は0.88mm、絞りはF2.5。最短撮影距離は30cmとなっている。映像フォーマットはH.264で内蔵32GBのメモリーに記録する。内蔵バッテリーで2時間強の動作が可能。

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360flyのプロモーションビデオやユーザービデオは、プロスポーツプレイヤーをエバンジェリストに迎えてネオスポーツ、アクションスポーツと、とにかくスピード感あふれるものを取り上げている。これも今年の春に新しくCEOに就任したPeter Adderton氏がマウンテンバイカーであるが故かもしれない

プロサーファーKalani DavidやCarissa Mooreの2名をファンにつけた360flyは5気圧防水というが、水中36mまで耐久できるとされている(マイクロフォンプラグ込み)。防塵性能はIP6X、落下耐久は1.5m。動作は-20度でも耐えるのでウィンタースポーツでのPOVでも活躍できる。3軸センサーと加速度計を実装しモーション検知を行う。

開発会社名も360fly。技術は15年前に米国ペンシルベニア州カーネギーメロン大学のロボティクスラボ研究内で火星探査ローバーなどに実装された。2011年にはiPhone向けのパノラマレンズGoPano MicroとコミュニティサイトGoPano.comを立ち上げたという、この道の先導者でもある。

価格は399.99ドル。数台のGoProを全方位用リグにマウントしたものをヘルメットやレースカーに装着するのは重量やサイズから言っても厳しい。そういったシーンでは、この360flyが大いに活躍できる。因みに360flyのプロ版(バージョン2)の開発も既に着手しているようだ。

9月10日に公開された360flyで捉えた映像。気象調査用気球に取り付けて宇宙空間まで撮影した

(山下香欧)